これはペンです の商品レビュー
頭のいい理系の人が書いた小説だということはすぐわかる。アイディアが斬新で、こんな小説があるのかとびっくりしたのは、私が理系頭ではないせいか。ものを書くとはどういうことなのかと、改めて考えさせられた。 切り貼りの件では、某大学で、自分で独自に執筆した文章を一字一句たりとも交えて...
頭のいい理系の人が書いた小説だということはすぐわかる。アイディアが斬新で、こんな小説があるのかとびっくりしたのは、私が理系頭ではないせいか。ものを書くとはどういうことなのかと、改めて考えさせられた。 切り貼りの件では、某大学で、自分で独自に執筆した文章を一字一句たりとも交えてはいけないというレポートが課されたという記事をいつだったか読んだのを思い出し、くすっと笑ってしまった。 が、私の好みはストーリーテラーなので、星3つでごめんなさい。
Posted by
いつも通りの変態的なメタ小説。タイトルから察しはつくが「書くこと」について書いた小説で、OjiがMoji。ユーモアが冴える。セルフリファレンスエンジンの時はむちゃくちゃ笑えたが、しかし今作はそれだけではなく叙情的でもあり、世界とか空気とか、そういうものが味わえる小説になっていた。...
いつも通りの変態的なメタ小説。タイトルから察しはつくが「書くこと」について書いた小説で、OjiがMoji。ユーモアが冴える。セルフリファレンスエンジンの時はむちゃくちゃ笑えたが、しかし今作はそれだけではなく叙情的でもあり、世界とか空気とか、そういうものが味わえる小説になっていた。表題作「これはペンです」は白眉。もうひとつの「良い夜を待っている」もかなり良くてラストはむちゃくちゃ好きだが、ちょっと雑な感は否めない。難解な議論や問題を引用するのがいいが、いちいち「ややこしい部分は専門家に任せるが、」みたいな注をつけられるとさすがに鬱陶しい。
Posted by
難しいことは考えないようにすると遠回りする家族の話に見えてきて、そう思えてくるとちょっと好きになれそうな話に思えてくる、そんな感じ。
Posted by
なんか面白くない。教科書みたいで何度も寝た。 イメージが浮かびにくく、断片的に浮かぶシーンが夢を見ているような感じ。期待していただけに残念。
Posted by
著者の作品はSelf-Reference ENGINEと屍者の帝国(共著作)しか読んだことがないのですが、その中では一番読みやすかったです。小説なんだか小説論なんだか。表題作より「良い夜を持っている」の方が好みかな。というか表題作はよくわからなかったので…再読します。ところどころ...
著者の作品はSelf-Reference ENGINEと屍者の帝国(共著作)しか読んだことがないのですが、その中では一番読みやすかったです。小説なんだか小説論なんだか。表題作より「良い夜を持っている」の方が好みかな。というか表題作はよくわからなかったので…再読します。ところどころ出てくる科学用語に知らないものがあって少し勉強になりました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本屋さんで見かけて装丁が可愛くて購入。 初円城塔作品。全然知らない作家さんでした。 冒頭の文章で「星新一ぽいの?」と思いながらも 読んで…「これは読む人をとっても選ぶ本だ!」と 読み始めたことを少し後悔。。私は多分選ばれない、と 思いつつ読み進める。 『良い夜を持っている』を読了してなんとか納得できた 解説の言葉を借りると私は「物語を欲しがる」タイプの 読者なんだろう。 英語の"This is a pen."と"Have a good night."に少しクスッとしてしまう たまーに読むならアリかな、毎日円城作品はちょっと無理(^ ^;)
Posted by
シュールだ! こういう設定の物語は人を避けされるか、いれ込ませるかのどちらかなのだけれど面白かった!
Posted by
大好き。 言葉に対して、会話に対して、世界に対して、人間に対して、私にはわかんないことがある。 私には不安なことがある。 ソレを発信した存在が意図したものとは、違う意味を、自分は見出しているんじゃないかという不安。 私が発したものが、全然違う意味をもって相手が受信しているので...
大好き。 言葉に対して、会話に対して、世界に対して、人間に対して、私にはわかんないことがある。 私には不安なことがある。 ソレを発信した存在が意図したものとは、違う意味を、自分は見出しているんじゃないかという不安。 私が発したものが、全然違う意味をもって相手が受信しているのではないかという怖さ。 並べたデータ群の中に、見当違いの意味を見つけてしまっている可能性について。 そういう、常につきまとう怖ろしさのお話がここにあった(ような気が、今回はして、)こんなに笑えて、でも温かい(ような気がして)、そんなどれもこれもがたとえ円城さんが意図したものと違ったとしても、私は今回少し救われた。 おもしろかった。これも大好き。
Posted by
【第1回「IN★POCKET」文庫装幀大賞作!】 詳細はこちら↓ http://booklog.jp/special/pocket_bookcover 【装幀・デザイン】 新潮社装幀室 北澤平祐 【あらすじ】 叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得...
【第1回「IN★POCKET」文庫装幀大賞作!】 詳細はこちら↓ http://booklog.jp/special/pocket_bookcover 【装幀・デザイン】 新潮社装幀室 北澤平祐 【あらすじ】 叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた--。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。
Posted by
ああこんな感じ方もあるのかと、頭の奥で思考がぷちぷちはじけて気持ちよい。数学の概念を理解しようとするときの感覚そのままなので大好きです。 脈絡なく思いついたものから次々と連ねただけのようにしか見えないのに、グッときたことばを一節抜きだしてみたらそれだけでバラバラになってしまった。...
ああこんな感じ方もあるのかと、頭の奥で思考がぷちぷちはじけて気持ちよい。数学の概念を理解しようとするときの感覚そのままなので大好きです。 脈絡なく思いついたものから次々と連ねただけのようにしか見えないのに、グッときたことばを一節抜きだしてみたらそれだけでバラバラになってしまった。ごちゃごちゃと考えてまとまらないことをむりやり要約してみたら意味が全部取れてしまったときみたい。この感覚のことまでうまく言葉にされているので恐れ入ってしまいます。 理系はロマンチックだ
Posted by