雪男は向こうからやって来た の商品レビュー
角幡さんの処女作。 『空白の5マイル』を始めとするこれ以降の著作が「角幡唯介を読んでいる!」という印象を与えるものが多いのに対し、「雪男捜索という出来事とそれにまつわる人々」が前面に出ているように感じられる。角幡さん自身があとがきでも言っているように、その辺りがジャーナリストの立...
角幡さんの処女作。 『空白の5マイル』を始めとするこれ以降の著作が「角幡唯介を読んでいる!」という印象を与えるものが多いのに対し、「雪男捜索という出来事とそれにまつわる人々」が前面に出ているように感じられる。角幡さん自身があとがきでも言っているように、その辺りがジャーナリストの立場で書いたことの効果なのだろうと思う。何というか、レンズ一枚隔てた向こうの話を聞いているような感じ。『アグルーカの行方』にも近いような感じがした。 結局、雪男の実在は(もちろん)この本では明らかにされることはないのだけれど、実在を証明しようとすると、あるいは、実在を実感してしまうと後戻りできない道に踏み込んでしまうというあたり、ちょっと神学っぽいところがあるなぁ、と思った。
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ムー的な話ではなく、きちんと事実に基づいて 書かれた雪男調査隊の真面目なお話。 子供の頃頭に植え付けられた、身長3mもある恐怖の雪男、 という要素がまったくないので、そういうのを期待した人は この本ではなく、黙ってムーを読んで下さい。 にしても、田部井淳子さんも動く何かを見て...
ムー的な話ではなく、きちんと事実に基づいて 書かれた雪男調査隊の真面目なお話。 子供の頃頭に植え付けられた、身長3mもある恐怖の雪男、 という要素がまったくないので、そういうのを期待した人は この本ではなく、黙ってムーを読んで下さい。 にしても、田部井淳子さんも動く何かを見ていたとは これにはビックリ。 読んでると、ホントにいそうな気がするが...。
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雪男のことを真面目に書いたのは、この本が初めてじゃないだろうか。 日本の雪男探索史を整理した良書。おもしろかった。
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彼の文章が好きなせいで、作品全てにいいスコアを付けたくなる。この作品もあえて3点(小数点の付け方が分からない、というか出来ないかもしれないけど)を付けたが、3、5以上の評価ではある。でも四捨五入しちゃうと大体の作品が4以上になっちゃうんで、この点数の評価とした。減点、というか点数...
彼の文章が好きなせいで、作品全てにいいスコアを付けたくなる。この作品もあえて3点(小数点の付け方が分からない、というか出来ないかもしれないけど)を付けたが、3、5以上の評価ではある。でも四捨五入しちゃうと大体の作品が4以上になっちゃうんで、この点数の評価とした。減点、というか点数を下げた理由は単にテーマがあまり好きじゃない、ということだけ。でも、作品としては面白いのは間違いないと思う。
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読んで何となく違和感があったのは、タイトルから想像するに、雪男捜索の探検記だと思い込んで読み始めたせいだったみたい。作者のあとがきを読んで納得がいった。
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結局のところ、信じるか信じないかによって、物事の見え方というのは大きく左右されて、時にはその人の人生すらも変えてしまうのだなと。 自分も同じ境遇にいたら信じてしまうのだろうか?いや、信じられる側の人でありたい。
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三浦しおんさんの解説が本書の性格を端的に表している。実は「雪男」的なものは世の中には結構あって、いつ自分がそれに絡め取られていくかは分からない。 それ故に、高学歴のエリートと評していいような人でもオウムにはまったりしてしまう。そこまでいかなくても、ちょっとしたオタク的な趣味にハ...
三浦しおんさんの解説が本書の性格を端的に表している。実は「雪男」的なものは世の中には結構あって、いつ自分がそれに絡め取られていくかは分からない。 それ故に、高学歴のエリートと評していいような人でもオウムにはまったりしてしまう。そこまでいかなくても、ちょっとしたオタク的な趣味にハマるのもそれに近い事なのかもしれない。 作者は一貫して冷静であろうと努めるが、それでも時折、それに絡め取られそうになる。それがまたなんとも人間的でいい。題名に込められた思いを考えると深いものを感じる。
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早大探検部の先輩である高野秀行とは違い、未確認生物に懐疑的だった著者。ツアンポー峡谷を探検する前に、新聞記者の職を投げ打った不安定な立場で偶然にであった雪男捜索隊への誘いという切っ掛け。それが適当に距離を置いてリポートでする視座を得たのかもしれない。しかし、それによって雪男を目撃...
早大探検部の先輩である高野秀行とは違い、未確認生物に懐疑的だった著者。ツアンポー峡谷を探検する前に、新聞記者の職を投げ打った不安定な立場で偶然にであった雪男捜索隊への誘いという切っ掛け。それが適当に距離を置いてリポートでする視座を得たのかもしれない。しかし、それによって雪男を目撃する幸運に恵まれなかった……それが本書のタイトルとなった深い意味に繋がる。映像に収めようと意図しても、露出オーバーだったり、濃霧に阻まれたり。さて、雪男は実在するのか? 21世紀の現代でも謎なのだ!
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雪男、と聴くと、オカルトな分野のUMA(未確認生物)を思い起こすひとは多と思います。巨漢で白い毛で黒い顔で牙が生えて、ウワーっと両手を振り上げてこっちに襲いかからんとするイメージはないですか。ヒマラヤなど多くの山を制覇したなだたる登山家たちが、実は雪男を見ていたり遭遇したり、足跡...
雪男、と聴くと、オカルトな分野のUMA(未確認生物)を思い起こすひとは多と思います。巨漢で白い毛で黒い顔で牙が生えて、ウワーっと両手を振り上げてこっちに襲いかからんとするイメージはないですか。ヒマラヤなど多くの山を制覇したなだたる登山家たちが、実は雪男を見ていたり遭遇したり、足跡を発見していたりしていたことが、本書で明らかになります。体験談が、その登山家の格を落としたり、登山話を聞く者、読む者を興ざめに追いこんだりしないためのように、ほんのちょっとだけだとか、そっとだとか語られたことがあるような雪男話が、彼ら登山家の、知る人ぞ知るサイドストーリーとしてありました。著者は青天の霹靂といった体で、雪男捜索隊の隊員になるよう頼まれ、雪男に魅入られた、個性豊かな山男たちに随行して、ヒマラヤのコーナボン谷を訪れる。はたして、雪男の痕跡、そして雪男そのものは見つかるのか。解説の三浦しをんさんが述べられているように、なにかに人生を賭けるようになることは、それが雪男だったにせよ、幸せなことかもしれないです。著者自身は、なにかに夢中になることと雪男に夢中になることをいっしょくたにせずに、「雪男に捉われてしまうなんて……」という反応でもって本書を書いていたりする。しかし、ぼくも三浦しをんさんといっしょで、それでいいんだ、と思うほうです。価値観や考え方、もっといえば正義だっていろいろあって、そのどれが真理かなんて、なかなか言えないと思うのです。
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空白の5マイルに続き2作目。個人的にUMAには大変興味があるが、雪男はいないと思う。 雪男は実在する を前提にしていないため、説得力はある。
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