秘密(上) の商品レビュー
ケイトモートン氏の作品は『リヴァトン館』『忘れられた花園』に続いて3作目。今回の謎は『忘れられた花園』よりはシンプルのような気がするが十分面白い。伏線はいたる所にあるというのに最後まで見抜けなかった。脱帽。途中、登場人物の行動が不可解なので『?』マークが点灯したが、最後まで読むと...
ケイトモートン氏の作品は『リヴァトン館』『忘れられた花園』に続いて3作目。今回の謎は『忘れられた花園』よりはシンプルのような気がするが十分面白い。伏線はいたる所にあるというのに最後まで見抜けなかった。脱帽。途中、登場人物の行動が不可解なので『?』マークが点灯したが、最後まで読むと納得できる。最後の方で明らかになる謎はいわばミステリにありがちなあのトリックともいえるが、うまく着地しているのでケイトモートン氏の手腕をほめるべきだろう。個人的には『忘れられた花園』のような毒が少ない分本作の方が好感が持てる。また読後感も非常に良いのでその点も〇。(しかしミステリとしてみたらどちらが上なのだろう?)それでも『リヴァトン館』には一歩及ばないという個人的評価になった。さて、次は『湖畔荘』だが、この本を読むのも数年先になりそうな予感がする。あと未翻訳の作品がいくつかあるのは気になる。翻訳者に言わせると完成度の点で『秘密』や『忘れられた花園』に劣るので未訳だという。できれば読んでみたいものだが。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou20603.html
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物語の幕開けの舞台は、イギリスのサフォーク。人里離れた田舎にある一軒家に、仲の良い家族が暮らしている。 近くの小川でピクニックを楽しんでいる最中、ケーキナイフを取りに帰った母親が、家を訪ねてきた見知らぬ男をそのナイフで刺し殺すのを、長女のローレルは目撃してしまう。 事件は通り魔に...
物語の幕開けの舞台は、イギリスのサフォーク。人里離れた田舎にある一軒家に、仲の良い家族が暮らしている。 近くの小川でピクニックを楽しんでいる最中、ケーキナイフを取りに帰った母親が、家を訪ねてきた見知らぬ男をそのナイフで刺し殺すのを、長女のローレルは目撃してしまう。 事件は通り魔に襲われた彼女の正当防衛として片づけられるが、その後ローレルは母親の残された時間が少ないと知った今、事件の真相を知りたいと思った。母親はなぜその男を殺したのか。その男は母のことをドロシーと読んでいた。通り魔でなかったことを知っているのは自分だけ。 時代はローレルの娘時代、そしてベテランの女優となった現在、ローレルの母ドロシーの娘時代と目まぐるしく変わるが、混乱することもなくとても読みやすい。訳がいいんだと思う。 中盤まではなかなか進みが遅かったが、物語の土台が出来上がった後半、一気に加速していく。 上巻はちょうどいいところで終わってしまったので、下巻を読み始めるのが待ち遠しい。 久しぶりに読む海外の小説独特の雰囲気が心地よいと感じた。
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1961年の夏。ローレルは庭にあるツリーハウスの中で寝ころんでいた。四人姉妹の年長。彼女は16歳になっていた。近いうちにロンドンにある俳優養成専門学校に行きたいと考えていた。たとえ両親が反対しても。ここでローレルは、母の身に起きた事件を見ていた。ある男が訪ねてきて、母はその男をケーキナイフで殺してしまったのだ。事件はローレルの目撃証言で正当防衛だとされ、世間からは忘れ去られたが...。直ぐに物語の中に引き込まれた。ローレルの、そして母親のドロシーの目で見るように。母親の秘密はなんだったのか。ページを繰るごとに物語が進む。
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『秘密』 ケイト・モートン The Secret Keeper by Kate Morton 文春ミステリー2位、このミス2位 母は、なぜあの見知らぬ男を殺したのか?浮かび上がる母の秘められた過去。 時代が交差しながら、ヴィヴィアン、ドロシー、ジミーの 過去が明らかになっていく...
『秘密』 ケイト・モートン The Secret Keeper by Kate Morton 文春ミステリー2位、このミス2位 母は、なぜあの見知らぬ男を殺したのか?浮かび上がる母の秘められた過去。 時代が交差しながら、ヴィヴィアン、ドロシー、ジミーの 過去が明らかになっていく。 こういうの好きかも 他の本も読んでみたい作家さんに出会えました。
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田舎のごく平凡な家族が、ある男の訪問により起こった過去の殺人事件の真実を主人公ローレルとジェリーが明らかにしていく。 50年後?母親の死期が近づいたときに主人公の奥底に眠っていた記憶が蘇り、その事件の真実を探すストーリー。主人公と母親の若い頃の話が交互に展開されるが、最初の方は...
田舎のごく平凡な家族が、ある男の訪問により起こった過去の殺人事件の真実を主人公ローレルとジェリーが明らかにしていく。 50年後?母親の死期が近づいたときに主人公の奥底に眠っていた記憶が蘇り、その事件の真実を探すストーリー。主人公と母親の若い頃の話が交互に展開されるが、最初の方は、どちらかといえば、それぞれの自己紹介的な話が多く、少し退屈するが徐々にサスペンス的要素が出て話に引き込まれていく。 下巻が楽しみだ。どうして、この事件が起こったのか早く理由が知りたい。
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昨年度、週刊文春の海外ミステリー部門で上位だったので、読んでみました。ミステリー的要素のほかに、胸がざわざわするような切ないところもあり、1回読んだ後、再読をしました。忘れたころ、再度、再読したいと思っています。
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母の殺人の真相を探るミステリー。 前半は時系列や人物名や人間関係がうまく把握できず混乱していましたが、後半からは面白くなりました。 1961年の主人公が目撃した母が犯した殺人を挟んで、2011年に死を間近にした母の殺人の真相を探ろうとする娘パートと1941年の殺人事件の元となると思われる母の青春時代のパートが交互に描かれる構成がうまく、謎解きに引き込まれました。 下巻にて真相は如何に。 予想では母が実は親友と入れ替わっていた・・・ではベタかな?
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もう、ドリーに心を寄せられなくて、読めば読むほどこの娘がきらいになっていくのでどうしようという感じで上巻を読み終えた。でも進まないなと思っているうちにあっという間に読んでしまったので、やはりリーダビリティは高い。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2015.4.16 読了 なかなか面白いですし、とても良い小説です。 いろいろ散りばめられた断片が上手く構成されているところや、幼年時や空襲のときの情景がとても良く描けていること。小説全体を通じて、家族愛が書かれていて、読後感もとても良かったです。 ただ、ミステリーとしては、それ程幻惑させられるような謎が書かれているわけではなく、何か少女期の心傷によるとんでも無い事を期待しているのは、最近のミステリーにかなり毒されているのでしょうか? 秘密の花園も読んでみようと思います。
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