かわいそうだね? の商品レビュー
「痛快!」綿矢りさを読むといつも思うけど、今作も例に漏れず。女子特有の視点。でもドロドロしたりしなくて、痛快。
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いやぁ~面白かった! 今年初めての小説で ひさびさに一気読みしたなぁ~(笑) 変幻自在の表現力で キャラクターに命を吹き込む綿矢マジックは健在! 奇妙な三角関係に揺れる1人の女性の苦悩を (妄想と言ってもいいのかな) ここまで面白く、最後まで読ませる技量はさすがという他ないで...
いやぁ~面白かった! 今年初めての小説で ひさびさに一気読みしたなぁ~(笑) 変幻自在の表現力で キャラクターに命を吹き込む綿矢マジックは健在! 奇妙な三角関係に揺れる1人の女性の苦悩を (妄想と言ってもいいのかな) ここまで面白く、最後まで読ませる技量はさすがという他ないですね(笑) (隠れた邦画の傑作「さんかく」のブラックさを楽しめた人なら、必ずハマります笑) 女性に質問します。 もし、あなたの彼氏が 元カノが家がなく困っているので その元カノを仕事が決まるまで 自分の家に住まわすと言ったら どうしますか? ゴキブリが出ても地震が起こっても、 悲鳴をあげてはいけない 「シッカリ者」という役割を宛てられた主人公の女性、樹理恵(じゅりえ)は、 アメリカ帰りで「ヒーロー肌」の彼氏、隆大(りゅうだい)の不可解な行動に仕事も手につかなくなり、 次第に心惑わされていきます。 樹理恵の恋敵で、隆大の家に居候するアキヨという元カノの だらしなくて頼りなさげなのに ズブとさ満開な(笑)KYキャラがまた、 読む者をイラっとさせると同時に どこか不気味で不安感を煽ってくれる強烈なモンスターぷり。 そして「もし大地震に巻き込まれたら…」に始まり、 「北欧風のお洒落なカフェで もしパフェのカロリーをアルバイトのウェイターに尋ねたなら…」 など、主人公・樹理恵の 妄想特急が暴走するシーンの痛々しさと可笑しさよ(笑) 自分も含めて普段から妄想家の人たちならニンマリしつつも 自分の姿をダブらせてドキッとしちゃうことでしょう(笑) 自分の正義を貫くため 彼女に無理難題を言う意味不明な男と 男と別れたくないがために 心を殺し、なんとかプライドを保とうとする女。 憐れで愚かしいそんな二人の攻防は 男の思考VS女の思考と見ることもできて、 男女どちらが読んでも 興味深いんじゃないかな。 それにしても 決して口には出さず樹理恵の脳内でだけ繰り広げられる 心の声の切実さと、 的を得た言葉のその切れ味の鋭さには ホント脱帽です(笑) 時に笑い、時に震撼し、 思いっきり共感してしまったし(汗)(°∇°;) (特に携帯メールを盗み見るシーンのリアルさと 痛快無比な怒涛のラストバトルと 後半、樹理恵が放つ含蓄深い名言の数々は特筆すべき点!) かわいそうは危険な言葉です。 かわいそうから出た行動は 人を貶め、優越感や自己満足しか生まない。 明日は我が身! 誰の中にも樹理恵や隆大やアキヨ的なモノは 存在するのかもなぁ~(汗)(・・;) 女の子同士の友情の「真理」を モテない女の子側の目線で鋭く描いた 同時収録の『亜美ちゃんは美人』も文句ナシに面白かった! (それにしても今作の綿谷さんの言葉って 、どれも確信に満ちていて名言に溢れてるし、大いに共感してしまったなぁ)
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綿谷さんの最近の恋愛小説って、アラサーの恋愛をとてもリアルに描いてて、痛いくらいというか読んでいて実際痛い。 壊すことに対する恐怖って、歳とともにやっぱりどんどん大きくなってく。 それは、男も一緒なのかな 「かわいそう」という言葉の独特な違和感。 そこに含まれる、偽善感や優越...
綿谷さんの最近の恋愛小説って、アラサーの恋愛をとてもリアルに描いてて、痛いくらいというか読んでいて実際痛い。 壊すことに対する恐怖って、歳とともにやっぱりどんどん大きくなってく。 それは、男も一緒なのかな 「かわいそう」という言葉の独特な違和感。 そこに含まれる、偽善感や優越感と、純粋な優しさと、 そういった言葉の違和感をとらえるのがうまいんだな。 不倫小説とか書いてほしいかも。もう書いてるのかな
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タイトルに惹かれて手に取ったのですが、表題作より併録の「亜美ちゃんは美人」の方が読みごたえがありました。 (「かわいそうだね?」は少し背伸びをしているように感じられたかも) 少し引っ掛かったのがp221の長野さんの反応。 その後触れられることは無かったけれど、てっきり亜美ちゃん...
タイトルに惹かれて手に取ったのですが、表題作より併録の「亜美ちゃんは美人」の方が読みごたえがありました。 (「かわいそうだね?」は少し背伸びをしているように感じられたかも) 少し引っ掛かったのがp221の長野さんの反応。 その後触れられることは無かったけれど、てっきり亜美ちゃんと…などと考えた私は無粋だったのでしょうか。
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同時収録の「亜美ちゃんは美人」が何といってもスゴイ!鋭い視点で語られる綿矢りさの”美人論”でもある。 亜美ちゃんは周囲から「美人なのにどうしてこんな人と…?」と思われるような恋愛をしている。なぜか彼女自身は相手にベタ惚れ。でもある時親友さかきちゃんはその理由に気づく。 愛され続...
同時収録の「亜美ちゃんは美人」が何といってもスゴイ!鋭い視点で語られる綿矢りさの”美人論”でもある。 亜美ちゃんは周囲から「美人なのにどうしてこんな人と…?」と思われるような恋愛をしている。なぜか彼女自身は相手にベタ惚れ。でもある時親友さかきちゃんはその理由に気づく。 愛され続けてきた人間の抱える孤独。痛い痛い。
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どうしても女性ならではの行動に対するモチベーションが判らない.瑞々しい筆致だとは思うが,既視感を感じる.
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嫌なら別れるとまで言われ、彼と元カノとの同棲を許した主人公。自分が大人になれないだけ?と自問しながらの日々を過ごすが… 綿矢りさの本は考えさせられる部分がたくさんある。かわいそう、とはどういう感情?誰かが悪かったのか?賛否あるかもしれないが、個人的には最後のシーンでなんか、すかっ...
嫌なら別れるとまで言われ、彼と元カノとの同棲を許した主人公。自分が大人になれないだけ?と自問しながらの日々を過ごすが… 綿矢りさの本は考えさせられる部分がたくさんある。かわいそう、とはどういう感情?誰かが悪かったのか?賛否あるかもしれないが、個人的には最後のシーンでなんか、すかっとした。 女の親友をテーマに切り込む「亜美ちゃんは美人」も収録。亜美ちゃんの意外な一面の描き方が最後まで飽きさせず、これまた痛快。
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最高。 「かわいそうだね?」 阪神間出身の私としては、主人公に憑依できる場面が多すぎて困った。矯正しててもあるとき外れるよね。狂いたくても本当には狂えない。何が起きても最後にはあの言葉で救われる。 「亜美ちゃんは美人」 解説にもあるとおり、美人がこの人…?と思われるような方と...
最高。 「かわいそうだね?」 阪神間出身の私としては、主人公に憑依できる場面が多すぎて困った。矯正しててもあるとき外れるよね。狂いたくても本当には狂えない。何が起きても最後にはあの言葉で救われる。 「亜美ちゃんは美人」 解説にもあるとおり、美人がこの人…?と思われるような方と結ばれる謎がやっと解けました。短編で時系列もぶわーっと進んでいくのに濃すぎずちょうど人生のリアルサイズ感が出ている。女の友情は他がどう言おうと対等なのだ。 改めて、綿谷りさの観察眼と表現力は本当に信頼できると感じる二本立てでした。満足。
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インストールぶりの綿矢りささん。 東日本大震災より前に書かれたというとこにびっくり。じゅりえがとっても大人であろうとしていて、分析しながら対面したり色々と考えてたり我慢したりとつままれる思いで読んでいたけど、ラストはほんとに痛快だった。ようやった。 亜美ちゃんは美人も面白かった。...
インストールぶりの綿矢りささん。 東日本大震災より前に書かれたというとこにびっくり。じゅりえがとっても大人であろうとしていて、分析しながら対面したり色々と考えてたり我慢したりとつままれる思いで読んでいたけど、ラストはほんとに痛快だった。ようやった。 亜美ちゃんは美人も面白かった。たぶん誰にでもある感情なんじゃないかな、亜美ちゃんが愛する理由は。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
綿矢りさは女性として真面目な恋愛者だとおもうんです、真摯な作家さんでもあるので、入り込みやすいひとたちをいっぱい作ってくれて、そのひとびとの姿がいままでよんだことがないような身近な形なので、とっても心にのこります。 「彼氏が元カノと同居」するという、わりとへんな漫画とかでは聞かないことはない、すっとんきょうな設定ながら、これだけ見につまされちゃうのが、魔力です。 …彼氏が元カノと同居、彼氏はしかし自分のことがちゃんと好きなんだという。元カノのことは「かわいそうだから仕方なく同居させている」という。 主人公は真面目なのであれこれ考え思い悩む。悶々としてそして一生懸命「思う」 「かわいそうだね?」 読者のわたしとしては「あのねえ、ないよ!!」と絶叫したくなるんだが(バイト先の後輩ちゃんのように)、まあ、たぶん同じ状況におかれたら、こうなっちゃうんじゃないかなって、思うのが魔力。 綿矢りさは、「器用じゃない」ありのままの真面目な女をもってくるのがほんとにうまい。
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