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部屋(上) の商品レビュー

3.6

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

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2023/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公ジャックが5歳の誕生日を迎えたところから物語が始まる。 幼児の語彙力やあえて間違ったスペルで紡がれる文章、少々読み辛いがきちんと意味はわかる。 翻訳の土屋京子さん、苦労されたのでは。 特異な環境の中でもきちんと育てようとしている母親の工夫はお見事。 とある事件がモチーフとの事なので参考にされた部分もあるのだろうか。泣き虫で甘えん坊の小さなジャックが『プランB』を必死で遂行するシーンは、無事成功するのだとわかっていてもハラハラする。部屋で待っているママは気が気でなかっただろう。ミッションをやり遂げたジャックとママの再会に思わず涙。物語は下巻へ続く。

Posted byブクログ

2017/05/10

上下巻併せてのレビューです。 数週間前に映画化作品を鑑賞。映画版は原作にほぼ忠実でした。 監禁された母子が知恵を巡らし体を張って脱出するサスペンス劇かと思ったら、最初の1時間で「部屋」から見事脱出、後半1時間は無事保護されてからの話だった映画同様、原作の上巻はその名も『部屋 イ...

上下巻併せてのレビューです。 数週間前に映画化作品を鑑賞。映画版は原作にほぼ忠実でした。 監禁された母子が知恵を巡らし体を張って脱出するサスペンス劇かと思ったら、最初の1時間で「部屋」から見事脱出、後半1時間は無事保護されてからの話だった映画同様、原作の上巻はその名も『部屋 インサイド』、下巻は『部屋 アウトサイド』となっています。誘拐監禁事件は保護されただけでは終わりません。 上下巻とも終始、5歳の息子ジャックの言葉で語る形式が取られています。ほとんど平仮名、子どものしゃべり言葉の一人称で、ジャックの目を通してすべての物事が語られるから、それ以外の登場人物の思いや周囲で巻き起こる出来事については、読者は映画版よりもずっと強い想像力を強いられます。それゆえ映画版よりも生々しく感じられるシーンもいくつか。 映画版ではジャックの何気ない言葉に傷ついたりいらついたりする母親が、目の前にわかりやすい姿で出てきてくれたわけですが、原作ではジャックが私に向かって話しかけてきているようで、母親と同じようにいらつく自分がいます。決死の覚悟で「部屋」から脱出したのに、「部屋」にいたときを懐かしむジャックには声を荒げたくなったり。 5歳になっているにもかかわらず、まだおっぱいをほしがるジャック。映画版ではそれはサラッと描かれていましたが、原作にはおっぱいをねだるシーンがしつこいほど登場して、このシーンにも若干嫌悪感を抱いてしまいました。 訳者のあとがきにあるように、訳の工夫はいたるところに感じます。それゆえ上記のようなイライラも起こってしまうのでしょう(笑)。映画版を観ていなかったら、読むのがもっとつらかったかもしれません。 10代で誘拐監禁された母親。もしかすると一生ここから出られないかもしれない。そんなふうに絶望的な思いがあるにもかかわらず、息子の健康に気を配り、語彙を増やそうといろんな遊び方や学び方を工夫する。その様子に母親の偉大さを知り、頭が下がる思いではありますが、この若さでこんなに幅広い知識を持っていたことに違和感も多少は持ってしまいます。原作のほうがその点も強く感じました。 ジャックの視点でしか描かれない分、ラストシーンは映画版と同じであるにもかかわらず、原作ではその素晴らしさが伝わってきにくい。原作を読んでイマイチだと感じた方は、映画版をご覧になることをお勧めします。 それにしてもこの文庫本の値段はなんだ。上巻320頁、下巻336頁、上下巻併せても京極夏彦の1冊分より薄いくせして、各巻900円超えなのですから。高っ! 映画の感想はこちら。→http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/2b14e511c5daa1210d1f8d4d5fb7944a

Posted byブクログ

2017/02/07

5才の男の子が考えているとおりの文章なので始めは読みにくい。この辺は映像の方がスムーズ。わかってるけど脱出シーンはハラハラした。おっぱい飲むシーンがたくさんあるけど、ストレートに書いてないせいで変に気になって気持ち悪い。二人しかいないから言葉に出す必要がないのだろうけど…。

Posted byブクログ

2016/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2016/09読了。映画と原作を制覇した娘に勧められて。 映画の予告編から、だいたいどんなシチュエーションか分かって読み始めた。語り手が5歳のジャックなので悲壮感はあまりない。悲惨な状況の中で、愛情深く寄り添って暮らすママとジャックが痛ましくも切ない。何もない閉鎖空間の中で、テレビとわずかな差し入れをもとに、よく賢い子どもに育てているものだと、ママの知性と気力に感嘆。 物語は後半急変し、緊迫の脱出劇。無事救出となったけれど、下巻はじゃあどうなっちゃうの?

Posted byブクログ

2016/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白さという点では☆5つ、文句なしでした。 語り手は5歳のジャック。 彼の幼児語(しかも話し相手がほぼママだけなので、かなり知識に偏りがある不思議な言語)を最初はほほえましく、やがて真相がわかるにつれ、痛ましく見ていくことになる。 5歳の目から見ているので、何事も彼の興味や主観に基づいていて、あまりにもまどろっこしいことが多かったけれど、監禁された少女とそのなかで産み落とされた子供という符号がはまると、大人である私は、ジャックのわがままに振り回される『ママ』が可哀想でならなくなる。 本来は、きっと彼女だって守られるべき存在なのに、ジャックのために「保護者」としての役割を精一杯果たそうとしている。 物わかりのいい息子ではないので、なおさら・・・。 しかし脱出の下りはスリリングだった。 下巻も面白そう。

Posted byブクログ

2016/05/20

映画が良かったので読んだ原作 19歳の大学生の時に誘拐されて、監禁された部屋の中で犯人の子供ジャックを産んで育てるママ 物語はジャックの目を通して語られる この手のストーリーは往々にして暴力や恐怖を中心に描かれるが、語り手が部屋の中しか世界を知らない5歳児なので悲壮感はなく読める

Posted byブクログ

2016/05/01

子どもの視線から書かれた物語。 それゆえの言葉の拙さから来る伝わってこないもどかしさも含め、よく出来た翻訳だと思います。

Posted byブクログ

2016/04/07

ブクログさん、読ませていただきありがとうございました。ずっと気になっていた作品。子ども目線で書かれているとは知りませんでした。狭い世界でも情緒が育まれていて、素敵なママですね!脱出した後の展開が楽しみです。奇しくも女子中学生の監禁事件と重なりました。決して想像だけの話ではないんだ...

ブクログさん、読ませていただきありがとうございました。ずっと気になっていた作品。子ども目線で書かれているとは知りませんでした。狭い世界でも情緒が育まれていて、素敵なママですね!脱出した後の展開が楽しみです。奇しくも女子中学生の監禁事件と重なりました。決して想像だけの話ではないんだな、と思い知りました。

Posted byブクログ

2016/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アカデミー賞最有力候補と言われる映画「ルーム」。 その原作で、上下巻2冊の大作。ブクログの献本企画に応募し、 見事に2冊をセットでゲット。映画と小説、どちらを優先する か迷ったのだが、取り敢えず小説の方から読んでみた。 上巻のサブタイトルは「インサイド」。 とある“部屋”の中“だけ”で暮らす親子の話で、ほぼ全て の文章は5歳になったばかりの男の子、ジャックの語りで進め られる。 約9割を占める幼児言葉の羅列は正直苦しく、前段から中盤に かけてはハッキリ「苦行」であった。ただ、この苦行を続ける ことで”部屋”の状況が異様であることがゆっくりと、しかし 確実に解ってくる。全ての状況が完璧に把握出来るのはもう殆 ど上巻の終盤であるが、ラスト30ページの怒濤の展開はスリル 満点。事件は一応一段落するのだが、「アウトサイド」と銘打 たれた下巻がちょっと楽しみになってきた。 ただ、語り部がジャックのままだとちょっと苦行は続いちゃう かも(^^;)。状況が変わってくれるとありがたいなぁ(^^;)。

Posted byブクログ

2016/04/07

映画が公開されたら観に行こうと決めていた作品の原作をブクログさんから献本いただけたので映画観てからにするか悩みましたが、、早速読みました。 普段翻訳ものはあまり読まないのですが初っ端からするすると物語の世界観に引き込まれてしまった。 5才になったジャック目線で話が進むので、漢字は...

映画が公開されたら観に行こうと決めていた作品の原作をブクログさんから献本いただけたので映画観てからにするか悩みましたが、、早速読みました。 普段翻訳ものはあまり読まないのですが初っ端からするすると物語の世界観に引き込まれてしまった。 5才になったジャック目線で話が進むので、漢字はほぼなく、ひらかれてます。またニュアンスが変な赤ちゃん言葉のようなものが入り混じっているのでかなり読みづらいです。 それでもはじめから吸い込まれていく。フィクションに思えないような話だからか。 誘拐事件が多いですよね、最近も中学生が2年間誘拐されて発見されてたというニュースで持ちきりですし。 この本を手に取る人、そしてこれから映画を観に行くひとの大半の人が物語のあらすじを知っていて読んでいると思います。誘拐され監禁され子供を身ごもり子供を育てる女性とその子供の話であるということを。 知らないで読んでいたら普通の親子に思えたかもしれない。それくらい家での日常を普通に書いている。だんだんと違和感が垣間見れ、ん? んん? が増えてくかんじ。 予想外だったのは上下巻で脱走するまでを描くと思ってたのに違ったこと。案外あっさり脱走してしまったこと。脱走してハッピーエンドになると思ってたのに、その後を下巻で書いてるってことが今から読むのが怖い…。 久しぶりに夢中になってよみました。続きが楽しみですが結末が怖いです。

Posted byブクログ