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伝説のエンドーくん の商品レビュー

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44件のお客様レビュー

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2024/06/06

途中、もしや…と思ったことが、当たっていた。 エンドーくんはこの学校のみんな(生徒だけでなく教師たちも)の心の友達みたいになっているんだなと。 本人はまさかそんなに受け継がれていくとは思ってなかったのだろうけど。 誕生のきっかけもそこまで大きな話でもない気がするけど、エンドーくん...

途中、もしや…と思ったことが、当たっていた。 エンドーくんはこの学校のみんな(生徒だけでなく教師たちも)の心の友達みたいになっているんだなと。 本人はまさかそんなに受け継がれていくとは思ってなかったのだろうけど。 誕生のきっかけもそこまで大きな話でもない気がするけど、エンドーくんが完全に独り立ちして、こんなに大きな存在になるのが面白く、いい話だなと思いました。

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2024/04/27

何をするかではなく、どう生きるか、それが大事だと改めて感じさせてくれた。 人は人に頼り、想いを紡いで生きていく。一つ一つの営みが優劣のつけられない尊いことだと感じた。 そして教育現場の大切さ、人の気持ちの移り変わりにも気持ちが動いた。子供にも読んでもらいたい爽やかな作品。

Posted byブクログ

2024/03/09

 思春期真っただ中の中学生を相手に日々奮闘する、中学教師を主人公にした人間模様の短編連作集です。  私は、この本の前情報を何も得ず、ただタイトルだけを見て手に取りました。『伝説のエンドーくん』――そのタイトルは、中学生か高校生の『エンドーくん』が何らかの伝説を作っていく話、とい...

 思春期真っただ中の中学生を相手に日々奮闘する、中学教師を主人公にした人間模様の短編連作集です。  私は、この本の前情報を何も得ず、ただタイトルだけを見て手に取りました。『伝説のエンドーくん』――そのタイトルは、中学生か高校生の『エンドーくん』が何らかの伝説を作っていく話、という漠然としたイメージを私にもたらしていました。  けれど、読み始めてすぐ、『エンドーくん』はこれから伝説になる人なのではなく、既に伝説の一部となっている人なのだとわかりました。  中学校の校舎の至る所に書き込まれた『エンドーくん』の落書き。  荒唐無稽なものから誰かの心の支えになるようなものまで、様々な文言のそれが、時に見る人に何らかの影響を与えていく。  心がまだ柔らかく、傷付きやすく、繊細で、良くも悪くも染まりやすい。そんな自分に戸惑ってさえいるような時期の子どもたちに接する身近な大人たちもまた、『教師』という教育者であると同時に一人の人間なのだと、当たり前のことながら少し新鮮な感じのする目線で語られる物語を読んで改めて思いました。  中でも、美術教師の目線で語られる物語が特に好きです。  芸術は、光だと。そう語る特別授業が、印象的でした。  伝説のエンドーくんは、平和の使者。  偉大なるエンドーくんの落書きが、ひそかに、そして時には堂々と残る校舎で、子どもたちが、教師たちが、生き生きと日々を刻んでいくだろうことを感じさせてくれる、読後感の爽やかな一冊でした。

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2024/02/14

教師モノって、読んでいてなんだか常に怖い。 何かが起こりそう感が背中に張り付いてきてハラハラする。怒られそう感?かも。それが先生になのか、親になのか、はたまた子どもからなのか自分のつまづいた記憶なのか。 この作品は進学中学校が舞台だが、どうも思春期というものに自分は怖気付いてい...

教師モノって、読んでいてなんだか常に怖い。 何かが起こりそう感が背中に張り付いてきてハラハラする。怒られそう感?かも。それが先生になのか、親になのか、はたまた子どもからなのか自分のつまづいた記憶なのか。 この作品は進学中学校が舞台だが、どうも思春期というものに自分は怖気付いているのではないかと気づかされた。小学校高学年から高2くらいまで。それを随所においてぴったりと説明してくれる。どうにでも転んでしまいそうな不安定な時期と、それを囲む大人たちの戸惑い。 ── 向こう側には良いものも悪いものも棲んでいるということですな。こっち側と同じです。それをぎりぎりコントロールしながら、発展させたりやりすごしたり、そういうことをしていくんでしょうな。 ─確かに向こう側からやってきた力のある作品は乱暴で自己満足にすぎないものも多い。本当に良いものは、自分が現実社会で培ってきた経験なり感性なり、つまりこちら側からの力が加わらなければ完成しない。 これは補助科目と教頭に言い捨てられた美術の先生のエピソードで語られるフレーズ。ただ芸術だけでなく、思春期と大人にも当てはめられている所が絶妙。向こう側のイメージとは、私の中だと完全に呪術廻戦モード。気を抜けば喰われる(笑) 何がそんなに怖いのかな。それを考えることもまた面白かった。 あと1〜2年もすれば親の当事者になる。 思春期ヤローとどう接するか。さっきのフレーズを忘れずに心にしまっておきたい。

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2023/11/08

ある中学校へ新任の先生がやってきて、初の挨拶時に赤っ恥をかく、という場面から始まるこの児童書はもちろん中学生だけでなく大人の方の読書にも十二分に応えてくれる読み応え。 自分の中学校時代のことも、これまで出会ってきた先生方の笑顔だけでなく怒った声まで思い起こさせてくれるような、懐か...

ある中学校へ新任の先生がやってきて、初の挨拶時に赤っ恥をかく、という場面から始まるこの児童書はもちろん中学生だけでなく大人の方の読書にも十二分に応えてくれる読み応え。 自分の中学校時代のことも、これまで出会ってきた先生方の笑顔だけでなく怒った声まで思い起こさせてくれるような、懐かしいけれど新しい小説でした。 章ごとに主人公が入れ替わり、全編を通してのミステリアスな人物像もあり、学校の歴史とともに人にもそれぞれの生き方を考えさせてくれる楽しい読書タイムでした。 今、青春真っ只中の中学生や高校生に今この本をお勧めしたい。それとそんな子どもを見守る大人たちにも。

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2023/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

⚫︎受け取ったメッセージ 伝説のエンドー君は、いまでも輝きを放っている。 「人間を育む」とは「人間を愛する」こと。 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 成績優秀、容姿端麗なエンドーくんて何者? 創立99周年を迎える市立緑山中学校の職員室を舞台に、14歳という繊細で多感な年齢の子どもたちと日々真剣に向きあう中学2年担任教師たちの姿を描く。 そして、伝説のヒーローとして代々語りつがれる「エンドーくん」が、なぜ伝説になったのか? その秘密が、創立100周年記念式典で明かされる。 坪田譲治文学賞作家、まはら三桃の最新作。 【編集担当からのおすすめ情報】 先生だって、生徒と同じように、毎日悩みながら、でも日々少しずつ前に進んでいる――。大人を信じよう、と思える作品です。 各教師の物語とともに、「伝説のエンドーくん」にまつわる謎解きも楽しんでください。 (※ネタバレ注意) ⚫︎感想 爽やかな、先生たちの青春物語…といった感じ。 当時エンドー君は同級生たちを救った。 今、エンドー君は同僚たちを救っている。 エンドー君の正体は、早い段階で気付くようにしかけがしてあるので驚きはなかったが、それでも最後まで読ませる温かい物語。教科別の先生たちの苦しみ、生徒や保護者とのやりとりの苦悩、「向こう側」からくる、怒り、悲しみを芸術で解決できるはず、というメッセージ。エンドー君は、人間に対する愛にあふれる児玉先生は、今もずっとヒーローをやっていた。 塾講師に転身した先生の話が好きだった。

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2023/07/25

期待した以上に面白かった。 中学の教師の物語がオムニバス形式で描かれている。すきっと解決まで描かれていないが、解決できそうな光がさしている。 芸術の価値について語る先生、転職を決める先生、モラハラ気味で離婚され、子どもも寄り付かない先生と色んなことがあるが、どれもオチは前向きだ。

Posted byブクログ

2021/05/18

派手でないからこその圧巻のラスト。エンドーくんはやはり伝説の男だ。 作者あとがきの先生の言葉も印象的。「みなさんがこの先もうだめだと思うほど辛い時は、公衆電話をかけるための十円玉だけ残しておきなさい。痛みがなくて誰にも見つからない、よい人生のとじ方を教えてあげますよ」

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2021/03/31

多分、好きな作家になるだろう予感があった。 二作目には、紹介で何度か目にしていたタイトルを手に取ってみた。うん、好きだな。 大人側の話だったとは、意外。 大人だって悩んでいる。先生にだって、人生がある。 そして、伝説は意外と身近にある。 その事に自然と気づかせてくれる。

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2020/10/21

緑山中学2学年の教師たちが「エンドーくん」の落書きの中から、自分に向けられたメッセージに目を止める。そして児玉先生との何気ない会話の中から、各々の悩みの答えを見つけていく5つの短編連作。 学校が舞台の話は生徒が主人公が多いが、多数の先生にスポットを当てることで、先生も悩みながら...

緑山中学2学年の教師たちが「エンドーくん」の落書きの中から、自分に向けられたメッセージに目を止める。そして児玉先生との何気ない会話の中から、各々の悩みの答えを見つけていく5つの短編連作。 学校が舞台の話は生徒が主人公が多いが、多数の先生にスポットを当てることで、先生も悩みながら生きてるんだなぁと思えたら、生徒たちも先生を見る目が変わるんじゃないかな。 「エンドーくん」という謎の人物の設定がとてもうまく、おもしろい。伝説のエンドーくんって何者?と思いながら読み進め、最後「エンドーくん誕生」で明らかになる。 最初の清水先生が校歌の歌詞を間違えたことと、最後明らかになる過去に歌詞を変えたことがうまく繋がっていく話の運びがうまいなぁ。

Posted byブクログ