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発光地帯 の商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

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2023/06/09

「食」をテーマにスタートしたエッセイだけどそれはすっかり息を潜めます。 読後は「時間」という言葉が思い浮かんだ。 頭にあることを川上さんはそのまま言葉にして取り出すことができるのかな。 こういう風にその日の自分を残していけるなら日記を付けるのも楽しそう!

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2022/09/14

今までいくつか作品を拝見してきたし、エッセイも読んだことがあったのだけど、以前の印象とかなり異なった。 紙にボールペンの手書きで、普段と書き方が違ったというのもあってか、エッセイというより日記のような、詩のような。話があちこちに散っても、頭の中を覗いてるような気分になって嬉しか...

今までいくつか作品を拝見してきたし、エッセイも読んだことがあったのだけど、以前の印象とかなり異なった。 紙にボールペンの手書きで、普段と書き方が違ったというのもあってか、エッセイというより日記のような、詩のような。話があちこちに散っても、頭の中を覗いてるような気分になって嬉しかった。 そして以前は感じなかった川上さんの暗さ、ネガティヴさが結構顕著に表れていて、なんだろう、すごく親しみやすさを感じて逆にもっと好きになった。 そして無知な私でもあっと驚くような有名な方と交流があるようで、川上未映子って何者なの?と思ってしまった。失礼ですね、すみません。 私は『すべて真夜中の恋人たち』を何気なく手に取ってファンになっただけのにわか者なので、ディープなところまで魅力たっぷりの人なのかしら、などと思った。 物を書くのが好きなこと、それでも楽しいと思えないこと、等身大で執筆に向き合う様も良かった。

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2021/03/03

『世界なんかわたしとあなたでやめればいい』  世界なんてわたしとあなたでやめればいい、そしてもう一度、わたしとあなたでつくればいい 『風の足』  ビルのあいだからこちらを目がけてやってくるのは塔をたおしたような風。もしもとくべつな足があるのならわたしそれを靴みたいに上手に履いて、...

『世界なんかわたしとあなたでやめればいい』  世界なんてわたしとあなたでやめればいい、そしてもう一度、わたしとあなたでつくればいい 『風の足』  ビルのあいだからこちらを目がけてやってくるのは塔をたおしたような風。もしもとくべつな足があるのならわたしそれを靴みたいに上手に履いて、そのうえを歩いて歩いて風の終わりを見れるのに 『試す』  わたしの知らないあなたのこれまでの時間の縫いかたのぜんぶを試す、匂いを試す、やさしかった昼寝を試してゆるしを試して笑顔を試す、それからまた抱きしめを試して接吻を試す、ああ接吻を試す。5年のあいだ試しつづけていちばん最後に別れを試す 『発光地帯』  あなたは覚えてくれていますか。誰がなんと言おうとも、甘くていつも甘くてときどきぜんぶがおなじ色で光ってみせるあれは悲しくて懐かしい、たったひとつのきえゆく祝着 テーマが「食」⁉️のエッセイ集。著者曰くすぐに破綻して、日記なのか報告なのか、詩なのか手紙なのか、よくわからない文章群になってしまってる。 『ヘブン』や『夏物語』は海外で翻訳されてるのですが、あの文章をどのように訳してるのでしょうか?文法的な意味も含めて。 思いだすということは、つねに切ないことではないですか。切なさも鋭くなると、ときどきうっかり傷になったり血がでたりもするものなので、つねに危険を孕むのです。-文庫版のためのあとがきより-

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2020/08/12

2020.8 日常や自分の頭の中をこんなふうな言葉にすることができるのか。日記のようだけど新しい感覚。その言葉たちに日々浸っていたいと思わせられる何かがある。頭でわかるんじゃなくて肌にくる感じ。それぞれのタイトルもなんかよくわからないけど好き。

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2019/12/17

川上未映子さんの文章は苦手なんだけどなんか読んでしまう。知らない国の歌みたい。慣れない旋律と和音でいつ終わるのかわからない歌。 過去のことを思い出した話が好き。何かしらの思いより、登場人物がしっかりいる話の方がクスっとなって好き。 ラグビーについて述べている部分が1番感じ入りまし...

川上未映子さんの文章は苦手なんだけどなんか読んでしまう。知らない国の歌みたい。慣れない旋律と和音でいつ終わるのかわからない歌。 過去のことを思い出した話が好き。何かしらの思いより、登場人物がしっかりいる話の方がクスっとなって好き。 ラグビーについて述べている部分が1番感じ入りました。

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2019/02/07

こんなに薄いのに、読むのにずいぶん時間がかかった。 普通の作家は、仕事にしているもの(小説とか新書とか)よりもエッセイの方が読みやすいものだと思う。この人の著作は難しいから、エッセイから入ってみよう、なんてよくきく話で。けれども川上未映子さんという人は、小説よりもエッセイの方が...

こんなに薄いのに、読むのにずいぶん時間がかかった。 普通の作家は、仕事にしているもの(小説とか新書とか)よりもエッセイの方が読みやすいものだと思う。この人の著作は難しいから、エッセイから入ってみよう、なんてよくきく話で。けれども川上未映子さんという人は、小説よりもエッセイの方が難しい。何事も起きない面白くないブログを、文章力と詩的なものを見る力で発光させている、というような本作。読むのに時間がかかりました。起こることは、面白くない。考えること、感じることが、ちょっと面白い。

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2017/09/07

こんな風に私も日記書けたら楽しいだろうなー。川上未映子さんの滑るような独特の口調と、目線と、感性で綴られてて読んでいて楽しい。 この人のこの時期の根っこの暗さがてらてらと夜に光ってそうな、まさに発行地帯といったエッセイでした。あと結構料理に無頓着なところが、可愛い。

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2017/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

川上未映子さんのエッセイはいくつか読んでいるけれど、本書は「ヘヴン」を書き終えたばかりの状態だからなのか、軽快なノリや痛快な感じは一切なく、全体的に気鬱な(それこそ理由もなくちょっと間違ったらうっかり死んでしまうような)状態で書かれている。 私もよくこんな状態に陥りやすいので、親近感が湧く。感受性が強いと日常を生きるのもとっても困難であったりする。 弟さん夫婦とラグビーの試合を観戦に行った回が印象的だった。〜勝ち負けとは関係ない部分での「人生の豊かさ」を得ている〜というくだりでは、本当にそうだなって思った。試合をしている選手にとっても、応援して一喜一憂するサポーターにとっても、「何かに夢中になれる」それだけで豊かなことだと思う。 遠い未来、母親が亡くなった時に、その悲しみを共通して分かち合え、語り合えるであろう姉弟か・・・。そういうのって憧れる。 エッセイで時折出てくる親友「ミガン」のキャラがとても好き。

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2016/11/04

SWITCHインタビューで新海誠さんと対談しているのを見て興味を持った作家。もっと前に友人から乳と卵を薦められたこともあったけど、、、。 旦那に、なんでもいいから川上さんの本を借りてきてとお願いしたら、なんとエッセイを借りてきた。何でもいいとは言ったけど、最初にエッセイ行くか?...

SWITCHインタビューで新海誠さんと対談しているのを見て興味を持った作家。もっと前に友人から乳と卵を薦められたこともあったけど、、、。 旦那に、なんでもいいから川上さんの本を借りてきてとお願いしたら、なんとエッセイを借りてきた。何でもいいとは言ったけど、最初にエッセイ行くか?芥川賞作家なのに。 まぁ仕方ないと読み始めたこの本。まだ途中だけど先にレビュー書く。 なんというか、単純に考え方が面倒くさい人なのか、あえてこういう言葉の連ね方をしているのか、「今の」私には少々面倒くさく感じる。 でも嫌いじゃない。 全体的に線が細くて、芯は強いんだろうけど、はかなさを感じるの。 対談で興味を持ったのも、この人なんか変。不思議な世界観。って思ったから。本にもその色は出てて、興味深い。 育児の合間に読み進める。

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2016/06/21

16/06/20 ひりひりするくらい、よかった良かった。エッセイというより詩だね、未映子さんの日常は詩だね。 ・空は、勝手に白くなり淡くなり濃くなって夜になる。そういうことにかかわりたくないことだってあるね、ないね、とても、そうはいってもそれは気分だ。(P78 世界クッキー) ...

16/06/20 ひりひりするくらい、よかった良かった。エッセイというより詩だね、未映子さんの日常は詩だね。 ・空は、勝手に白くなり淡くなり濃くなって夜になる。そういうことにかかわりたくないことだってあるね、ないね、とても、そうはいってもそれは気分だ。(P78 世界クッキー) ・さっきぼんやりした額のうらで、書かれてしまった、まだ書かれていない、もう読んだ、まだ読んでいない小説や詩の総体を思う、これまでやってきてくれて、これからやってきてくれるかもしれない言葉のことをしんしん思う、彼らはなるほど生きてはないけど、彼らはなるほどそんなふうにわたしを思うことはないけれど、わたしにはもう、あなたたちしかおりません。生めるものも、そのあれこれに苦しむのも、あなたたちしかおりません。(P152-153 はっきりかなしい)

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