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宇宙が始まる前には何があったのか? の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2023/06/21

何もないのに何かがある。見えないものがひょんなことから見えてくる。その理屈はわからないけど小さな非対称から生じる事実は目の前の世界にある。静止しないこの空間にどう切り取れば事物の発端がわかるのか、大切なのはファクトよりも探究心に宿る。私たちは知りたい、まだわからない宇宙に好奇心を...

何もないのに何かがある。見えないものがひょんなことから見えてくる。その理屈はわからないけど小さな非対称から生じる事実は目の前の世界にある。静止しないこの空間にどう切り取れば事物の発端がわかるのか、大切なのはファクトよりも探究心に宿る。私たちは知りたい、まだわからない宇宙に好奇心を抱く。神を否定する先に万物を圧倒する力は存在する。

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2023/01/26

難しい数式を省いて哲学的な問いを自身の研究とともに論じています。 現在の理論に至るまでの歴史なども学べました。

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2020/08/07

無神論的主張がくどい。神の存在とかどうでもいいだろうと思ってしまう(アメリカの社会においては重要な問題なのだろうが…)。サイモン・シンの『ビッグバン宇宙論』と比べると非常に抽象的で、難解というか掴みどころのない記述が多い。

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2019/01/03

■この宇宙は膨張している。これは観測された事実である。  ・この宇宙はビッグバンによって始まった ■「重力によって空間が曲がる」ことがアインシュタインの発見によりわかった  ・空間が曲がるとすると、この宇宙の幾何学的性質は「開いた」「閉じた」「平坦な」のいずれになるだろうか?  ...

■この宇宙は膨張している。これは観測された事実である。  ・この宇宙はビッグバンによって始まった ■「重力によって空間が曲がる」ことがアインシュタインの発見によりわかった  ・空間が曲がるとすると、この宇宙の幾何学的性質は「開いた」「閉じた」「平坦な」のいずれになるだろうか?   ・閉じた宇宙では、膨張はいずれ止まり、収縮が始まる   ・開いた宇宙では、永遠に膨張を続ける   ・平坦な宇宙は膨張は次第に減速する(が、完全には止まらない)  ・これは宇宙にどれだけの物質が含まれているかによって決まる   ・暗黒物質の存在量がわかれば、この宇宙の行く末がわかるということになった    ・「重力レンズ効果」によって銀河団の質量が測定された結果、暗黒物質の存在と、それが地球上には存在しないまったく新しいものであることがわかった    ・暗黒物質は、陽子と中性子の存在量から説明できるより10倍もの質量があるとされた    ・しかしそれでも、宇宙が平坦であるために必要な質量の30%しかまかなえない   ・よって、宇宙に存在する物質の総質量から示されるのは「開いた宇宙」論だった   ・しかし1997年、気球による宇宙背景放射の測定によって「宇宙は平坦である」ことが実証されてしまった   ・この矛盾はどう解決すればいいだろうか?    ・「物質」ではなく「空っぽの空間」に宇宙の全エネルギーの70%が含まれているに違いない     ・これは「暗黒エネルギー」と呼ばれる   ・測定により宇宙の年齢は137億2000万歳ということがわかった    ・暗黒エネルギーが存在しない限り、測定された膨張速度とこの年齢が釣り合わない    ・インフレーション宇宙論もこれを支持している    ・宇宙は「無」から生じた ここまでで第6章。「暗黒エネルギー」がなんなのかについてははっきりせず。量子力学的には「なにもない空間」であっても「量子ゆらぎ」によって何らかのエネルギーを持つことができる(ただし非常に短時間)ということは示されるが、それが「暗黒エネルギー」であるとまでは断言されていない。第7章以降はこうしたことの補足と、マルチバース宇宙論や人間原理とのかねあいの説明。

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2019/01/01

ビッグバンによって宇宙は猛スピードで広がっている、そしてその痕跡を逆算すれば宇宙がいつ誕生したかを推定できる(137億年前)。そもそもビッグバンが生じるその一瞬前は「無」であり、(矛盾するようだが)そこに何らかの『揺らぎ』が生じた、という。 私のような文系読者の限界が露呈するの...

ビッグバンによって宇宙は猛スピードで広がっている、そしてその痕跡を逆算すれば宇宙がいつ誕生したかを推定できる(137億年前)。そもそもビッグバンが生じるその一瞬前は「無」であり、(矛盾するようだが)そこに何らかの『揺らぎ』が生じた、という。 私のような文系読者の限界が露呈するのは量子力学が所与になる第4章以降。それでも興味が尽きないのは「無から宇宙が生まれた」という科学の知見が、創造主を前提とするキリスト教的世界観に与えた衝撃、および著者が遠慮なく仕掛ける論争だ。 思うに東洋哲学、とくに仏教なんかは遺伝子工学にせよこうした宇宙論にせよ「同じようなことを言っている仏典がある」といった感じでまさに融通無碍に飲み込んでしまう、というか共存してしまう。このあたり、極限まで理論を構築してしまったキリスト教神学とは全然違う、というようなことを文筆家の呉智英氏も指摘していた。 さらに面白いのは、著者自身が認めつつあるように、美しい統一理論を目指していた物理学も「たまたまこの宇宙において当てはまりのよい」ローカル科学になってしまうかも、という点。無から生じた『揺らぎ』なんてものは何らかの理論的必然ではなく、単なる偶然でしかない、と。 「神の御業」としか思えない美しい真理を追究する、という学問をつき進めることで、むしろそこから遠ざかる、という面もあるということだろうか・・・

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2018/10/29

●宇宙は無から生まれた、とはどういうことなのか。著者は、物質と反物質のわずかな非対称から生じたゆらぎが今日の宇宙を形作ったのだと説く。

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2018/10/20

原題は「無から生じた宇宙」。物質と反物質のわずかな非対称性から現在の宇宙が生まれてきたのだという。物理学の最新知見からの宇宙論。その発生からその将来まで。繰り返し宗教に対する反論を書いてあるが、創造主をいただく一神教の国でならだな。宗教に対する姿勢があいまいな日本では少しうっとお...

原題は「無から生じた宇宙」。物質と反物質のわずかな非対称性から現在の宇宙が生まれてきたのだという。物理学の最新知見からの宇宙論。その発生からその将来まで。繰り返し宗教に対する反論を書いてあるが、創造主をいただく一神教の国でならだな。宗教に対する姿勢があいまいな日本では少しうっとおしい感じがする。科学的説明があまり初心者に親切でなく分かりがたいところが多々ある。

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2018/08/02

【西村治先生】 私たちのいる宇宙はビッグバンで誕生したと考えられています。本書では何故そのような結論になるのか等、素人が読んでもわかりやすく説明されています。そして、宇宙は膨張している、重力により作り出されるレンズ、ダークマターやダークエネルギー、宇宙はいかに始まったのか?、いか...

【西村治先生】 私たちのいる宇宙はビッグバンで誕生したと考えられています。本書では何故そのような結論になるのか等、素人が読んでもわかりやすく説明されています。そして、宇宙は膨張している、重力により作り出されるレンズ、ダークマターやダークエネルギー、宇宙はいかに始まったのか?、いかに終わるのか、99パーセントの宇宙は見えない、インフレーション宇宙論、量子ゆらぎ、等々、現在わかっている宇宙についてのお話がわかりやすく書かれており、気鋭の物理学者が最先端の研究成果をもとに、宇宙の意外な姿をわかりやすく描き出してくれています。単行本も出版され、手ごろな価格で買えるようになったので、宇宙について興味があれば、ぜひ読んでみてください。

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2021/01/05

風呂で読んでる。青木先生には本当にお世話になっている。 物理学というか、むしろ物理学の哲学というか。無から有が生じても物理学的にはなにも問題がない、というよりそっちの方が自然だ、みたいな。 ドーキンス先生の解説もおもしろい。

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2017/02/19

なかなか面白かった。宇宙が無から生まれた。その無とは何もない空間のことで、それがインフレーションで拡大し平坦な宇宙が出来た。量子の揺らぎから物質が生まれた。しかし何もない空間は完全な無ではない。そこには時空が存在するが、それすらない無から空間が生み出される。つまりは無から宇宙が生...

なかなか面白かった。宇宙が無から生まれた。その無とは何もない空間のことで、それがインフレーションで拡大し平坦な宇宙が出来た。量子の揺らぎから物質が生まれた。しかし何もない空間は完全な無ではない。そこには時空が存在するが、それすらない無から空間が生み出される。つまりは無から宇宙が生まれる。何も無い事は不安定で、何かを生み出さずにはおれない。そして、宇宙はマルチバースで、たくさんの宇宙があるかもしれない。我々の宇宙の遠い未来はまた、無に戻るのかもしれない。などなど、現代の宇宙論について書かれていた。また、神が宇宙を創造した、とする神学者の考えを否定し、宇宙は無から自然に発生し、そこに人格神のようなものは必要ない、と述べていた。既存の宗教に対する批判があるようであった。とはいえ、日本人の自分からすると、無から全てが生まれた、と言う考えは仏教の色即是空とよく似ていると思うのだった。

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