部屋(上) の商品レビュー

エマ・ドナヒュー(著者),土屋京子(訳者)

2016/04/06

まさか献本が当たるなんて！！家に帰って包が階段に置かれていたときは驚いて叫びました。ブクログさま、ありがとうございます。ただ今、楽しく育児と仕事との合間に読み進めております。
まず語り手にびっくりしつつ、意外なほど読みやすいです。

ジャックの視点から描かれる"ママ"とのユニークな生活。あるものでどんどんおもちゃや遊びを作っていくジャック。歌をたくさん教えてくれるママ。どう考えても足りなさそうな食事の描写。ママの飲む鎮痛剤。天窓から覗く"本物の神様"。ジャックの友達や、テレビの中の"本物ではない人たち"。トイレに流した手紙が海でくっついて友達に届く。ママから"もらう"のは左のほうがクリーミー。
曜日ごとに決まっている"洗濯""掃除""お風呂"、日曜日の"差し入れ"、ママを閉じ込めている男を"オールド・ニック"と呼び、男の来訪のたびに洋服ダンスで"スイッチオフ"になって出ていくのを待つ。そんな生活がジャックの思わぬ行動で一変する。"お仕置き"として電気を止められたこと、男がもう長いこと失業していること、重なった事実が"ママ"に決心をさせる。"ママ"はジャックを部屋の外へと出す計画を立てる。さあ、その計画の結果はーーー。
ドキドキの後半は一気読みでした。
さて結果を納めた二人のその後は、後編から。

2016/03/11

【献本】本年度アカデミー賞®主演女優賞に輝いた映画『ルーム』の原作本、全米で200万部突破のベストセラー！エマ・ドナヒュー『部屋』上・下巻セットで5名様にプレゼント！【2016年3月22日(火)終日】
http://info.booklog.jp/?eid=878

▼あらすじ

今日はジャックの5歳の誕生日。
ジャックはママと「部屋」に住んでいます。鍵付きのドアに天窓のある部屋。

ママとシリアルを100こ数えて牛乳をどぼどぼかける朝ごはん。
ママといっしょに見るアニメ(ドーラ大好き!)。
ママに読んでもらう『ぼくにげちゃうよ』(自分でだって読めるけど)。
ママが教えてくれる字のおけいこ。
ジャックは幸せです。だって、ここにママがいるから。
「オールドニック」に見つかりさえしなければ。
そして、この部屋だけが「世界のほんと」だと思っています。
いや、そう思っていました――ママが外の世界があることを教えてくれるまでは。

誘拐され、監禁された少女に、子供ができてしまったら……。
極限状況を生き抜こうとする人間の勇気と気高さ。
「部屋の中」の天真爛漫なジャックの声が、切なく聞こえてきます。

2016/03/04

誘拐監禁された女性が中で育てた子供と一緒に「外」へ脱出するお話。そして、脱出後の苦悩のお話。

全体的に子供目線の子供口調で話が進みます。
最初は読み辛いなと感じていましたが、慣れると反対に面白いです。子供だからこその語彙の少なさや説明不足に想像力が掻き立てられます。

2015/08/05

2015/08/05　ライブドアの記事
http://news.livedoor.com/article/detail/10430893/

2015/03/03

5歳児が書いたという体で書かれているため、何が起きているのか理解するまで時間がかかる。ただ、分かったときにゾッとする恐ろしさはある。

2022/09/04

閉鎖された絶望的な状況の中でもジャックがたくさんのことを知っていて、ママが彼に精一杯愛情を注いで育てている様子に監禁という事実をしばし忘れる。
監禁男の登場シーンが増すにつれ、出産前のママの心境を想像するといたたまれなくなってページが進まなかった。
脱出計画→ジャックの脱出→ママの救出までずっと手に汗握りっぱなし。
ある意味「部屋」に守られていた母子二人だけの幸せが「外」の世界へ出てどう変化していってしまうのか…下巻を読むのが怖い。