マザーズ の商品レビュー
これやばち。この気味の悪い、無機物的な文章はなかなか普通の作家には書けない。 理論と論理 理論は論理の行き着く先。論理はプロセス 人の生や死は、ある程度なんらかのルールの中にないと、どうしていいかわからなくなっちゃうもの 子育ての大変さ。というよりもはや異常といっていいほどの苦労...
これやばち。この気味の悪い、無機物的な文章はなかなか普通の作家には書けない。 理論と論理 理論は論理の行き着く先。論理はプロセス 人の生や死は、ある程度なんらかのルールの中にないと、どうしていいかわからなくなっちゃうもの 子育ての大変さ。というよりもはや異常といっていいほどの苦労がわかる。 ずっとストーリーが強烈だが、劇的な終わり方ではなく哀愁の残る終わり方なのがオシャレ。面白かったな。
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我が子を愛するが故。いろんな葛藤があり、読んでいて苦しかった。子供を育てる大変さ。昔は我慢しつつも助けがそこら中にあった。今は?いろんな苦しみが重なり、正当化しつつも理不尽なことをしてしまう。こう文章にされると経験がなくとも痛いほどに伝わってくる。 そして相手を軽蔑しながらも離れ...
我が子を愛するが故。いろんな葛藤があり、読んでいて苦しかった。子供を育てる大変さ。昔は我慢しつつも助けがそこら中にあった。今は?いろんな苦しみが重なり、正当化しつつも理不尽なことをしてしまう。こう文章にされると経験がなくとも痛いほどに伝わってくる。 そして相手を軽蔑しながらも離れられない関係性。仲良い友達と全部が全部合致するとは限らない。フェーズが変われば付き合う友も変わる。大人になればそんなもんだと割り切れるようになる、五月みたいに。
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50頁読んだところで、この感じで600頁越えか…きついかもな…と思ったけど、そんなことなかった。鋭利な狂気さと正直さ。嘘があったとしても、その嘘すら正直なものに感じる。
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はじめて読んだ金原ひとみさんの作品。 ドラッグ、虐待、不倫、流産……なんとも重たい内容を描く作品でしたが、この本には育児で葛藤しながら1日1日を生きていく母親の姿、母親の愛、母親の苦しみが詰まっていて読んでいくうちに心苦しくなることが多い。特にユカという母親はドラッグ中毒なので...
はじめて読んだ金原ひとみさんの作品。 ドラッグ、虐待、不倫、流産……なんとも重たい内容を描く作品でしたが、この本には育児で葛藤しながら1日1日を生きていく母親の姿、母親の愛、母親の苦しみが詰まっていて読んでいくうちに心苦しくなることが多い。特にユカという母親はドラッグ中毒なので幻覚する場面はいつも恐ろしさを感じるけど、本人自身それだけ苦しんでいるんだろうと思う。金原ひとみさんの喩えかたはインパクトがあって凄いと思いました。 ユカが央太の部屋に上がってDVD齧るとこやばかった。 涼子が一弥にシャワー浴びせるとこもやばかった。 読んでいて痛々しい描写もあって、読み進めるにも時間がかかりました。重たい…(泣) 最後の方の五月の章はもう、悲しすぎて……(T ^ T)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
力作だった。 女性版村上龍じゃないかな、この人。 結婚、出産を通じての女性の生きづらさ。それは他者性だろう。 結婚した男性との他者性、出産した自分の他者性、そして子供という他者性。 登場人物の3人のマザーはバックグラウンドも思想も仕事も違う。それぞれの生き方の中にその一気に来た他者との格闘に疲弊し切っていく。 キャラクターの違いもある。ユカは作家&ヤク中で嘘つきだ。涼子とのイザコザは感情と論理の対立だ。意味と論理と感情の対立。涼子の感情をユカは論理で処理しようとする。そこに言いようのないすれ違いがある。モデルで芸能人の五月は取り繕う事が上手く仮面夫婦である夫との関係に疲れ不倫に走る。経済面、生活面で困窮を抱える涼子は虐待に走ってしまう。 3人の夫は最初圧倒的な他者として描かれ、最後には包容力を持って描かれる。 安易な解決法を導かず圧倒的にマザーズの有り様を描き切った傑作と思うぜよ。
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2.8 とにかく読むのに時間がかかった。出てくる男も、いけてない。母になり損ねた女たちの物語。父になることもやはり難しい。
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こいつはまた、ええじゃないか。 最初はセレブvsパンピーかよー、このブルジョアどもめが、って感じだったけど、まぁ最終的にも感情移入できて心情が理解できるのはパンピーだけだったけど、でも三者三様にそれぞれ楽しいのよ。 ユカが突然と厨二病みたいな説教始めるのも悪くない。こんな面倒くさ...
こいつはまた、ええじゃないか。 最初はセレブvsパンピーかよー、このブルジョアどもめが、って感じだったけど、まぁ最終的にも感情移入できて心情が理解できるのはパンピーだけだったけど、でも三者三様にそれぞれ楽しいのよ。 ユカが突然と厨二病みたいな説教始めるのも悪くない。こんな面倒くさいこと言うのか普通って思ったけど女の人は時々こうだからな、それに比べて別居して巨乳DVD見てオナニーしてんじゃねーよと突っ込まれる央太は実にどうしようもなく、ていうか女流作家故にか概ね男はうんこな感じで描かれてるのもなんか、ブルっちゃうっていうか、Mかな。
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女性って混沌とした生き物なんだなと思わされる本 「ヒステリーは女にとって年に数回の祭り」という表現、なるほどなと納得 笑 これ系だと個人的には同時期に読んでいた山田詠美さんの「つみびと」の方が好き
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まったく関連性がないのだが、読みながら島尾敏雄の「死の棘」を思い返しながら本作を読んでいた。 ・不倫モチーフという共通点。 ・精神的に追い詰められた果てを執拗に追う著述。 ・触れると崩れ落ちそうな緊張感に包まれた小説世界。 ・鳥かごのような逃げ場のない地獄を、どこか引いた目線で...
まったく関連性がないのだが、読みながら島尾敏雄の「死の棘」を思い返しながら本作を読んでいた。 ・不倫モチーフという共通点。 ・精神的に追い詰められた果てを執拗に追う著述。 ・触れると崩れ落ちそうな緊張感に包まれた小説世界。 ・鳥かごのような逃げ場のない地獄を、どこか引いた目線で見つめる態度。 「死の棘」では、妻が妄信した旦那の虚像(内地から来た青年将校と島の娘の大恋愛の末の結婚)が暴かれた先の地獄の日々が描かれていたが、本作が暴く虚像は「母性」。 すでに真綿が首に巻き付いた状態で小説が始まり、緩慢に頸動脈を圧迫されるがごとき読書なのだが、いたたまれなくも中毒性があるところも「死の棘」と同様。叫びだす数秒前の人と対峙しているような緊張感に満ち満ちており、作家と読者の真剣勝負。 読むにあたっては心のスタミナと相談しながら読むべきだが、読んで後悔のない一冊。
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『絶望が私の一番の起爆剤であって、生きていく糧でもあるんだ』 『私を助けるものはインターネットもない。携帯にもない。家庭にもない。自分の中にもない。多分そんなものは存在しない』
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