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抱擁、あるいはライスには塩を(下) の商品レビュー

3.9

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2014/04/15

子供世代は家出をしても、結婚しても、海外を放浪しても結局家に戻ってきたけど、孫世代になると櫛の歯が欠けるように一人、また一人と家からいなくなっていく。 それぞれの自立、或いは寿命というものもあり、それは当たり前のことなんだけど、とても切ない。 ☆をひとつ減らしたのは、私が不倫ネタ...

子供世代は家出をしても、結婚しても、海外を放浪しても結局家に戻ってきたけど、孫世代になると櫛の歯が欠けるように一人、また一人と家からいなくなっていく。 それぞれの自立、或いは寿命というものもあり、それは当たり前のことなんだけど、とても切ない。 ☆をひとつ減らしたのは、私が不倫ネタは苦手だから。だったら江國作品は読むなという話になるのだけど。

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2014/04/10

久々に江國さんの物語を堪能できた。ちょっと風変わりな家族を描かせるとやっぱり上手いと思う。俗世にうまく馴染めない、でも気高い家族。だんだんとこの家族に感情移入してしまい、長男と結婚するいかにも現代っ子な嫁に最後は苛立ちすら覚えてしまった。長男の人とは違う風情が好きになったはずなの...

久々に江國さんの物語を堪能できた。ちょっと風変わりな家族を描かせるとやっぱり上手いと思う。俗世にうまく馴染めない、でも気高い家族。だんだんとこの家族に感情移入してしまい、長男と結婚するいかにも現代っ子な嫁に最後は苛立ちすら覚えてしまった。長男の人とは違う風情が好きになったはずなのに、なに普通の平凡な価値観押しつけて引っ張り込もうとしてるのよ、記念物的にそっと保存しとけばいいのに、みたいな。 でもレビュー読んでるとこの人の現代っ子な視点が一番共感できた、という声をちらちら見かけたから私の感想は異端かも。

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2014/04/01

生活するためのお金を得ることを考えなくても良い環境 家庭教師の元で自分のペースで興味のあることを学べる とても羨ましい

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2014/03/31

下巻もあっさり読み終わりました。長編だけど、レビューを見てたから、大体の事件?は事前に知ってしまってたから…。 後は江國さんの作品に登場する人物が、以前に読んだ作品の登場人物とかぶるようになってきたからかなあ。桐叔父は、左岸の始の叔父、風貌は始自身とかぶる。光一は兄ということと...

下巻もあっさり読み終わりました。長編だけど、レビューを見てたから、大体の事件?は事前に知ってしまってたから…。 後は江國さんの作品に登場する人物が、以前に読んだ作品の登場人物とかぶるようになってきたからかなあ。桐叔父は、左岸の始の叔父、風貌は始自身とかぶる。光一は兄ということと、最初の章では優秀ということだったので、茉莉の兄とかぶるのか?と予想したけど、これは違った。あえてなのか、光一は下巻では愚鈍そうな風になっていた。 絹の秘密は、まあ菊乃にその性質が遺伝したのか…。えッ、あの人の親だよねー?!と。

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2014/03/16

嫁に行って婚家のしきたりに触れると違和感を覚えたり、実家のしきたりが通用するものではないことに気づくことはままあると思います。この小説の長いタイトルはここに登場するある一家に通用する合言葉ともいうべきものです。「ライスには塩を」は自由万歳!の意味がこめられています。 1982年秋...

嫁に行って婚家のしきたりに触れると違和感を覚えたり、実家のしきたりが通用するものではないことに気づくことはままあると思います。この小説の長いタイトルはここに登場するある一家に通用する合言葉ともいうべきものです。「ライスには塩を」は自由万歳!の意味がこめられています。 1982年秋、東京・神谷町の大きな洋館に住む資産家である柳島家、この家の4人兄弟は父母から突然学校に通うように言い渡されました。世間一般の家庭とは異なった価値観を持つ柳島家の教育方針で、学校へは行かず家で自由に勉強をしていた彼らはこの方針の転換に戸惑い、いやいやながらも通い始めるのでしたが・・ 柳島家の三世代に渡る一族と彼らひとりひとりに関わった人々のその時々の生きざまがそれぞれの視点で語られます。年代を遡りながら先に進みながら物語は約半世紀の時を紡いでいきます。柳島家の兄弟たちは、異父や異母兄弟といった複雑な血縁関係の中にあったのですが仲も良く、風変わりな叔父や出戻りの叔母、そしてロシア人の祖母、一族の長である祖父という大家族の構成に満ち足りた思いをしていたのでした。 1960年から2006年までの年月は一家の歴史に愛はもちろんのこと別離も、そして老いと死を、新しい生を刻みます。ロシア人だった祖母にも最後の時が訪れるのですが、彼女が回想するのは長いこと秘密にしていたロマンスのことでした。そして祖母の死後、父豊彦はある決断をしたのでした。作家になった次女、陸子はその5年後今や年老いた母と叔母との三人だけにになった暮らしにこれまでの思いを巡らすのでした。 三代に渡る年代記ではあるのですが、起点となるロシア人の祖母の話がさらりとしか記述がないため、物語にあまり深みがないのが残念でした。自由な家風で育ちながらも、全く相反する婚家の家風に精神を病み、離縁された叔母の百合を迎える、兄弟の間に流れる優しさが胸を打ちましたが・・ 初めとしめくくりに登場する次女の陸子さんは、江國さん自身がモデルなのかなあと気になりました。

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2014/03/14

「流しのしたの骨」となんとなく共通しているような感じがしました。 きょうだいたちの間で口にされる「ライスには塩を」という合言葉(?)とその意味するところがとても好きです。こういうのって、どこの家族もあるものではないかもしれないけど、やっぱりどこのうちもそれぞれに独特で、傍から見た...

「流しのしたの骨」となんとなく共通しているような感じがしました。 きょうだいたちの間で口にされる「ライスには塩を」という合言葉(?)とその意味するところがとても好きです。こういうのって、どこの家族もあるものではないかもしれないけど、やっぱりどこのうちもそれぞれに独特で、傍から見たら「風変り」と思われるところってあるんだと思います。 この作品中でもある登場人物がはっきりと「独特っていうのはかっこいい」と言っていますけどそれはホントに共感します。 他の方のレビューにもありますが谷崎の「細雪」など好きな人にはおすすめしたいです。

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2014/03/13

時間かけて読了。時代や語り手が語り手が変わりつつ、一族の物語が紡がれていた。百合はちょっと苦手、桐之輔が好き。

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2014/03/09

徐々に世間との接点が増えていく家族。だんだんにはなれていく家族。 ラスト近くの物悲しさと、凛としたなんとも言えない雰囲気。 読み終わりの感情が微妙で、また読み返したいような、もう自分の中にしまい込みたいような複雑な気持ちです。

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2014/03/06

かなり裕福でとっても風変わりな大家族の物語。 親世代、子世代それぞれの若かりし頃、幼いころ、 青年期、壮年期など章ごとに語り手となる主要人物を 変えて語られる長い長い年月の物語。 ふーむ、ホントに長かった。 個人的には、良くも悪くも印象が残りにくい物語だったな。 早く別の物語を...

かなり裕福でとっても風変わりな大家族の物語。 親世代、子世代それぞれの若かりし頃、幼いころ、 青年期、壮年期など章ごとに語り手となる主要人物を 変えて語られる長い長い年月の物語。 ふーむ、ホントに長かった。 個人的には、良くも悪くも印象が残りにくい物語だったな。 早く別の物語を読みたくて、さっさと読み終えたい、 そんな気持ちでいっぱいだった。

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2014/03/02

奇妙な一家のお話。 章ごとに語り手と年代が変わり、ワープするような感覚で楽しい。 一番好きなのは桐之輔叔父。海外に出て、日本でのバックグラウンドから切り離されて、一個人として日々を過ごす姿が清々しくて気持ちいい。 日本に帰ってからも、奇抜なファッションや、一家とは一見そぐわない...

奇妙な一家のお話。 章ごとに語り手と年代が変わり、ワープするような感覚で楽しい。 一番好きなのは桐之輔叔父。海外に出て、日本でのバックグラウンドから切り離されて、一個人として日々を過ごす姿が清々しくて気持ちいい。 日本に帰ってからも、奇抜なファッションや、一家とは一見そぐわない口調(語尾を延ばして話すのだ。今で言う、チャラい男の口調に似た感じだろう)で自由奔放に振る舞う姿、甥や姪に対する愛情ほ微笑ましい。 だから、そんな彼の死の場面は涙が止まらなかった。 菊乃は、若い頃のはちゃめちゃぶりが好感を持てた。父親に反発して家を出て、不倫の末に子供を作り、その子を実家に戻って昔からの許婚だった人と育てる。単には信じがたい。 でも、夫にも愛人がいて(しかも最後には夫と離婚する)、更に遡ると母親の絹も、彼女の夫(菊乃の父親)ではない人を愛していたという事実には驚きを隠せない。そしてその人間関係が深く深く繋がっていることにも。ここまでくると、作者の技量に敬服するという次元の話になってくる。 読んでいて面白かったのは、この風変わりな一家の、一般社会との違いが浮き彫りになるエピソードたち。 家庭で勉強をしてきた子供達が小学校に通わされたり、大学に入り恋人を作ったり。今まで当たり前としてあった自分の周りの人たち、習慣なんかが、決して皆に通用するものではないことが浮き彫りになる。 それら異質なものへの接し方も、人それぞれ。光一は甘受して、結婚し家を出るし、陸子は馴染めずに結局家にいる。 長い物語だけど、読み終えた後も暫く頭から離れなそう。

Posted byブクログ