1,800円以上の注文で送料無料

夏の朝 の商品レビュー

4

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もやの中から蓮を見ているような素敵な装丁に惹かれて読み始め。 亡くなったおじいちゃんの家の整理で泊まっていた主人公の莉子が、毎晩おじいちゃんの過去の夢を見ていく話。 日を重ねるごとに夢の時代は過去に遡って行って、この家の人と蓮の思い出を知っていく。 不思議な展開が表紙と相まって、穏やかに進んでいくのが読んでいて心地よかった。 蓮の実ごはんの炊ける匂いも、味も気になる。

Posted byブクログ

2023/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フォローさせて頂いている方のレビューを見て 読みたいと思い図書館で借りてくる。児童文学。 中学二年生の女の子莉子が主人公。 父母姉弟の普通の家族かなと思うと少し事情がある。 亡くなった母方のお祖父ちゃんとその田舎のおうちの 蓮の花が物語の中心。莉子がお祖父ちゃんの 一周忌で田舎のおうちに泊まることから物語が 進んでいく。面白くてあっという間に読了。 莉子が蓮の花が咲く音を聞こうと 毎日早起きして蓮池に向かっていると何故か時代が 逆戻っていく。お母さんがまだその家で娘だった頃から お祖父ちゃんがまだ少年だった頃まで。毎朝毎朝 はっきりと見る過去の世界。莉子が突然いても どこの子と疑わずもてなす田舎ののんびりとした 開放的な様子が読んでいて気持ちが良い。 莉子の叔母さんの佳乃おばさんは、お祖父ちゃんの 家を片づけるために莉子と一緒に泊っているのだけど 毎朝蓮の花が見せた幻のような莉子の話を最初から 信じて熱心に聞いてくれる。莉子も佳乃さんもとても 素直でひねくれていなくて、心が洗われる気持ち。 莉子は本当のお母さんを亡くしていて 新しいお母さんがいる。新しいお母さんの存在感が どんどん溢れて本当のお母さんの存在すべてが無に なってしまうような恐怖感を味わって お祖父ちゃんの家にお母さんの気配を探そうと向かう。 その時のお祖父ちゃんとの思い出がとても 鮮明で素敵で涙が出た。人は亡くなってもなくならない その人を思う人の心にきちんと必ず残っているんだ その思い出を反芻するときには亡くなった人も そこにいて、死=無ではないと感じられた。 蓮の花と蓮の実が物語のキーポイントになっているけれど 蓮を取り巻く自然いっぱいのお祖父ちゃんの家の様子が 目に浮かんでとても清々しい読後感だった。

Posted byブクログ

2022/03/26

蓮の花の開花とともに過去へタイムスリップする、というユニークな設定ですが、穏やかで品のある文章のため、最後までスムーズに読み進めることができました。全体を通して温かく、優しさにあふれた物語です。

Posted byブクログ

2022/03/25

図書館でジャケ借りした児童文学。不思議なことが起こる夏の朝、その意味が徐々に分かっていくにつれて、物語の中に引き込まれていった。表紙の絵を見て感じた透明感がそのまま文章にも感じられて、綺麗な風景を想像しながら読めた。調べたら2015年の課題図書(中学生の部)だったそうで。納得。

Posted byブクログ

2022/02/03

主人公と一緒に時間を旅しているような感覚になった。 読後は優しい気持ちになって今をより大切に生きようと思えた。 当たり前にある身の回りの環境も長い年月の中で少しずつ変わっていて、たくさんの人達の物語を紡いできているのだと思った。

Posted byブクログ

2021/08/02

おじいちゃんが暮らした家で夏の少しの間を過ごす莉子。蓮の花が開く朝に時間を遡って過去の祖父や母に出会う。家族がいて代々繋がってきて今の自分があるということ。そしてこの先も繋がっていくということ。私の今までの物語は?これからの物語は?私も物語で出来ているんだな。故郷に帰りたくなる。

Posted byブクログ

2021/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

蓮が咲くころに想い出しては読みたくなる物語です。 装画は美しい蓮の花が描かれ、半透明のカバー越しに蓮がぼんやりと透けるようにみえる。それは蓮にまつわる不思議な物語にいざなう扉のよう。   莉子がおばあちゃんの家で時を遡る5日間の物語。 そこで出会うのは祖父。 祖父にとっては少年期、青年期、壮年期、老年期、そして最期を迎える時と人生全般で5回出会った少女。その少女は孫だったのだと気づく祖父のもうひとつの物語がまたおもしろい。 莉子の過去への旅は偶然ではなく必然だったのだろうか? 祖父亡き後、壊されようとしている家や蓮の池は『あるべき場所にあるはずのもの』が消えようとしている。 祖父から莉子へと手渡された想いを受け止めることで、物が消えても家族の「想い」や「物語」は消えないことを莉子は知る。 母親を亡くした莉子は、母の存在が消えてしまう淋しさを抱えていた。 過去への旅は、母の写真がなくなっても母の想い、母の物語はなくならない。その確認の旅だったのかもしれない。 「蓮のつぼみの中には『想い』が詰まっている。言葉になることができなくて、空をさまよっていた誰かの想い。露と一緒に蓮の中に沁み込んで根や茎を巡り、最後は蕾に溜まって、開花とともに再び空へ放たれるのです。受け取ってくれる人が現れるまで、同じことが何度も繰り返されます。」 蓮の花を観る度に思い描くフレーズになりました。

Posted byブクログ

2021/07/22

先ずは本の装丁が好き。 そしてタイトルも良い。 ファンタジーだけど、有り得そうな設定。 この家を壊さないでと願ってしまったが、古くて手入れが出来ない古い家は日本のどこにでもあるんだろうな、と。 しかし物語と言えど、この家の蓮の時期に見てみたいと思った人も多いはず。

Posted byブクログ

2021/07/07

再読。蓮の花が咲くこの時期に読みたくなる本。文章から感じとられる景色がたまらなく清々しい。莉子とおじいちゃんはもちろん、おばさんとの関係も愛おしく、何度読んでも暖かな読後感が残る。

Posted byブクログ

2021/05/21

主人公の少女の素直な心と、少女を取り巻く(平凡ではあるけれど)優しい大人たち、そして美しい挿絵。そして舞台は夏の朝。 とても爽やかに心を洗ってくれるような物語でした。

Posted byブクログ