暗い越流 の商品レビュー
+++ 5年前、通りかかった犬に吠えられ飼い主と口論になった末に逆上し車で暴走、死者5名、重軽傷者23名という事件を引き起こした最低の死刑囚・磯崎保にファンレターが届いた。その差出人・山本優子の素性を調べるよう依頼された「私」は、彼女が5年前の嵐の晩に失踪し、行方が知れないことを...
+++ 5年前、通りかかった犬に吠えられ飼い主と口論になった末に逆上し車で暴走、死者5名、重軽傷者23名という事件を引き起こした最低の死刑囚・磯崎保にファンレターが届いた。その差出人・山本優子の素性を調べるよう依頼された「私」は、彼女が5年前の嵐の晩に失踪し、行方が知れないことをつきとめる。優子の家を訪ねた「私」は、山本家と磯崎家が目と鼻の先であることに気づいた。折しも超大型台風の上陸が迫っていた…(「暗い越流」)。第66回日本推理作家協会賞“短編部門”受賞作「暗い越流」を収録。短編ミステリーの醍醐味と、著者らしいビターな読み味を堪能できる傑作集!! +++ 表題作のほか、「蠅男」 「幸せの家」 「狂酔」 「道楽者の金庫」 +++ どの物語も、初めから屈折していて一筋縄ではいかない。どれも気を抜けない面白さである。だが、事件も解決、スッキリした、と安心しそうになる最後の最後に、黒い企みがちらっと顔をのぞかせるのである。その後の展開が――あるとすれば――恐ろしい。それとは別に、お馴染みの葉崎市や葉村晶が登場するものもあって、思わず懐かしい知人と再会したような心持ちにもなる。最後の最後まで気を抜いてはいけない一冊である。
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ミステリ短編集。基本ノンシリーズだけれど、葉村晶が登場する物語もあるのが嬉しい! どの作品も、どこかしら物事を冷めた目で見る視点と、じんわりと嫌さが残る後味が魅力的です。 お気に入りは「狂酔」。このオチ、なんとなーく見当はついたのですが。それでもまさかまさかと思いつつ読み進むスリ...
ミステリ短編集。基本ノンシリーズだけれど、葉村晶が登場する物語もあるのが嬉しい! どの作品も、どこかしら物事を冷めた目で見る視点と、じんわりと嫌さが残る後味が魅力的です。 お気に入りは「狂酔」。このオチ、なんとなーく見当はついたのですが。それでもまさかまさかと思いつつ読み進むスリリングさがたまりませんでした。 表題作「暗い越流」もいいなあ。ラストの不穏さがなんともいえず、素敵。
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「葉村晶」シリーズも含んだ短編5編。どの話も秀逸で、何気にブラックな結末にもドキリとさせられます。余談ですが、これだけ寡作でよく飯が喰えるもんだと感心します。もう少し頑張って読者を楽しませて下さいませ。
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若竹七海さんの約3年ぶりの新刊である。失礼ながら、キャリアの割に知名度は高いとは言えず、近年は寡作気味。そんな中、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞短編部門を受賞したとのニュースが流れたのが昨年のこと。 そして今年、「暗い越流」を含む5編を収録した短編集が刊行されたの...
若竹七海さんの約3年ぶりの新刊である。失礼ながら、キャリアの割に知名度は高いとは言えず、近年は寡作気味。そんな中、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞短編部門を受賞したとのニュースが流れたのが昨年のこと。 そして今年、「暗い越流」を含む5編を収録した短編集が刊行されたのだった。近年はライト路線が続いていたが、久々に超ビターな若竹節が味わえる。これってコージーの範疇に入るのだろうか。僕はただただ苦笑いするのみであった。 「蠅男」。若竹ファンにはおなじみの女探偵・葉村晶が登場。群馬県は伊香保温泉近くの洋館に遺骨を取りに行くだけのはずが…。彼女には悪いが、コメディにしか思えん。タイトル通りとだけ書いておく。幽霊の正体見たり…よっぽど恐ろしいじゃないかっ!! 「暗い越流」。死刑が確定した男へのファンレター。その意図とは。現実にもよく聞く家庭事情の数々。ちっとも笑えないシチュエーションだが、なぜか顔が引きつる。やや詰め込みすぎだが、よく短編に収めたな。そしてまたこの手に引っかかった…。 「幸せの家」。やり手の雑誌編集長が転落死。殺人を疑い、取材を装って調べてみると、現実にも聞くような聞かないような…。雑誌の休刊・廃刊が相次ぐご時世とはいえ、いつまでもこんなこと続けられるわけがない。オチはちょっと読めたかも。 「酔狂」。途中はどうでもよいと書いたら怒られるか。最後の一文が命の1編と言い切ってしまおう。男のくどくどした独白に飽きてきたところで、嗚呼、こんなネタが炸裂…。笑うべきか笑わないべきか。一応願いが叶ったのかな、これ。 「道楽者の金庫」。再び女探偵・葉村晶が登場。福島県の別荘にこけしを取りに行くだけのはずが…。事件の内容はともかく、こけしがずらりと並んだシチュエーションは想像するだけで怖い。こけしも古書も、マニアの世界はディープですねえ…。 若竹流ミステリの一ファンとしては楽しめたが、一般読者は楽しめるだろうか。これで遂にブレイク!! ということはないだろうなあ、やっぱり…。猫島シリーズ辺りをもっとプッシュしてはどうだろう。しかし、本作こそ若竹七海の真髄なのである。
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若竹七海、ひさびさの新刊。収録された5つの短編はいずれ劣らぬイヤミスぞろい。最後の最後にダークサイドに突き落とされる快楽が癖になる。お気に入りは「狂酔」、「道楽者の金庫」かな。
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内容(「BOOK」データベースより) 5年前、通りかかった犬に吠えられ飼い主と口論になった末に逆上し車で暴走、死者5名、重軽傷者23名という事件を引き起こした最低の死刑囚・磯崎保にファンレターが届いた。その差出人・山本優子の素性を調べるよう依頼された「私」は、彼女が5年前の嵐の晩...
内容(「BOOK」データベースより) 5年前、通りかかった犬に吠えられ飼い主と口論になった末に逆上し車で暴走、死者5名、重軽傷者23名という事件を引き起こした最低の死刑囚・磯崎保にファンレターが届いた。その差出人・山本優子の素性を調べるよう依頼された「私」は、彼女が5年前の嵐の晩に失踪し、行方が知れないことをつきとめる。優子の家を訪ねた「私」は、山本家と磯崎家が目と鼻の先であることに気づいた。折しも超大型台風の上陸が迫っていた…(「暗い越流」)。第66回日本推理作家協会賞“短編部門”受賞作「暗い越流」を収録。短編ミステリーの醍醐味と、著者らしいビターな読み味を堪能できる傑作集!!
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