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エンドロール の商品レビュー

3.7

32件のお客様レビュー

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2022/03/18

孤独死。息を引き取る瞬間に立ち会った人がいないというだけ。 その人の送ってきた人生のエンドロールには、多くの名前がある。 そうだ。そうなんだ。 《伏龍》。もっと知りたくなった。

Posted byブクログ

2021/10/16

限界集落、老人の孤独死、無縁社会そして薄れゆく戦争体験といった社会問題を根底においてミステリータッチに仕上げた作品。 映画監督になることを夢見て故郷を飛び出したが、うまくいかず、アルバイトでアパート管理をしている青年門川誠一。彼はそのアパートで亡くなった独居老人・帯屋史朗の遺品整...

限界集落、老人の孤独死、無縁社会そして薄れゆく戦争体験といった社会問題を根底においてミステリータッチに仕上げた作品。 映画監督になることを夢見て故郷を飛び出したが、うまくいかず、アルバイトでアパート管理をしている青年門川誠一。彼はそのアパートで亡くなった独居老人・帯屋史朗の遺品整理をするが、見つかった8ミリフィルムに興味を抱く。フィルムに映っていたのは重いリヤカーを引きながら笑顔を絶やさない行商の女性。そして、もう一つ遺されたノートには意味不明な詩が記されていた。 これらに秘められた帯屋の人生を辿りドキュメンタリーを撮ろうと考えた門川は帯屋老人ゆかりの人たちを訪ね歩く。だが、その人たちは彼のフィルムとノートにまつわる話を聞くと、いずれも途中から非協力的な態度に転じる。彼らには、胸にしまいこんで共有する悲惨で重苦しい戦争体験があった。 かつて、この国は、兵士たちが体当たりする馬鹿げた極秘作戦を行ってきた。兵士たちは作戦に自ら志願する姿勢が崇高だと洗脳されていた。このことが、風化されないようにと多くの書物が著されてきたが、本作も収束点はここかと感じた。 帯屋のキネマ旬報への投稿文で締め括るエンディングがいい。

Posted byブクログ

2021/03/14

ひとりの老人の孤独死と遺品をきっかけに、主人公は彼の生き様を知ろうと思うようになる。手がかりを追っていくうちに、いろいろなことが判明してくる。ノートの謎、戦争中の隠された事実、帯屋が過去に関わった人々それぞれの思い、帯屋自身の心の動き。 読んでいる間ずっと、『知るためだけにここ...

ひとりの老人の孤独死と遺品をきっかけに、主人公は彼の生き様を知ろうと思うようになる。手がかりを追っていくうちに、いろいろなことが判明してくる。ノートの謎、戦争中の隠された事実、帯屋が過去に関わった人々それぞれの思い、帯屋自身の心の動き。 読んでいる間ずっと、『知るためだけにここまで行動するかなあ?』という気持ちがついて回ってしまい。甲山の協力具合も少し不自然に感じてしまった。 ストーリーは面白かったし読後感もよかったのだけれど、気持ちが乗っかりきらずに読み終えてしまったのがちょっと残念。 少し不思議だったのが、この「エンドロール」にもひとつ前に読んだ「漁港の肉子ちゃん」にも東北の町が出てきて、どちらのあとがきでも東日本大震災のことに触れられていて、私が読んだのが3.11の前後だったってこと。

Posted byブクログ

2020/08/09

終戦間際に実際に存在した、馬鹿馬鹿しいほどの作戦。その一つ「人間機雷」を題材にしたドラマ。 老人の孤独死と誰も引き取らない「遺品」から、確かに生きていた証を探っていくうちに、終戦間際に特攻作戦の実験中に起こった事故にたどり着く。 戦闘機によるいわゆる「特攻」、人間ロケット弾「桜花...

終戦間際に実際に存在した、馬鹿馬鹿しいほどの作戦。その一つ「人間機雷」を題材にしたドラマ。 老人の孤独死と誰も引き取らない「遺品」から、確かに生きていた証を探っていくうちに、終戦間際に特攻作戦の実験中に起こった事故にたどり着く。 戦闘機によるいわゆる「特攻」、人間ロケット弾「桜花」、人間魚雷「回天」など、有名なもの以外にも、信じられないほど冷静さを失った作戦が実際に計画されていた。 同じ敗戦国のドイツと比べても、実に幼稚な「負け方」で、当時の政治レベルの低さが伺える。 でも、笑えないよ。 今でも「日本人がコロナに強いのは、民度が高いから」なんて、堂々と発言する政治家に、同じ匂いがするのに、それを許しているのは、国民である自覚が無いのも、当時と同じ。 物語は、短い中に沢山のテーマを盛りすぎで、やや残念でした。

Posted byブクログ

2020/08/04

主人公は門川。 映画監督を目指し田舎を飛び出した青年。挫折を味わい、アルバイト生活に追われていた。 マンションの管理人業務の際に、帯屋老人の死に出会すことになる。部屋の整理を任された門川は、8ミリフィルムや映写機を発見する。そこに映された映像に強く心惹かれ、物語は動き出す。 孤...

主人公は門川。 映画監督を目指し田舎を飛び出した青年。挫折を味わい、アルバイト生活に追われていた。 マンションの管理人業務の際に、帯屋老人の死に出会すことになる。部屋の整理を任された門川は、8ミリフィルムや映写機を発見する。そこに映された映像に強く心惹かれ、物語は動き出す。 孤独死、無縁社会、限界集落。 社会問題の渦中にいる人々の生き方や、戦争を体験した世代の価値観が交錯する。 日本の戦争が終わっても、戦争を経験した人たちは終わらない何かを抱えて生きて、死んでいく。 門川青年は帯屋老人の生涯を追ってドキュメンタリー映画の制作を決意する。 8ミリフィルムから始まった物語は、決して孤独という言葉だけでは表現できない複雑なものとなった。 門川青年の映画監督になるという夢は、最後に一筋の光に照らされることになる。 老人は人生のエンドロールに沢山の人達の名前が載ることに誇りを抱いて逝った。決して孤独なんかじゃなかった。 読了。

Posted byブクログ

2018/09/23
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青年の主人公があるきっかけから一人の人生をたどる物語り。永遠の0もそうだけれど、 世代のギャップや話したくない気持ち、話せない話し、忘れたいことを聞いてほしくない気持ち、だけど知りたい気持ち、とても伝わってきた。 最後はそれぞれの真実になっているけれど 未来に向けたエンドロール

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2018/02/13

「一人で生まれ、多くの方と縁を作り、そして一人で旅立つ」この作品を読むまでは、これが寂しいと感じていた。今は違う。完全に逆転こそしてはいないが、人生のエンドロールに連なる名を見たとき、その一人一人の優しさを思い浮かべ、感謝出来る。そんな人生をおくりたい。それが「繋がり」だとか「絆...

「一人で生まれ、多くの方と縁を作り、そして一人で旅立つ」この作品を読むまでは、これが寂しいと感じていた。今は違う。完全に逆転こそしてはいないが、人生のエンドロールに連なる名を見たとき、その一人一人の優しさを思い浮かべ、感謝出来る。そんな人生をおくりたい。それが「繋がり」だとか「絆」であるのなら、これらの言葉をもっと大事にして行きたいもんだ。

Posted byブクログ

2017/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

亡くなった老人の過去を調べ、戦争の話にもなるって退屈になりそうなのに、ずっと引きこまれた。 調べる流れが自然。

Posted byブクログ

2017/04/25

 死(孤独死)に対する考えが少し変わったような気がします。  奥の深い物語でした。  人は生前いろんな人と出会い、語り、泣いて、笑って、生きてきたんです。誰ひとり孤独で亡くなる人なんていません。  私もここで一人のまま逝くことになるでしょう。でも、私のことを少しでも、覚えてくれる...

 死(孤独死)に対する考えが少し変わったような気がします。  奥の深い物語でした。  人は生前いろんな人と出会い、語り、泣いて、笑って、生きてきたんです。誰ひとり孤独で亡くなる人なんていません。  私もここで一人のまま逝くことになるでしょう。でも、私のことを少しでも、覚えてくれる方がいらっしゃるはず。それが縁というものでしょう。私はそれでいいと思っています。一人であっても、心の中に会いたい人を思い描いて、豊かな気持ちでこの世から去りたいんです。

Posted byブクログ

2016/10/23

映画監督になる夢が挫折して、アパート管理人のバイトでただ日々を過ごす青年・門川。孤独死の老人の遺品の中に8ミリフィルムを発見し、その映像に惹かれた彼は老人の人生を辿る。 現代社会の孤独死問題と、日本国家が犯した最大の過ちである戦争。一人の男性の人生を、全く縁のない青年が執念で追う...

映画監督になる夢が挫折して、アパート管理人のバイトでただ日々を過ごす青年・門川。孤独死の老人の遺品の中に8ミリフィルムを発見し、その映像に惹かれた彼は老人の人生を辿る。 現代社会の孤独死問題と、日本国家が犯した最大の過ちである戦争。一人の男性の人生を、全く縁のない青年が執念で追うという設定が見事だ。未来の自分自身を重ねた『孤独』という状況を徐々に打ち破る展開が巧みである。自分の人生は自分が主役だ。エンドロールには多くのキャストの名前が連なるが、最初は主役である自分の名前である。

Posted byブクログ