総員起シ 新装版 の商品レビュー
戦争とひと言で言うても人の数だけ戦争体験があるわけで、本書はそれぞれ異なる立場の人が経験した戦争記録5篇が収録されている。 ただ全てにおいて共通しているものがある。みんな悲惨。 日本人同士での裏切り行為の描写があるが、こんな酷いことが出来るのかと思うと同時に、極限状態にはこうい...
戦争とひと言で言うても人の数だけ戦争体験があるわけで、本書はそれぞれ異なる立場の人が経験した戦争記録5篇が収録されている。 ただ全てにおいて共通しているものがある。みんな悲惨。 日本人同士での裏切り行為の描写があるが、こんな酷いことが出来るのかと思うと同時に、極限状態にはこういうことが起きても不思議ではないよな、とも思う。 だからこそ戦争は起きたらあかんのよ。 タイトルにもなった総員起シの章、潜水艦の中に閉じ込められて9年後に驚く姿で発見されるというエピソードなんやが、知的好奇心も刺激される話で、強烈に印象に残った。 それと同じぐらい印象に残ったのが、剃刀のエピソードのラスト。他人を巻き込む身勝手な軍上層部の行動に胸クソ悪くなる。
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昭和19年、訓練中の事故によって沈没した伊号第三十三潜水艦。 9年後、引揚げられた艦内の一室から発見された13名の遺体。 遺体は、まるで生きているような状態でした。 事故から命がけで脱出した生存者の証言などを基に書き上げた戦史小説です。 「海の柩」「手首の記憶」などの他の作品も、...
昭和19年、訓練中の事故によって沈没した伊号第三十三潜水艦。 9年後、引揚げられた艦内の一室から発見された13名の遺体。 遺体は、まるで生きているような状態でした。 事故から命がけで脱出した生存者の証言などを基に書き上げた戦史小説です。 「海の柩」「手首の記憶」などの他の作品も、戦争の悲惨さが描かれています。
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戦中戦後の恐怖、理不尽、悲哀を綴った短編5編。 「海の柩」が一番刺さったが、他にも三船殉難事件を扱った「烏の浜」、伊号第三十三潜水艦を扱った標題作など良作が鎮座。戦争という不気味な怪物が生み出した事象は、極限下での状況を踏まえた意思決定の在り様について考えさせられた。
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前から気になってはいたものの、読んだことのなかった吉村昭。どこまで史実なのかわからない部分はあるものの、司馬遼太郎とか清武英利に似た感じだろうか、太平洋戦争の知らぬ歴史を興味深く読んだ。ドキュメンタリーや映画よりもよっぽど戦争の悲惨さや人間の浅ましさが心に響く小説であった。他の本...
前から気になってはいたものの、読んだことのなかった吉村昭。どこまで史実なのかわからない部分はあるものの、司馬遼太郎とか清武英利に似た感じだろうか、太平洋戦争の知らぬ歴史を興味深く読んだ。ドキュメンタリーや映画よりもよっぽど戦争の悲惨さや人間の浅ましさが心に響く小説であった。他の本も読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
終戦前後に起きた悲劇を題材とした5篇を収めた短篇集。 残念なことにいずれも、現代では風化し、 忘れ去られた事件になり下がっているようだが、 それだけに衝撃的だった。 とりわけ『海の柩』、『手首の記憶』、『総員起シ』の読後感は重かった。 戦争とは、軍隊とは理不尽の塊であり、 戦争に負けるとはこういう事なのだなあ。 目頭が熱くなった。
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「海の柩」は次々と流されてくる兵隊の水死体、という状況からして恐ろしいのですが、それらに共通するある特徴の理由がわかった時、あまりの殺生ぶりに戦慄せずにはいられませんでした。「総員起シ」は潜水艦サルベージのドキュメントとして非常に興味深い話でした。せっかく戦争を生き残ったのに、9...
「海の柩」は次々と流されてくる兵隊の水死体、という状況からして恐ろしいのですが、それらに共通するある特徴の理由がわかった時、あまりの殺生ぶりに戦慄せずにはいられませんでした。「総員起シ」は潜水艦サルベージのドキュメントとして非常に興味深い話でした。せっかく戦争を生き残ったのに、9年後に引き揚げられた潜水艦のメタンガスで死んでしまった三名の元海軍技術士官が不憫でならない。
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吉村昭による短編小説集。太平洋戦争末期、現日高町厚賀沖にて、兵員輸送船「大誠丸」が米軍の攻撃を受け沈没した事件を主題とする作品『海の柩』が収録されています。実際に多数の将兵が亡くなった事件である為非常に暗い作品ですが、戦争という現実の中で暮らしていた厚賀の人々の姿が克明に描かれて...
吉村昭による短編小説集。太平洋戦争末期、現日高町厚賀沖にて、兵員輸送船「大誠丸」が米軍の攻撃を受け沈没した事件を主題とする作品『海の柩』が収録されています。実際に多数の将兵が亡くなった事件である為非常に暗い作品ですが、戦争という現実の中で暮らしていた厚賀の人々の姿が克明に描かれています。(日高門別 あ)
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総員起しは、森史朗の「作家と戦争」で紹介された小説だったので読んでみた。終戦後になって沈没した潜水艦から、死亡した当時のままの姿で発見されたというショッキングな内容が書かれていた。一貫して、吉村昭の小説に描かれている死に際の内面に迫っていく手法なだけに身に迫る怖さがある。ここには...
総員起しは、森史朗の「作家と戦争」で紹介された小説だったので読んでみた。終戦後になって沈没した潜水艦から、死亡した当時のままの姿で発見されたというショッキングな内容が書かれていた。一貫して、吉村昭の小説に描かれている死に際の内面に迫っていく手法なだけに身に迫る怖さがある。ここには、「手首の記憶」など短編5編が掲載されているが、あっと言う間に読み終わってしまったという印象である。中には、吉村自身が「私」はという主語で論じるスタイルもあり、面白い。ストーリーの構成としては、ショッキングな場面から始まり、そこに至る事実経過や取材の場面が書かれ、最後に、タイトルともなっている出だしのキモの部分に焦点が当てられ、何故という問いが解されていくのだ。
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戦争にまつわる実話を基にした5つの短編小説。 もう、ずーっと読みたくて、古本で探しても見つからず1年。我慢できずに新刊をお取り寄せしました。読んで良かったです。戦争の悲惨さ、当時の人の思い、傷跡…。あくまで、「実話を元にした小説」なのでしょうけれど、Wikipediaなんかで...
戦争にまつわる実話を基にした5つの短編小説。 もう、ずーっと読みたくて、古本で探しても見つからず1年。我慢できずに新刊をお取り寄せしました。読んで良かったです。戦争の悲惨さ、当時の人の思い、傷跡…。あくまで、「実話を元にした小説」なのでしょうけれど、Wikipediaなんかで調べただけではイメージ出来ないいろいろな情景が胸に迫ってきます。とても読みやすい小説で、引きこまれました。 『海の柩』 北海道で大量の水死体がある村に流れ着いた。その中に、手・腕のない死体が多く紛れていた。 『手首の記憶』 南樺太で起きた、看護師の集団自決。数名の看護師以外は一命を取り留めたが、彼女たちがその後背負ったものは…。 『烏の浜』 終戦を迎えたにも関わらず、女性や子供の多く乗った船が沈められ、彼らとその遺品の多くが増毛町に流れ着いた。 『剃刀』 沖縄戦において、牛島軍司令官は崖上で月を背景に自決したというが、それは本当なのか? 『総員起シ』 急速潜航訓練中に不幸な事故によって沈没し、102名を乗せたまま鉄製の柩と化した「伊号第三十三潜水艦」を9年ぶりに引き揚げると、そこには眠ったように当時の姿のままの船員たちが…
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【潜水艦[イ33号]を襲った悲劇と、戦争の実相】沈没した[イ33号]。引揚げ作業中の艦内から、生けるが如き十三の遺体が発見された。証言を基にした衝撃の戦史小説。
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