夜歩く の商品レビュー
そうだよ。同じ人間さ。今回の人殺しはまったく血も涙もないやつだ。こういう所業を勧善懲悪の正当行為だと固く信じこんでいるんだよ。犯罪というものはね、世間なみでは表現しきれないほど深い恨みを、世に叩きつけるための方便だからね。
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夜の街をうろつく殺人鬼と不可能犯罪、それらが程よい塩梅で融合している。欲を言えばもう少し娯楽に徹した部分があっても良いのではないか……と思いつつも本作は1930年の発表なので当時としてはこれが最先端だったのだろう。首無し死体のショックは相当大きかったのではないだろうか。 クライマ...
夜の街をうろつく殺人鬼と不可能犯罪、それらが程よい塩梅で融合している。欲を言えばもう少し娯楽に徹した部分があっても良いのではないか……と思いつつも本作は1930年の発表なので当時としてはこれが最先端だったのだろう。首無し死体のショックは相当大きかったのではないだろうか。 クライマックス、バンコランが見事な推理を見せる場面も快刀乱麻という具合で斬れ味がよい。
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アンリ・バンコランシリーズ第二作。カーはどうやらスロースターターだったようだ。 読了後は、冒頭の怪奇幻想的な雰囲気で惹きつけて、強引に辻褄を合わせた時の江戸川乱歩作品みたいだという感想を持った。しかし、謎解きの核を怪奇幻想譚の一部にする狙いがあるという解説を読んで納得。 この頃の怪奇>探偵の不等号が後年の不可能犯罪の巨匠という評価と乖離を生んでいるのかもしれない。
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「絞首台の謎」を読んでからようやく辿り着いた1作目である。 2作目を読んで多少慣れたのか、それとも1作目だからか、こちらの方が読みやすいと思えた。 それでもなお、表現が端々に至るまで大仰であることに変わりはないが。 さて、肝心要の内容である。 ローランとサリニー公爵の入れ替わりは早い段階で気づいたが、犯人は意表を突かれた。とはいえ、確かに消去法で考えるとその人しか居ないか。弁護士のキラールも怪しいかしらん、それともナイトクラブ店主のフェネリ? とも思ったが、種明かしを読むと合点がいく。 だが最後よ。「え、これで終わり?」となったのは私以外にも居たと思いたい。
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1930年の作品だから、トリックには?が有るけど、そのトリックを成立させるためのこじつけと言うか努力と言うか、ともかく、その当時の読者は納得してるだろうな。 アガサクリスティーの作品にも、これと同じトリックが使われた作品が有るけど、この作品の時も、それって本当にバレないものかと思...
1930年の作品だから、トリックには?が有るけど、そのトリックを成立させるためのこじつけと言うか努力と言うか、ともかく、その当時の読者は納得してるだろうな。 アガサクリスティーの作品にも、これと同じトリックが使われた作品が有るけど、この作品の時も、それって本当にバレないものかと思ったけどな。 カーの他の作品を読むかどうか悩むな~。
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神奈川県藤沢駅前のお気に入りの古本屋さん「太虚堂書店」さんの110万円棚で購入。 高校生の時に挫折した記憶があったので再読。首無し死体、密室殺人、不可能犯罪。怪奇色はあまりなく、むしろ子どもには理解できない大人向けのプロット。論理というよりも雰囲気重視の推理小説。探偵が得意そう...
神奈川県藤沢駅前のお気に入りの古本屋さん「太虚堂書店」さんの110万円棚で購入。 高校生の時に挫折した記憶があったので再読。首無し死体、密室殺人、不可能犯罪。怪奇色はあまりなく、むしろ子どもには理解できない大人向けのプロット。論理というよりも雰囲気重視の推理小説。探偵が得意そうに犯人を当てる大団円はかっこいいです。お暇だったらお読みください。
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アンリ・バンコランの第一作です。パリ警視庁の全権を握る予審判事で「私はしてやられたためしなどないし、どんな事件であれ全容解明に二十四時間以上かかったためしもない」などとのたまうオレ様です。結婚式の夜に殺された新郎、その犯人は「人狼」なのか。目の前で起こされた事件解明に、怪奇の街パ...
アンリ・バンコランの第一作です。パリ警視庁の全権を握る予審判事で「私はしてやられたためしなどないし、どんな事件であれ全容解明に二十四時間以上かかったためしもない」などとのたまうオレ様です。結婚式の夜に殺された新郎、その犯人は「人狼」なのか。目の前で起こされた事件解明に、怪奇の街パリとヴェルサイユを駆け抜けます。語り手は米国人ジェフ・マールで、ラブコメもあります。古色怪奇小説の雰囲気を醸し出す新訳は素晴らしい。雰囲気よしプロットよし! 叶うなればアニメ化かコミカライズを希望したい、良作です。(1930年)
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ディクスン・カーを読んでないなあと思い、デビュー作を読んでみた。密室物の第一人者ということだが、殺された者は、賭けごとをやる部屋で、その者1人が入ったのみの目撃。犯人とおぼしき者の目撃は無い。そのトリックをバンコラン予審判事が解明。 殺された公爵、新婚の妻、妻の前の夫、公爵の友...
ディクスン・カーを読んでないなあと思い、デビュー作を読んでみた。密室物の第一人者ということだが、殺された者は、賭けごとをやる部屋で、その者1人が入ったのみの目撃。犯人とおぼしき者の目撃は無い。そのトリックをバンコラン予審判事が解明。 殺された公爵、新婚の妻、妻の前の夫、公爵の友人、その恋人? などが殺人をめぐる人間関係。あくまで謎解きが主で人間関係は添え物みたいな感じがする。それなりに人間関係は描きようによってはおもしろくなりそうだが、ちょっと合わなかった。そういえば公爵は密室で首がころがっていたのだった。そうかんたんに首が切れるかねえ、とも思ったが、あくまでトリックを楽しむものなのだろう。 1930年発表 読んだのは旧版 井上一夫訳 1976.7.23初版 1982.3.19第12版 図書館
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1930年作。作者最初の長編。 昨年から横溝正史にはまり、いろいろ読む中で、1950年くらいまでの金田一耕助の初期の傑作群やさらに前の『真珠郎』(1937)辺りの、怪奇趣味の色濃い、情感の強いものが好きだなと思い、この横溝正史や江戸川乱歩に非常に影響を与えたのがディクスン・カ...
1930年作。作者最初の長編。 昨年から横溝正史にはまり、いろいろ読む中で、1950年くらいまでの金田一耕助の初期の傑作群やさらに前の『真珠郎』(1937)辺りの、怪奇趣味の色濃い、情感の強いものが好きだなと思い、この横溝正史や江戸川乱歩に非常に影響を与えたのがディクスン・カーであることに改めて思い至った。カーは中学か高校の頃に3冊ばかり読んでいて、あまり好きな作家ではなく記憶もほぼ全く残っていない。たぶん、読みづらかったのだろうと思う。 この『夜歩く』は再読だが、同じ創元推理文庫の、2013年に出た新訳版である。しかし、読んでみると訳文はことさらに古めかしく難しい単語が多いし、現在の若い読者には読みにくいのではないかと思った。 たぶん原文も読みにくいものなのだろう。現在の日本のエンタメ小説とはかけ離れて描写が多い。意外にも文学的な妙に雅びた表現が頻繁に出てくる。が、どうやら文章はあまり巧くなくて、語る順序がおかしく話が前後してしまっており、それで分かりにくくなっている面もある。 文体、雰囲気、物語内容など、アガサ・クリスティのちょっと上品な、高級なお菓子のような世界とは全然異なっているのが面白い。 本書では「生首」「人狼」といったおどろおどろしいオブジェクトが登場し、なるほどこれはそのまま横溝正史に引き継がれているなと思った。しかし横溝正史の初期作品の方が情動性が濃い。本作は怪奇な要素が散りばめられていても、怪奇小説としての継続性・発展性が薄く、「人狼」のモティーフの方は、全然展開されないのが惜しく感じた。 しかし本作は処女長編である。もう少しカーの作品を読んでみて、怪奇-推理小説の様態の源流を探ってみたいと考えている。
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作者名は著名だが作品名はそうでもない著者の出世作 書かれた当時と背景では意義があったのだろうし 今に作者の名が伝わるのだから評価がなされたのだろうが 現在に果たして価値あるのか首をかしげる作品 江戸川乱歩にこれといった代表作がないのと似たような感じなのだろうか 二銭銅貨のような作...
作者名は著名だが作品名はそうでもない著者の出世作 書かれた当時と背景では意義があったのだろうし 今に作者の名が伝わるのだから評価がなされたのだろうが 現在に果たして価値あるのか首をかしげる作品 江戸川乱歩にこれといった代表作がないのと似たような感じなのだろうか 二銭銅貨のような作品もないようだが
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