英子の森 の商品レビュー
なかなか刺激的な作品を書き続けていて、小説という方法について、あれこれ実験的思考を繰り広げている若い女性作家、まあ、そんな印象の松田青子さんの短編集です。 うまくいえませんが、ボクは面白がって読みましたが、評価の方向性によって○×に分かれるでしょうね。 あれこれ、アホブログ...
なかなか刺激的な作品を書き続けていて、小説という方法について、あれこれ実験的思考を繰り広げている若い女性作家、まあ、そんな印象の松田青子さんの短編集です。 うまくいえませんが、ボクは面白がって読みましたが、評価の方向性によって○×に分かれるでしょうね。 あれこれ、アホブログに書きました。覗いていただければ嬉しいです(笑) https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202303240000/
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読んだ2014年当時、正に主人公の娘と同じように英語の仕事に固執して、キャリアに悩んでいた。だから「それじゃお守りじゃなくて呪いよ」というフレーズが刺さった。 2022年に再読。今は拘りなく英語に関係ない仕事をしている。 改めて読んでみると、英語が出来ることがアドバンテージのは...
読んだ2014年当時、正に主人公の娘と同じように英語の仕事に固執して、キャリアに悩んでいた。だから「それじゃお守りじゃなくて呪いよ」というフレーズが刺さった。 2022年に再読。今は拘りなく英語に関係ない仕事をしている。 改めて読んでみると、英語が出来ることがアドバンテージのはずなのに、そのせいで派遣の仕事を転々としていることの皮肉が伝わってくる。 また、今更ながら英語への皮肉とは別で親の子供に対する執着についても皮肉られていることに気付いた。 主人公の母は夫や義母のような道を歩んでほしくない一心で娘に英語教育を受けさせているけど、それは「あの人たちのようになってほしくない」が動機であって、娘にどうなってほしいかではない。 もっと言えば娘がどうありたいかという尊重の姿勢に欠ける。 別に英語に限らず、「せっかく就いた仕事だから」「ああはなりたくないから」みたいな理由の動機はお守りじゃなくて呪いに変わり、自分の「森」が腐っていくから気をつけてね、というメッセージを感じる。 難点は主語が「英子」「娘」「わたし」と混ざってり、誰の目線で語られた文章か分かりづらい。(使い分けられているのかもしれないけど、意図は分からなかった) これ以外に収録されている短編はいまいち印象に残らなかったので星3つ。
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松田青子さんの著書はフィクションでありノンフィクションだ。 それは彼女と私が同世代で、生まれ、育ち、そして働き今に至るまでに共有する感覚、世代間が共通しているからかもしれない。 英子の森にあるように、 私も「英語」が得意で英語ができて、英語ができれば職業選択の自由を得、お金持ち...
松田青子さんの著書はフィクションでありノンフィクションだ。 それは彼女と私が同世代で、生まれ、育ち、そして働き今に至るまでに共有する感覚、世代間が共通しているからかもしれない。 英子の森にあるように、 私も「英語」が得意で英語ができて、英語ができれば職業選択の自由を得、お金持ちになれると思ってきたけれど、いざ働いてみたら完全ドメスティックな仕事、あれだけ得意で難解な学術論文すら読んでいた自分の英語力は化石となってしまった。 笑えない、苦しい、こんなはずじゃなかったのに、 しかも妊娠出産のキャリアを経て、第一線や出世というキャリアからは完全に遠かった。 葛藤があるからこそ、人は成長するものだと思う。 著書に描かれている他人事のようで紛れもない自分ごとと感じるなにかの世界に触れ、無意識に受けてきた呪詛に気づき、自立してどう生きるのか? そのきっかけにしたいな、と強く思うのだった。
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43:おもしろかった!「スタッキング可能」もだけど、「体験型小説」とも言えそうな臨場感あふれる(?)物語。鋭い観察眼と、クスリと笑わせるユーモアと。「写真はイメージです」がお気に入り。
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抽象的な表現の中に、母からの自立、恋人をあてにしないで一人でまずは生きること、などが描かれている。 学校図書館にあったのだが、中学生にはちょっと難しい気がする…。2016
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節々におもしろさが滲み出てる。笑う。けど、笑えない。 読むのがしんどいです、松田青子さん。 おだやかな気持ちではいさせてくれなくて、読み終わるといつもくたくたです。
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だめだ、こりゃ。私には難しすぎる文学だった。こういう観念的な感じで、書いてあることが浮かんでこないようなやつだと物語の世界にも入っていけないんだよね。こういうのが面白いと思えるようになれるといいのにな。
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英語好きあるあるが満載でおもしろかった。 やっぱり、何事も、囚われや、執着はよくないんだな。 人生を狂わす。 紅茶など描写が上手 7 14 22 37
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収録されている最初の短編「英子の森」は、チープに駆り出される「英語ができる」女たちの苦悩を描き、感情移入するところが多々あった。とてもリズムの良い無駄のない文体で好感が持てた。だけど、「英語エリート」に対する社会的な目を批判的に書くにとどまり、深いところまで潜れていない気がした。...
収録されている最初の短編「英子の森」は、チープに駆り出される「英語ができる」女たちの苦悩を描き、感情移入するところが多々あった。とてもリズムの良い無駄のない文体で好感が持てた。だけど、「英語エリート」に対する社会的な目を批判的に書くにとどまり、深いところまで潜れていない気がした。娘の「森」と母の「森」を見つける物語なので関係ないっちゃ関係ないのかな。他の短編も、社会の今まであまり触れられてないかゆいところに手が届いて、指先でスクラッチする感じ。かゆみ止めではないし、原因もわからないまま。でも、楽しく読めた。割と好きだった。
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・「英語が使える仕事とそうでない仕事の差が、たったの50円」というのに愕然とし、「英語が話せる仕事」という夢の行く先はこんなもんか、という脱力を感じる場面が特に好き ・小花模様が壁紙からぽろぽろこぼれたり、家が森の中にある、という描写も、若干シュールレアリスチックで、非現実と現...
・「英語が使える仕事とそうでない仕事の差が、たったの50円」というのに愕然とし、「英語が話せる仕事」という夢の行く先はこんなもんか、という脱力を感じる場面が特に好き ・小花模様が壁紙からぽろぽろこぼれたり、家が森の中にある、という描写も、若干シュールレアリスチックで、非現実と現実に片足ずつ突っ込んでいる感じが良い
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