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サードマン の商品レビュー

3.5

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

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2024/08/13

つくづく、私は冒険や探検、極限状況を乗り越えて生還した人の話が好きらしい。 本書の著者が言及している作品はもちろん、訳者があとがきで言及している作品でさえ、読んでいる。ジョー・シンプソン、アーロン・ラルストン、松田宏也、佐野三治等々。現に、本書を読みたいと最初に思った理由も、あの...

つくづく、私は冒険や探検、極限状況を乗り越えて生還した人の話が好きらしい。 本書の著者が言及している作品はもちろん、訳者があとがきで言及している作品でさえ、読んでいる。ジョー・シンプソン、アーロン・ラルストン、松田宏也、佐野三治等々。現に、本書を読みたいと最初に思った理由も、あの角幡唯介氏が文庫化にあたって解説を書くと知ったからだ。 解説を読むと、あれだけ自身の冒険記録を上梓している角幡氏でありながら、サードマンにまだ出会ったことはないという。冒険者が、自分の精神と肉体のギリギリの限界まで達したとき、すべてが絶望にしか見えない状況に追い込まれたとき、それでもその極限状況を切り抜けようとする潜在意識、自分自身の心と体を守るために備わった神経伝達のしくみが生み出す<存在>がサードマンだ。角幡氏は、それに会えていないということは「自分はやり切れてないのではないか」と複雑な心境になった、なんとしてもサードマンを見たいと書いておられるから、まだまだ彼の冒険譚は楽しめそうだ。 前置きはいいとして。 そんな私が本書に期待したのは、極限状況で、その当事者が出会うという「サードマン」を科学的に解き明かし、人間の脳の作用機序が明らかになるというものだったのだが、うーん、そこはゼロではないけど期待したほどではなかったというのが正直なところ。 個人的には、そのような極限で起きる現象であれば、一種の防衛機制的なものだろうという予測はしていたし、あながちそれもそこそこ当たっていそうではあった。個人差もあり、資質的性格的な面も、また文化的背景もあったり、そこに至るまでの環境や状況も影響するだろうから、これがメカニズムです、これが理由です、みたいなものは簡単には言えないだろう。ただ総じて言えることは、いかに人間の脳が、その個人の生命を守ろうとするための潜在力があるか、その潜在力をいかに本当に必要な時に発揮するか、ということだ。よくできている、と言ってしまえばなんだか軽々しいが、いや本当に、なんと人のもつポテンシャルが奥深いものなのかと、改めて恐れ入った。生きる者の、生命をつなぐことへの本能の力強さを、思い知らされずにはいられない。 科学的解明という点では若干の物足りなさもあったが、なにより私の大好きな、生還の事例がたくさん載っていて、読んでみたくなった著作が増えてしまったことは言うまでもない。 さーて、また読みたい本にあれもこれも登録しなくちゃだな! 人間の逞しさに感服しつつ、そして角幡唯介氏の次なる冒険譚を楽しみにしつつ。 蛇足。 サードマン現象は、やっぱり、限界を超えた状況から自分自身を守るために備わった脳のしくみによるものだと思う。よくある火事場の馬鹿力的な話もそう。人は普段、脳の本来の能力の3割くらいしか使わず、いざというときにだけ、その全力を出すっていう。それと機序としては同じなのではないかな。ひどい虐待にあった子どもが解離を起こすのもそうだし、肉体的精神的に苛烈な状況に長期間陥ると、その苦痛を真っ向から受け止めずにすむように脳が委縮するとかも。かように、人の脳は自分自身を守らんと作られているということでしょう。

Posted byブクログ

2022/01/12

( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )

Posted byブクログ

2020/12/30

山や海で遭難するなど命の危険が長期間続く状況からサバイバルした人はthirdmanFactorを体験していることが多い。いないはずの人の存在を感じ,その人の存在によってサバイブできる現象がThirdmanFactorである。その原因として脳神経的な作用が想定されるが詳しいことは分...

山や海で遭難するなど命の危険が長期間続く状況からサバイバルした人はthirdmanFactorを体験していることが多い。いないはずの人の存在を感じ,その人の存在によってサバイブできる現象がThirdmanFactorである。その原因として脳神経的な作用が想定されるが詳しいことは分からない。死ぬ間際になるとお花畑を見たり親や先祖が迎えに来たりしたことを語る臨死体験者もいるので,そんな風にできているのだろう。そう考えると,死ぬ瞬間というのはそんなに怖いものではないのかしれない。どんな状況でも,精一杯生きればいいのだと前向きになれる。 ただし,欧米の本にありがちな具体例を延々と書き連ねていくスタイルなのに注意。個人的には疲れるスタイル。具体例を紹介することでその人達に敬意を払うという文化でもあるのだろうか。それとも帰納法的な妥当性向上の技法か。

Posted byブクログ

2020/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人が危機に瀕したときに現れるサードマン。その存在は危機に瀕した人に希望を与える存在である。 ある人には天使に、ある人には死んだ家族あるいは親しい友人に、見えるというその存在は何か。 最初の方は宗教的な話が多く、宗教的な奇跡でまとめられるの書かと思ったが、途中からは左脳の働きであるとか右脳の働きであるとか、科学的なアプローチもとられており面白かった。 個々の登山家の話や海洋冒険家の話、戦争で捕虜になった方の話などなどどの人も死の手前の危機的状況下でのサードマン現象は短い話にまとめられてるにもかかわらず、非常に面白かった。

Posted byブクログ

2019/12/13

命の危機に直面し、絶望的な状況にあったのに、奇跡の生還を 果たす人もがいる。 精魂尽き果てて、あとは死を待つのみ。生と死のはざまの人を 生の世界に導く存在。それが本書で扱われているサードマン 現象である。 本書では極地探探検家や登山家、宇宙飛行士など、極限状態で ...

命の危機に直面し、絶望的な状況にあったのに、奇跡の生還を 果たす人もがいる。 精魂尽き果てて、あとは死を待つのみ。生と死のはざまの人を 生の世界に導く存在。それが本書で扱われているサードマン 現象である。 本書では極地探探検家や登山家、宇宙飛行士など、極限状態で 危機に見舞われ、サードマンに導かれて生還した人々の事例を 多く引き、サードマン現象は宗教的概念説、脳の見せる幻想説 などを紹介している。 サードマン現象については明確な答えが出ていないので、諸説 あるらしいのは分かったが、なんせ事例が多すぎ。これを少々 削ればよかったのに…と思う。 でも、考えちゃうよね。登山にしろ、自然災害にしろ、極地で の過酷な環境いしろ、それに晒されて亡くなった人は多くいる。 なのに、何故、限られた人々だけがサードマン現象を体験する のだろうか。 生への執着の度合いの問題なのか?ならば、その基準はなん なのだろうか。命の危機に直面した時、人はすべからく「死 にたくない」と思うものではないのだろうか。 「こっちだよ、こっちへおいで。あなたはここで死んではいけ ない」と、生の側へ導いてくれ、「ここまできたらもう安心だ からね」と書き消えてしまう実在のない存在。 それはやはり脳が見せる幻想や幻影なのだろうか。それとも、 真矢みきさんなのだろうか。 「あきらめないでっ!」て。

Posted byブクログ

2018/10/18

♪勇気が僕にささやいた~、倒れちゃだめだ、がんばれと♪  やなせたかしが作詞した「勇気のうた」の歌詞。飲まず食わずで砂漠を彷徨い1週間、もう最期だとあきらめかけたとき、勇気が頑張れと励ましてくれたという内容の歌。  これこそサードマンだ!   実際は灼熱砂漠で水がなきゃ、3...

♪勇気が僕にささやいた~、倒れちゃだめだ、がんばれと♪  やなせたかしが作詞した「勇気のうた」の歌詞。飲まず食わずで砂漠を彷徨い1週間、もう最期だとあきらめかけたとき、勇気が頑張れと励ましてくれたという内容の歌。  これこそサードマンだ!   実際は灼熱砂漠で水がなきゃ、3日持たずに死ぬだろうが、人は命の危険に晒されて、極限状態をある程度維持したまま意識が朦朧としてくると、サードマンに会うことがあるらしい。  自分しかいないはずの極地で、確かにすぐ横や、すぐ後ろで正しい道を示してくれた誰かがいた。そのおかげで生還できた。そんな事例がわんさかと紹介されている。    一応、科学的な仮説はああだこうだと立てているが、判然とはしない。再現するには戦争犯罪人にでもならなきゃ無理だろうから、証明しようがない。  雪山や極地探検の例が多い。著者がそう言ってるわけではないが、極寒地獄と灼熱地獄、助かる可能性は極寒のほうが高いのだと思う。体力の消耗の仕方も異なるので、極寒のほうが幻覚を見易い消耗の仕方なのかも。  灼熱地獄でもサードマンに会った人もいるんだろうけど、生きて帰ってこないから、証言として残ってない。  不思議なことにサードマンは親とか友人とか師匠だとか、これまでの人生で関わりを持った人の姿を取らない。なんだか自分と同じような姿形をとったり、ぼんやりとした存在としてしか認識されなかったりする。   キリスト教を信仰する人は、守護天使のような存在だったと表現する。この例からもわかるように、サードマンの表現の仕方には宗教的なバイアスがかかっている。  もしかしたら日本人は同じ現象に遭遇しても、仏さまや神様の使いの動物に助けられたなんて、説明してきていたのかもしれない。  冒険家の角幡唯介が、ちょくちょくサードマン現象にまだ会ったことがない、会ってないのは未だ死の一歩手前の、本当の極限状態に陥ってないからだ、だから冒険家としては会ってみたいと言うので気になっていた。   自分は会いたくない。本で読むだけで満足。

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2017/01/21

事例がてんこ盛りでちょっと飽きたのと、結局助かった人たちの話なので(こんなこと言ってはいけないが)思ったより凄みに欠ける。極限状態で生死の境目にいる人の前に現れる者と、病気で見る幻視や子ども時代の「友達」とが一緒っていうのは違和感を感じたが、一方で聖書や古代の物語に出てくる「奇跡...

事例がてんこ盛りでちょっと飽きたのと、結局助かった人たちの話なので(こんなこと言ってはいけないが)思ったより凄みに欠ける。極限状態で生死の境目にいる人の前に現れる者と、病気で見る幻視や子ども時代の「友達」とが一緒っていうのは違和感を感じたが、一方で聖書や古代の物語に出てくる「奇跡や魔法や呪術」といった、”フィクション”でこれまで片付けていたものが、サードマン現象として説明できるというのは新鮮と思った。以下、心に残った遭難話。 ・シャクルトンの話はこうしてコンパクトにまとめられたのを改めて読むと、やっぱり随一だと思う。あとT.S.エリオットの「荒地」の一篇のモデルになってるなんて! ・1913年のカナダ北極海探検家・民族誌学者のヴィルヤルマー・ステファンソンの探検。1人でとんずら。マッキンリーら20数人を置き去り。 ・1912~13年、英探検家A.F.R.「サンディー」・ウォラストン、ニューギニアのウタクワ川を遡上しナッソー山脈を探検。帰路、多数の餓死死体を発見。 ・1957年、オクスフォード大山岳部4人パーティがカラコルム山脈のハラモシュ登攀で遭難。最初ジロットとエメリーの2人が雪崩に巻き込まれて雪窪に落ちるが、上にいたストリーザとカルバートの2人が下の2人を救い出したあと逆転して雪窪に残されてしまう。最終的にエメリーとストリーザは助かって帰国した。これすさまじく壮絶。 ところで参考文献の番号が振ってあるのだが、新潮社のサイトにあるというのはわかりにくいし、さっき見に行ったら既になかったんですけど(怒)。 もう1つ、サードマンを見てなくて悔しがる角幡唯介さんの解説が超面白い!

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2016/08/21

人間が極限状態に追い込まれると、もう一人の誰かがいるという強烈な感覚を持つらしい。想像通り、けっきょくは脳のスイッチが押されることによる明確な幻覚(矛盾してるが)。しかし、人間の可能性の広さに驚く。まだまだ人間というのは拡張できる生き物のようだ。サードマン、感じてみたい。ただ、感...

人間が極限状態に追い込まれると、もう一人の誰かがいるという強烈な感覚を持つらしい。想像通り、けっきょくは脳のスイッチが押されることによる明確な幻覚(矛盾してるが)。しかし、人間の可能性の広さに驚く。まだまだ人間というのは拡張できる生き物のようだ。サードマン、感じてみたい。ただ、感じられるような凄まじい状況には追い込まれたくはないので感じなくてもいいか思う。

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2014/10/14

別名は守護天使。ま、守護神と考えてよかろう。文庫本の改題は誤解を与える。「サードマン」が存在となっているためだ。飽くまでも「サードマン現象」と考えることが望ましい。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/10/blog-post_94.html

Posted byブクログ

2014/10/11

極限状態に置かれた人のそばに一緒につつ、助言を与える存在であるサードマン。まだサードマンの存在を感じるほど厳しい自然環境にいた経験が当然のようにありませんが、その自分以外の存在というのは感じることがありますね。本書を読むまでは、普通に頭の中での間違った認識のせいだと思っていました...

極限状態に置かれた人のそばに一緒につつ、助言を与える存在であるサードマン。まだサードマンの存在を感じるほど厳しい自然環境にいた経験が当然のようにありませんが、その自分以外の存在というのは感じることがありますね。本書を読むまでは、普通に頭の中での間違った認識のせいだと思っていましたが、この現象を説明できる日が来るのかな、と思ったり。

Posted byブクログ