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点滴ポール 生き抜くという旗印 の商品レビュー

4.4

12件のお客様レビュー

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2014/05/21

詩はすばらしく、読んでたくさんの力(パワー)をいただいきました。ありがとうございました! すみません、さきほど挿絵のことでコメントしましたが、違う方の詩集にあった挿絵のことと間違えてしまっておりました。岩崎さん、ごめんなさい!

Posted byブクログ

2014/03/30

仙台のKさんが「ブックマーク」81号で紹介してくださった『点滴ポール』は、近所の図書館にあって、すぐ借りてきて読んだ。図書館で借りた本をじーっと読んでいて、これは!と思い、近所の本屋で注文して買った。それから、また何度も読んだ。 仙台では、"『点滴ポール』でつながる...

仙台のKさんが「ブックマーク」81号で紹介してくださった『点滴ポール』は、近所の図書館にあって、すぐ借りてきて読んだ。図書館で借りた本をじーっと読んでいて、これは!と思い、近所の本屋で注文して買った。それから、また何度も読んだ。 仙台では、"『点滴ポール』でつながる仙台のマチ ~みんなでつくる旗印~"という、一冊の本で本屋がつながるイベントがひらかれていたそうで、Kさんも行ったと言ってたし、やはり仙台に住むSさんからも行ったよーと聞いた。 ↓それは、こんな風だったらしい。 http://d.hatena.ne.jp/nanarokusha/20140114 著者の岩崎航(いわさき・わたる)さんは、五行歌というかたちで詩を書いている。「詠み手の言葉のリズム(呼吸の切れ目)で五行に分かち書きする」というもの。 私のこころに残った詩のひとつは、「痰」。 http://skynote21.jugem.jp/?eid=563(詩集では、p.137)  今、あきれるほどの  痰の多さにうんざりなのだが   それは体内での  知られざる  生の攻防戦の証しでもあって 詩集の巻頭にあるエッセイの一節で、岩崎さんはこう書く。 ▼授かった大切な命を、最後まで生き抜く。  そのなかで間断なく起こってくる悩みと闘いながら生き続けていく。  生きることは本来、うれしいことだ、たのしいことだ、こころ温かくつながっていくことだと、そう信じている。  闘い続けるのは、まさに「今」を人間らしく生きるためだ。(p.7) 私より7つ若い岩崎さんが、20代前半で自分の人生を「余生」としか考えられなくなっていた、という。3歳で発症し、翌年診断された進行性筋ジストロフィーとともに岩崎さんは生きてきた。20代の半分は、ひどい吐き気にたえまなく襲われ、徹底的に打ちのめされた。「ただ静かに余生を送りたいだけなんだ!」と思い、「家族と一緒に束の間の歳月を穏やかに生きられたなら、周りに迷惑をかけないよう、自分が苦しまないよう、病気で死んでいければそれでいい」と思っていた。 その頃を振り返り、そんな絶望のなかでも、みずからの命の奥底には小さく燃えている埋み火のようなものが残っていた、闇の中でそのかすかな光を見いだした、という経験が綴られ、詩にも書かれている。 そして岩崎さんは、くるしむ自分の背をさすり、祈り続けてくれる親のありがたさを心の底から実感する。詩には、お母さんのこと、お父さんのこと、家族のことが折々に書かれる。わけてもお母さんのことが。 先日、友人Yさんと会った時にこの詩集をお貸しした。岩崎さんはお母さんのことをずいぶん書いていたが、「お母さん」が読んだら、どうかなあと思っていた。Yさんには、進行していく筋ジスとともに生きる子どもさんがいる。Yさんと、またゆっくりこの詩集のことを話したい。 私はまた図書館で『点滴ポール』を借りてきて読んだ。岩崎さんの詩を読みながら、母のことをふと思ったりもする。 今の私に印象深くのこる詩のいくつか。 「腹を決める前の」(詩集では、p.33) http://skynote21.jugem.jp/?eid=375 「桜」(詩集では、p.38) http://skynote21.jugem.jp/?eid=532 「特別ではないよ」(詩集では、p.67) http://skynote21.jugem.jp/?eid=589 齋藤陽道(さいとう・はるみち)さんの写真も、いい。 (3/7了、以後くりかえし読む) *岩崎さんの公式ブログ http://skynote21.jugem.jp/ *岩崎航さんへのインタビュー 生きる、ということ。岩崎航・詩人・進行性筋ジストロフィー・点滴ポール http://www.1101.com/iwasaki_wataru/2014-02-05.html *齋藤陽道さんのサイト http://www.saitoharumichi.com/

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