妖琦庵夜話 人魚を喰らう者 の商品レビュー
因果応報・勧善懲悪は嫌いではありませんので、「青目よ、よくやった」とは言えないものの、この結果にある程度納得です。猟奇的シリアス感と、妖琦庵ファミリーの和やかな食事風景、伊織センセと家令さんの妙に可笑しな舌戦のバランス取れた配置が絶妙で癖になります。次巻から“犬”は常駐でしょうか...
因果応報・勧善懲悪は嫌いではありませんので、「青目よ、よくやった」とは言えないものの、この結果にある程度納得です。猟奇的シリアス感と、妖琦庵ファミリーの和やかな食事風景、伊織センセと家令さんの妙に可笑しな舌戦のバランス取れた配置が絶妙で癖になります。次巻から“犬”は常駐でしょうか(笑)?そして最後に伊織センセの重大告白!本文とデジャヴった描き下ろしペーパーがまた最高でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ネタバレというわけではないと思うけど一応。 単行本派だったので、文庫版が明日美子イラストであろうとも(むしろこのシリーズはやまねさん推奨派だけれども)ぐぐっと堪えていたのに、新刊が遂に文庫からの発売に…。 費用とかいろいろあるとは思うのだけれどどうしてもシリーズ物の判型装幀変更を受け入れ難いので新装版とか許せない派なのですけど…けど…初版明日美子コミックペーパー封入とか言われたら発売日の昼休みに一駅先の本屋まで行ってしまうじゃありませんか…っ(完敗)。 シリーズ一冊目が「その探偵、人にあらず」というサブタイトルであったように、このシリーズは角川ホラーで妖モノだけれど、そこはかとなく今は減りつつある王道本格ミステリの「雰囲気」を濃く宿している。 妖の伝説と事件が交錯し、誰が何故殺したのかを紐解き、探偵自身とその宿敵の隠された過去をシリーズを通して徐々に明らかにしていく。 ロジック的な本格ミステリというようなものはまだ出てきているけれど、叙情的且つ非日常的なあの感覚を味わえるものは最近ではなかなか遭遇しないので、こんなところでそれが味わえてしまうのは嬉しいような物悲しいような。 あえて贅沢を言うならば、榎田さんの文章力であれば叙情的な部分をもっと描き込んでくれるとぐぐぐっと惹かれると思う。軽妙な掛け合い等はとっても榎田節だし、物語の流れもとてもスムーズで読みやすいのだけれど、人魚にまつわる事柄や伊織と青目の対峙あたりは、もっと美しさや悲哀を見せてくれても良かった。薬指なんかむしろBL作家としての力量も活かすぐらいの勢いでも本筋に影響は全く無いと思うのは、その辺りに耐性がある人間だからなんでしょうか。でも大体ユウリ名義読んでる人も耐性あると思もご。 犬神も新キャラに加わったということで宜しいか。既に照ちゃんとか何だっけくらいの記憶だけど(すみません)。 最後にしっかり爆弾も落とされて、さて次の新刊はいつだろう。
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