雪男は向こうからやって来た の商品レビュー
UMAのなかでも実在する可能性の高いもののひとつが雪男らしい。とはいっても、体長3メートルもあるような巨大な生物で、牛や鹿を襲って食うような怪物ではなく、人間の成人より身長は低い150センチくらいの猿(猿人?)の一種。なんらかの理由で高地の雪山で生活するようになったんじゃなかろ...
UMAのなかでも実在する可能性の高いもののひとつが雪男らしい。とはいっても、体長3メートルもあるような巨大な生物で、牛や鹿を襲って食うような怪物ではなく、人間の成人より身長は低い150センチくらいの猿(猿人?)の一種。なんらかの理由で高地の雪山で生活するようになったんじゃなかろうか、と専門家?は見ている。 はじめにお答えしましょう。雪男はやってきません。 しかしながら、なんだ、つまんねえ、やっぱりいないんじゃねえか、期待させやがって、けっ! とはなりません。 雪男に魅了された人々の体験記として読むと、それはそれは面白い。 著者は半信半疑のまま雪男捜索隊に参加する。しかし雪男をみたという証言が多いことに加え、著名な登山家の中にも雪男を見たという人が多いことで、次第に雪男の存在を信じ始める。 鹿や熊の見間違いじゃないのか。白銀の世界で目がやられ、岩が動いて見えただけじゃないか。 ヒマラヤに足を踏み入れてことのない素人は様々な要因を挙げては雪男の存在を否定する。 確かにそのようなこともある。そして初期の探検家が雪男の足跡などを偽造したりもしたので、どうせまた嘘だろうと思われるのは無理もない。 例えば、類人猿の専門家に雪山でチンパンジーのような猿が二足歩行するように進化したとは考えられないですか?と著者は質問する。 専門家は一刀両断。最初の人類が二足歩行するようになったのは平地であったためで、雪山のような斜面での生活で四足歩行を放棄するとは到底あり得ない。 ふむふむ。常識的にはそうなんだろう。 しかし、いるとしか言えない(徳川埋蔵金かっ!) 面白かったのは、現地の人々は雪男を探しに来たというと、金づるがきたとした思っていなくて、明らかにそんなものはいるわけない、と考えていること。金にならないとわかると、鼻で笑って否定する。 著者はこの状況を日本人にもわかりやすいようにこう説明する。 フランスの探検家が霞ヶ浦に河童を探しにきたら、地元の人はどう思うだろう。 一笑に付すのは簡単だが、なぜそう思うのか、それを想起させる何かがあったのか、よくよく聞いてみるのは面白いし、新事実に突き当たるかもしれない。 そんな感じで読むといい。
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雪男を追っている本かと思いきや、雪男を追っている男たちを追っている本であった。 中学生や高校生のころであれば、「結局、雪男はいるのか、いないのか、はっきり」と思っただろうが、今は全くそうは思わない。むしろこういった雪男を見た人物たちに興味がある。それは自分自身が登山をかじったりして、登場人物の幾人かを本・雑誌で読み知っているというのもかんけいしているかな。
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雪男を探しに行ってどうなった!? というより雪男という存在に魅せられた人々のはなし。 著者の雪男に対しての一歩引いた視点がまたいい。
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初・角幡唯介。「冒険」という行動と、対照的に妙に冷めた視点が面白い。そういう感想のまま読み進めていたら、鈴木紀夫のところで急に『最後の冒険家』を思い出してしまって、凹んだ。何なんでしょうねあの人種…奥さんどう思ってるんだろう… 日本の雪男伝説はどうなってるのか気になったりする、面...
初・角幡唯介。「冒険」という行動と、対照的に妙に冷めた視点が面白い。そういう感想のまま読み進めていたら、鈴木紀夫のところで急に『最後の冒険家』を思い出してしまって、凹んだ。何なんでしょうねあの人種…奥さんどう思ってるんだろう… 日本の雪男伝説はどうなってるのか気になったりする、面白い本でした。
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早稲田探検部出身でUMA探しで思い浮かぶのは高野秀行氏ですが、本著はヤルツァンポ峡谷の空白の5マイルを踏破した角幡唯介氏。 フィリピン・ルバング島で旧日本兵小野田少尉を発見して、一躍時の人となり、その後ヒマラヤ・ダウラギリ山域で6回の雪男捜索を行い、雪崩で亡くなった鈴木紀夫氏や、日本有数の登山家で、雪男を目撃した芳野満彦氏など、雪男という存在はそれを目撃した人を引き付けてやまないらしい。著者自身イエティー・プロジェクトに半信半疑ながら参加し、だんだんと雪男捜索の魅力に引き付けられていっていますが、これは雪男に限らず、UMA全般や伝説的なもの一般に当てはまる事かも。 いかにもキワモノ的になりそうなテーマですが、そうではなく、むしろそれに惹かれる人々に焦点を当てた、非常に出色のルポルタージュ。比較的最近読んだ中では一番よいかも。お薦めの一冊。
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雪男は本当にいるのか、いないのか、ということよりも雪男に魅せられた人たちの話が面白かったり悲しかったり。
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著者は早大探検部出身で元新聞記者だ。さすがにジャーナリストだけあってか荒唐無稽なものに対して少し醒めた思いで向き合っているところがとてもよいと思った。 新田次郎文学賞を受賞しているが、文章が非常にうまく、また、単なる冒険記ではなく、入念な取材がなされていて作品としての深みを感じた...
著者は早大探検部出身で元新聞記者だ。さすがにジャーナリストだけあってか荒唐無稽なものに対して少し醒めた思いで向き合っているところがとてもよいと思った。 新田次郎文学賞を受賞しているが、文章が非常にうまく、また、単なる冒険記ではなく、入念な取材がなされていて作品としての深みを感じた。有名な登山家を目撃していたという話にはとても興味を覚えた。
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ちょっと時間も出来たし気楽にUMAモノでも…とか思いつつ「ムー」読むような気分で手に取ったが、いる、いないをジャーナリスト的目線で公平に判断してて、眉唾感が無く面白かった。個人的には毛でも採取してDNA解析したら良いのにと思ったけど。
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雪男とタイトルに書かれているので、色物もしくは眉唾を期待して読み始めたが、その期待は裏切られます。 雪男をテーマにしていますが、その存在確認よりも、もっと深いところにこの本の書きたいものがあるのです。
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