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ばらばら死体の夜 の商品レビュー

3.3

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    2

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2015/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古書店の二階にひっそりすむ謎の女・白井沙漠。 沙漠と知り合い、体の関係を持つようになった吉野解。 二人はそれぞれ、多重債務で苦しんでいた。 沙漠の正体がわかったとき、今までさりげなく出てきていた部分がすべて伏線なんだと気付いた。 さりげない描写の沙漠はすべて偽者で、 そのにせものの自分をさらにきれいにするために、お金を求めて消えた。 それに対して解は、由乃に拾われ、表面的にお金持ちのコーティングをされ、心は開けず、生活費と奨学金で多重債務に陥っていく。 二人が行く末が交わったとき、 300万円で運命が変わった。 二人ともバラバラで、しっくりこない人生を生きていたのかもしれない。 二人以外の大家と里子の視点で、より重層的に物語が語られていた。 沙漠が怖い。お金で人って変わるんだ。 一気読みしてとまらなかった。

Posted byブクログ

2015/08/22

主人公の名前に「海野藻屑」「腐野花」などと平気で付けるような御仁である、桜庭一樹の作品にいわゆるリアリティを求めるのは間違っている。 ・・・のだけれど、この作品に関してはミステリとしての整合というか様式を意識したようで、物語の辻褄が合う、具体的には登場人物それぞれの行動に対する...

主人公の名前に「海野藻屑」「腐野花」などと平気で付けるような御仁である、桜庭一樹の作品にいわゆるリアリティを求めるのは間違っている。 ・・・のだけれど、この作品に関してはミステリとしての整合というか様式を意識したようで、物語の辻褄が合う、具体的には登場人物それぞれの行動に対する背景が想像できて、分かりやすいといえば分かりやすかった。一方で、いつもの桜庭作品のもつある種ファンタジックな世界観がやや失われたような感もした。赤い風景が見えるとか、ヒッチコックをモチーフにするとかはあるのだけど。 あと、「お金」という身近にあるものをテーマに選んだことで、背徳的な関係を描いた『私の男』、母娘という逃れられない関係をテーマにした『ファミリーポートレイト』に比べると、グリップがちょっと弱いと思った。

Posted byブクログ

2015/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 生まれが貧乏だったが故に逆タマに成功して好きな仕事も出来ているし娘もかわいくてしょうがないけどイマイチ幸せになれない男の話。  正直、消費者金融問題云々は申し訳程度に言及されているけれど、なんだか言い訳みたいに書かれていて社会問題について書かれたものではないです。刺身のツマです。主題は故郷を捨てた男が新しい故郷を見つけようと足掻く話であります。まぁ、駄目でしたが。

Posted byブクログ

2015/03/25

沙漠のしぐさや怠惰な性格、よくわからない解との関係、古書店の二階のぼろぼろの部屋など好きな個所はたくさんあるんだけど、ちょっと文体というかギミックがうまくいっているとは思えない。たぶんプロローグのあの感じをミスリードさせたくて全編あのような一人称視点なのにもかかわらず自分の動作を...

沙漠のしぐさや怠惰な性格、よくわからない解との関係、古書店の二階のぼろぼろの部屋など好きな個所はたくさんあるんだけど、ちょっと文体というかギミックがうまくいっているとは思えない。たぶんプロローグのあの感じをミスリードさせたくて全編あのような一人称視点なのにもかかわらず自分の動作を「けだるく」と言ってしまうような書き方を貫いているんだろうけど、違和感が強い。そして沙漠の素性や大家との関係だけで十分驚けるので冒頭のしかけのためにここまで「無理」に感じるような文章にしなくてもよかったのではないかと思う。

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2015/03/07

表のテーマはカネだけど、本当のテーマはノルタルジアの方なのだろう。帰りたい場所、帰りたくない場所。解にとって沙漠は何だったのだろうかとも思ったが、おそらく沙漠は解にとって特別な「人」ではなく「場所」の象徴として書かれているように思える。 どうでもいいけど解と彼が重なる。

Posted byブクログ

2015/01/18

暗かった。でも話に引き込まれて一気に読んでしまった。 ノスタルジアに苦しいって意味が含まれてるのは何か分かるな。 お金は計画的に!と肝に命じたのであった。

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2014/12/14

20141214 うまいこと誘惑されて本気になるとはぐらかされる。気づいたら読み終わってしまった。読後感はかなり悪い。

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2014/10/28

ごめんなさい。下北半島にゆかりのある者は、ちょっと冷静に読めないかな。斧ではなく鉞だったのはそういうことかというところ。 相変わらず、現実の日本を舞台にしているはずなのに、どこか異世界にいるような幻想をいだかせるのは、桜庭一樹節というところ。特に、エピローグでネタにされている(登...

ごめんなさい。下北半島にゆかりのある者は、ちょっと冷静に読めないかな。斧ではなく鉞だったのはそういうことかというところ。 相変わらず、現実の日本を舞台にしているはずなのに、どこか異世界にいるような幻想をいだかせるのは、桜庭一樹節というところ。特に、エピローグでネタにされている(登場人物に不思議がられている)服装なんて、どう見ても、我々が現代経験している文化と断絶があるでしょ、なんて感覚があるよね。とっても健康体なのに、とても年老いたイメージがスーパーインポーズされるというのも、魔術的リアリズム的な表現なのかもしれないな(読んだことないんだけどさ)。

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2014/10/28

桜庭一樹さんの作品のなかだと、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない、とか、私の男、のほうがすき。 はじまりは面白いけど結末が微妙。 あともう1パンチほしかった。

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2014/09/12

おもしろくない。でも文章はすき。ファミリーポートレートみたいなのを期待したけど…なんか…胸くそ悪い話?ってかんじ。

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