長女たち の商品レビュー
30代半ばから40代の女性が主人公の3編。親との関係はテーマとして深いと思う。愛されなかったわけではない。助けられたことも良い思い出もある。けれど、わだかまりや葛藤がある。そんな関係性が描かれていて、親が病気や認知症になった時には自分の人生までが塞がれる。重いテーマだと思う。一貫...
30代半ばから40代の女性が主人公の3編。親との関係はテーマとして深いと思う。愛されなかったわけではない。助けられたことも良い思い出もある。けれど、わだかまりや葛藤がある。そんな関係性が描かれていて、親が病気や認知症になった時には自分の人生までが塞がれる。重いテーマだと思う。一貫して描かれるのは相手を変えようとしても相手は全く変わらないということ。
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感想 血を分けた同性。1人で歩けない時に頼れるのはこの子だけ。自分が親の立場なら。申す訳なく思いつつも頼ってしまう。自分がかつて頼られたから。
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長女として読んだ。母を憎みたくなる気持ちと、同情し寂しくなる気持ちと、寄り添えない自分への罪悪感、叱責したくなる気持ち、どれも中途半端に混ざった感情描写がリアルだった 妙にリアルなので再読したくない
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長女たちの3話短編集。生まれた順番が違うだけで何となく長女としての役割や末っ子のポジションがあるのは感じる。年老いた母親の介護など長女だけに重くのしかかる重圧。兄弟姉妹との関係など苦しくなる。読後感も苦い。
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長女ならではのしがらみを描いた3篇。 妻として、母として、家族の生活を支え続けてきた女が老いて最終的にもたれかかる先は、自分で産み育てた同性の子ども、何より可愛がるだけでなくある種の責任を分かち合ってきた長女なのだ、という非常に生々しすぎる話だった。 身勝手な要求を押し付ける母親とそれに反発しながら見捨てられない娘のやり取りが続くため、読んでいて気が滅入ってしょうがなかった。親子といえど距離感が大事だよなあと思わされる。
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母の介護と長女の苦悩。 読んでいる途中も生々しくてヒリヒリした。 これか自分だったらと考えてしまう。
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老いた親の世話を押し付けられる中年長女たちの葛藤の物語集。話の運び方も上手いし、イライラ描写もリアルで非常に手堅い印象。 実の娘だからこそ鬱憤も醜態もさらけだして全体重でのしかかる老母たちはモンスターのようだ。そんなモンスターを長女に押しつけて恥じない他家族たち。彼らの無責任な口調と振る舞いは実にリアルで、主人公に感情移入して読むとイライラしてくる。とは言え、どっちの気持ちも分かってしまう。読んでる間、姥捨山をちらちら考えしまうくらい家族による介護の厳しさが伝わってくる小説集だった。 『墓守娘』は親子介護がもたらす地獄だけでなく、ミステリーやファンタジー要素も入っていて最後まで妙に楽しい話ではあった。だだをこねる母親を抱き起こす場面の、脆くなった骨粗鬆症の骨のうえに美食で肥えた肉のついた体を持ち上げる云々という描写には、一言もコンチクショウとは書かれていないものの、主人公の心の叫びが滲みでていて思わず笑ってしまった。流石の描写力だと思った。あと、出てきた瞬間から詐欺師丸出し男だった新堂は、話にスリルを加えつつ最後には完璧に成敗されるので、介護疲れした主人公と、腹立たしい描写によって鬱憤がたまった読者の気分を晴らせてくれて大変良かった。在宅介護の厳しさを伝えつつも、しっかりエンターテイメント要素もある良作だ。 『ミッション』仕事に生きているはずなのに孤独死した父親への罪悪感に苦しめられる長女のお話。ミスリードが上手くてほぼホラー小説だった。文明国による途上国への人道支援は余計なお世話かもしれないという視点は鋭い。延命治療の是非も。 生物としての人間は40代以降は余生という記事も読んだことがあるし、今でもぽっくり寺に参拝する老人は多い。日本には間引きや姥捨の過去もあり、そもそも日本家屋は長生きする人間用には作られていないという話もあるのだから、昔の日本もこんなだったかもしれない。 ポックリ逝けて、介護もなくて、死んだらご先祖様と共に神様なると信じられるだなんて素晴らしいとすら思ってしまった。 ただ、やはりどうしても死にたくないのが人情である。長生きを是とすればこそ介護も必然的についてくるものだという当たり前の因果を見せられてあれこれ考えこんでしまった。 あと、家事全般を配偶者に依存し続けた男の末路をこんな風に描くのもなかなかすごいなと思った。大音量でテレビをつけたままボロを着て灰色に腐る爺さん。想像するだけで悲惨である。でも、ドキュメンタリー映画『ボケますからよろしくお願いします』では痴呆症のお婆さんの代わりにヨレヨレのお爺さんがうどんを煮ていた。『ミッション』の爺さんは単にやる気がなかっただけと思うのだが、親子だからこそ孤独死なんかされたら一生割り切れないのも、またよく分かるからやるせない。 『ファーストレディ』母子共依存の地獄。糖尿病なのに一心不乱にスイーツを食べ続けるのは自傷行為だろう。そうやって自らを傷つける妻を娘に丸投げして、娘を妻の代わりに利用して、良い人の顔つきのまま趣味や仕事で成功をつかむ男と、母ゆずりの美貌と父ゆずりの頭脳ゆえにチヤホヤ育てられ何も背負おうとせず「母さんの病気は自業自得だろ。死ぬのも自己責任」などと平気で言えるネオリベ現代人な息子が普通に怖い。流石USA留学。こやつらが成敗されるためにも、娘が逃げたあともツイーツ婆さんには執念深くモンスターらしく生きてほしいと思ってしまった。
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短編3作品。30~40代中年の長女たちの話。キャリアを積んでそれなりの地位を確立した女性が直面する介護問題やアジアの山奥での死生感。主人公たちはそれなりに成功体験を積んできているので、自分の価値観が絶対正しいと自信を持っている。が、正論に片寄りすぎていて柔軟性にかけている印象。そ...
短編3作品。30~40代中年の長女たちの話。キャリアを積んでそれなりの地位を確立した女性が直面する介護問題やアジアの山奥での死生感。主人公たちはそれなりに成功体験を積んできているので、自分の価値観が絶対正しいと自信を持っている。が、正論に片寄りすぎていて柔軟性にかけている印象。それを端から眺めて、さて私はどうかなと考えてみる材料ともなる。興味深かった。
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年老いた親と長女の最期の関係を長女目線で綴られた小説3編。重苦しいよりむしろ腹立たしい、リアル過ぎて。 どうして長女に1番の負担がのしかかる?何故? どこの家庭もそうなのか?介護あるあるなのか? 家守娘は次女にイライラさせられて、ファーストレディでは母親の毒親ぶりに嫌気がさし...
年老いた親と長女の最期の関係を長女目線で綴られた小説3編。重苦しいよりむしろ腹立たしい、リアル過ぎて。 どうして長女に1番の負担がのしかかる?何故? どこの家庭もそうなのか?介護あるあるなのか? 家守娘は次女にイライラさせられて、ファーストレディでは母親の毒親ぶりに嫌気がさした、己と重ね合わせて。 世の中の長女達よ、自分ファーストでいいんだよ、 親の死後の自分の人生はとてつもなく長いのだから。と自分に言い聞かせる。 篠田さんの本強烈。他の作品も気になりました。 友人に勧められて。
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ちょっと前時代的かなとも思うが…。でも長女に期待するものはあるのだろうか?最後の母は酷いと思ったけど。弟の腎臓はもらえない、あんたのならいいってのは。。
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