特捜部Q Pからのメッセージ(下) の商品レビュー
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カール、いい加減犯人のところに乗り込む時は拳銃持ってくれ。 序盤は犯人の方が一歩先を行っていたが、それを覆すのがチームワークだった。犯人の策略が次々と、一つずつ崩されるところはページをめくる手が止まらなくなるほど。 全て偽名で何もかも準備し、更に別名義で二重の足跡消しをしていた犯人は流石。全てを変えたが「普通が一番目立たない」ことを徹底したところなんかも連続誘拐殺人犯としては称賛されるところかもしれない。ただ、その偽名を身近な人から取ったところは浅はか。余裕がないはずなのに逃げずに後始末を優先したところなんかは、自らの能力の過信と今まで見つからなかった傲慢さのツケを考えていない。 浅はかさを突き崩し、ツケを支払わせるのが警察、いや特捜部Qの仕事だった。 神を憎んだ男は神が作りし人の愛情によりその身を滅ぼし、神の元で光を失った女はひとときの無垢な温もりにしがみつかずあるべきところへ帰した。 ユアサとローセが同じ人物なのかも?というところをあえて突っ込まずにやり過ごすのもQらしい。 アサドの過去が若干でもわかるのかと思いきやそうでもなかった。 やっぱり面白すぎて読み終わるのが惜しい作品でした。 次作も読まないと。
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上巻は乗れず、何とか読み終えたが、下巻は1日で読み終えた。映画とはほぼ違うもの。 モジュラー型とはいえ、偽装火事の話は無い方がすっきりすると思うのだが、そういうものなのだろうから、仕方がない。その意味で、別のキャラ設定(アサドやローサにあれほど謎を置く必要も疑問)をして、ストーリーをシンプルにした映画があることで、特捜部Qの世界が広がっている。
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下巻、解説にもあるが もう冒頭からノリに乗っているのである。 特捜部Qのカールとアサドは地道に調査 誘拐犯は犯行を着々と進める 問題は誘拐された、子供の母親 こちらが…大爆発している。 上巻で読んだ印象は吹き飛び、子供のために闘う。 そこから捜査チーム側につながり、犯人との攻...
下巻、解説にもあるが もう冒頭からノリに乗っているのである。 特捜部Qのカールとアサドは地道に調査 誘拐犯は犯行を着々と進める 問題は誘拐された、子供の母親 こちらが…大爆発している。 上巻で読んだ印象は吹き飛び、子供のために闘う。 そこから捜査チーム側につながり、犯人との攻防がカール達に引き継がれていく流れは怒涛でした… 解説の「メッセージボトルという小道具は"偶然"が付き纏うため危険」という話も納得、この作品では主人公カールはボトルに対して距離を置いていたし、ボトルの要素をうまく使っていた。 暗く重たいテーマ×少数チーム(イライラしてる主人公+謎の変人達)というバランス シリーズモノでよく感じる「メインの事件」と「シリーズを通して追う謎、事件」「主人公のプライベートの問題」の前作「キジ殺し」の時よりバランスがよく、違和感がなかった。 唯一にして最大の謎はユアサの件…カールもアサドも"三つ目のこぶ"には触らなかったが、これは更に闇があるということなのか?変態性なのか? 余談:インスタントコーヒーの粉を入れすぎる度、特捜部Qや他の作品のグレーンス警部などの警察小説に出てくる「泥のようなコーヒー」ってのを思い出すようになりました。誤魔化そうとして砂糖を入れすぎると"アサドがいれたコーヒー"になるのだろうか…
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シリーズ三作目。長いが相変わらず飽きさせない、定番の主人公達に、今回はローセの姉、ユアサが登場。こういったところが作者の上手いところ。一貫して描かれる弱者と宗教をテーマにして、人間の弱さと弱さに漬け込む醜い欲望を描いている。北欧の作家に共通して感じるのは登場人物の生活を丁寧に描いているところ、日本の作家には少ない。この当たりが魅かれるところだと思う。
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2019.06.07.読了 ガラスの鍵賞受賞作ということで期待が大きかった。 セルビア人の放火事件、アサドの正体、などなど最後まで不明で曖昧のまま終わってしまった。 内容はよくあるサイコパスが犯人の事件。 宗教的な周囲との繋がりや、これ以上子供たちを失わないために警察にも教...
2019.06.07.読了 ガラスの鍵賞受賞作ということで期待が大きかった。 セルビア人の放火事件、アサドの正体、などなど最後まで不明で曖昧のまま終わってしまった。 内容はよくあるサイコパスが犯人の事件。 宗教的な周囲との繋がりや、これ以上子供たちを失わないために警察にも教会にも相談しない被害者達の心理が理解できない。 作者は歪んだ聖職者やさまざまな新興宗教に対する疑問や不信を主張していると思われるが、話が色んなところに飛び過ぎて構成に無理があったと思う 長編で楽しめたので星3つ。ガラスの鍵賞がどれだけすごいのかわからないけど、内容的には星2つ。
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テーマは家族、復習、神への挑発。解説で評者は「混沌」と言っていたが、重いテーマが幾重にも重なったストーリーをうまく表していると思う。 犯人の動機を過去と現在をテンポよく行き来し、決して優秀ではないがしぶとく昔気質のカールとおとぼけアサドたちがストーリーに活気を生む。今回新登場のユアサは傍若無人な振る舞いながらもボトルメッセージの謎解きに大いに貢献し、今後のシリーズにも重要な役割を果たしそうだ。 決してハッピーエンドにはならず、重い余韻を残して終わるのもこのシリーズの特徴。 予定調和に陥らないよう今後のシリーズに期待したい。
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(上巻より) しかし、 カール刑事と変人のアサドともう一人のアシスタントのローセの姉が、 メッセージを読み解き、 手紙の主を探し出し、 続けられていた誘拐を止める。 やはりちょっとロマンティックだったかも。 アサドだけでも謎は多いのに、 姉と名乗っていたユアサはローセと同一人物と、 アシスタントは二人とも謎ばかり。 カールの苦労は絶えないが、 カウンセラーのモーナと親密になれてよかった。
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12月-2。3.5点。 下巻に入り、本筋の誘拐事件が一気に進む。 一気読み。さすがに面白い。 連続放火も一気に進む。 助手たちのキャラもクセがありながら面白く、飽きさせない。 次作も期待。
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下巻は誘拐犯と被害者&カールによる攻防で手に汗握る展開でした。絵面を思い浮かべると結構グロイ場面(ナメクジとか、ナメクジとか、ナメクジとか)もあるし、事件も陰惨だけど、特捜部Qの面々が個性的でシリアスと柔らかい場面のバランスが丁度よく、相変わらずのリーダビリティでした。今回ローセ...
下巻は誘拐犯と被害者&カールによる攻防で手に汗握る展開でした。絵面を思い浮かべると結構グロイ場面(ナメクジとか、ナメクジとか、ナメクジとか)もあるし、事件も陰惨だけど、特捜部Qの面々が個性的でシリアスと柔らかい場面のバランスが丁度よく、相変わらずのリーダビリティでした。今回ローセの新たな一面を見ることができたけど、アサドの正体も、カールとハーディが巻き込まれた事件も謎だらけ。このシリーズまだまだついていきますよ。
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シリーズ第三作目。 事件は相変わらず陰惨。 だが、特捜部Qメンバーのやり取りが楽しく、この落差がまた妙。 描写がイキイキしているものだから、読んでいて目の前に修正液付きのハエがみえてきた。 シリーズが進むに連れて、アサドがより謎めいていくというのもおもしろい。
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