資本主義の終焉と歴史の危機 の商品レビュー
面白い。 労働力を安く買い叩いて利益を出すことは格差を広げることと同じだという話は共感した。 富者と銀行には国家社会主義で臨むが、貧者と中間層には新自由主義で挑むというのも、バブル崩壊後の企業のリストラで中間層を没落させ、公的資金の投入で銀行を助けるなど、非常に納得する部分も多か...
面白い。 労働力を安く買い叩いて利益を出すことは格差を広げることと同じだという話は共感した。 富者と銀行には国家社会主義で臨むが、貧者と中間層には新自由主義で挑むというのも、バブル崩壊後の企業のリストラで中間層を没落させ、公的資金の投入で銀行を助けるなど、非常に納得する部分も多かった。 ただ結論ありきで論を組み立ててる所もあり、多少強引過ぎると思うこともあった。
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内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)を務めたこともある、バリバリのエコノミストである著者の言葉には、説得力がある。 長期にわたるゼロ金利が、もはや何処に投資しても利潤のでない、資本主義の終焉を示していると言う分析には、なるほどと、深く納得。 グローバル化が進み、「周辺」がなく...
内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)を務めたこともある、バリバリのエコノミストである著者の言葉には、説得力がある。 長期にわたるゼロ金利が、もはや何処に投資しても利潤のでない、資本主義の終焉を示していると言う分析には、なるほどと、深く納得。 グローバル化が進み、「周辺」がなくなってしまった現在の資本主義においてさらに成長を求めていくと、国内の格差が拡大して、国内に新たな「周辺」を生み出していき、民主主義をも蝕んでいく。まさに、現在の日本の状況そのものだ。 現代の日本の経済状況を理解するための必読書ですな。
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資本主義の行き詰まりを感じるというよりも日本の行き詰まりを感じていてその原因と今後が知りたいと思い読んでみた。正直に言って一度読んだだけではよくわからなかった。こういう本を読むための下地がなさすぎるなと痛感。たぶんかなり簡単な内容なんだろうけど。。。興味があるだけに誰かに解説して...
資本主義の行き詰まりを感じるというよりも日本の行き詰まりを感じていてその原因と今後が知りたいと思い読んでみた。正直に言って一度読んだだけではよくわからなかった。こういう本を読むための下地がなさすぎるなと痛感。たぶんかなり簡単な内容なんだろうけど。。。興味があるだけに誰かに解説してもらいたい。
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西欧型の資本主義の幕引きをして定常型社会へのソフトランディングをめざすべきという提言には納得ですが、そのトップランナーであるべき日本で最優先に取り組むべきプライマリーバランスの確保に一番責任あるのは経済ではなく政治だけに、補助金という他人のふんどしで成り立っている地方政治にかかわ...
西欧型の資本主義の幕引きをして定常型社会へのソフトランディングをめざすべきという提言には納得ですが、そのトップランナーであるべき日本で最優先に取り組むべきプライマリーバランスの確保に一番責任あるのは経済ではなく政治だけに、補助金という他人のふんどしで成り立っている地方政治にかかわる者として何をすべきか重い宿題をもらった気がします。
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今の日本のように低金利が何十年も続いたのは投資がすみずみまでい行き渡ってしまった16世紀末から17世紀初頭のイタリアと同じと考え、日本の将来を、その後のイタリアと重ねて考察した。カネはだぶついているのに投資に振り向けようとしないので、金利がドンドン下がるのですね。この利潤率の低下...
今の日本のように低金利が何十年も続いたのは投資がすみずみまでい行き渡ってしまった16世紀末から17世紀初頭のイタリアと同じと考え、日本の将来を、その後のイタリアと重ねて考察した。カネはだぶついているのに投資に振り向けようとしないので、金利がドンドン下がるのですね。この利潤率の低下を資本主義の終焉と考えるが、終焉かどうかは分からないと思う。 日本は成長しようとすることでさらに借金を重ね、その結果、国家破たんもありうる。成長を求めず、今程度の借金を維持し、人口も9000万人ぐらいで、エネルギーコストを下げれば、今の状態を続けられるのではないかという将来への見立て。貧しくなることではないというが、著者も消費税は20%程度にせざるを得ないだろうと言っているし、どうしてもある程度貧しくなるだろうという気がする。
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資本主義は行き詰まっていると認識していましたが、ここにきて考えを修正しました。資本主義は民主主義と生活の向上を導くものと理解していましたが、ここが既に変質しています。国家を使用人としてしまった強欲な資本主義は、シェール革命により交易条件を改善し、したたかにプレゼンスを高めるのでは...
資本主義は行き詰まっていると認識していましたが、ここにきて考えを修正しました。資本主義は民主主義と生活の向上を導くものと理解していましたが、ここが既に変質しています。国家を使用人としてしまった強欲な資本主義は、シェール革命により交易条件を改善し、したたかにプレゼンスを高めるのではないでしょうか。リバイアサンのように。本書で気になったことですが、従来、資本主義が終焉する要因として、筆者は資源価格が規定する交易条件の悪化を重視していましたが、本書では殆ど触れていません。これは一貫性を欠くものに思えます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
経済システムとしての資本主義の限界を論じる中で、アベノミクスの恩恵が雇用者給与に反映されず、格差が広がり続ける理由についても分かりやすく説明している。 多少論理展開が強引なところや、結局の資本主義に変わる新たな経済システムへの示唆も少ないところがマイナスかとは思いますが知っていて損は無い内容です。
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ピケティに比べると、確かに一歩先の議論をしている印象。ピケティはなぜ格差が不可避であるかをつまびらかにし、本書はそれを所与として議論を続けるような。 解決策はピケティに通じるところがあり、結論はマルクス的。
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資本主義が16世紀から始まっていたというのは驚きだった。その歴史を分析した上で今起こりつつあることに楽観的な結末はなく、新たなしくみを創りださない限り世界は週末を迎えるのだという事か?フロンティアのない世界、格差のない世界をどのように実現していくのか?一人の構成要員として全体に奉...
資本主義が16世紀から始まっていたというのは驚きだった。その歴史を分析した上で今起こりつつあることに楽観的な結末はなく、新たなしくみを創りださない限り世界は週末を迎えるのだという事か?フロンティアのない世界、格差のない世界をどのように実現していくのか?一人の構成要員として全体に奉仕・貢献する覚悟を持ちたいと思った。
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国債の利率が下がってるってのは、つまり、もう、成長の余地がないってことですよ。ということがメインアイディアです。それ以外の論考はそれほど深みのあるものではないのですが、資本主義が終わりますよ。というテーゼを提示したというところを評価します。あとは、資本主義は15%の人々しか幸せに...
国債の利率が下がってるってのは、つまり、もう、成長の余地がないってことですよ。ということがメインアイディアです。それ以外の論考はそれほど深みのあるものではないのですが、資本主義が終わりますよ。というテーゼを提示したというところを評価します。あとは、資本主義は15%の人々しか幸せにしてないとか、雑な議論を繰り返しリーマンショックの時は!とか熱く語ってるだけかなあ。テクニウムと比較するのは間違ってるんだろうけど。 え、でもこの人モルガン・スタンレーのチーフエコノミストなの?なるほど。
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