波紋と螺旋とフィボナッチ の商品レビュー
1 育てよカメ、でもどうやって!? 2 白亜紀からの挑戦状 3 シマウマよ、汝はなにゆえにシマシマなのだ? 4 シマウマよ、汝はなにゆえにシマシマなのだ?(解決編) 5 吾輩はキリンである模様はひび割れている 6 反応拡散的合コン必勝法 7 アメーバはらせん階段を上ってナメクジに...
1 育てよカメ、でもどうやって!? 2 白亜紀からの挑戦状 3 シマウマよ、汝はなにゆえにシマシマなのだ? 4 シマウマよ、汝はなにゆえにシマシマなのだ?(解決編) 5 吾輩はキリンである模様はひび割れている 6 反応拡散的合コン必勝法 7 アメーバはらせん階段を上ってナメクジに進化する? 8 すべての植物をフィボナッチの呪いから救い出す 9 宝の地図編 10 お宝への旅編
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いつも本棚を参考にさせていただいている方のレビューで俄然興味を持った本書。 う~む、タイトルからしていかにも私の好きそうな分野!いやいや、理系は全く駄目なのだけれど(汗)いわゆる「非線形科学」というやつが大好き。そこへ、またまた知識不足なくせに興味大いにアリの生命科学が絡んでくる...
いつも本棚を参考にさせていただいている方のレビューで俄然興味を持った本書。 う~む、タイトルからしていかにも私の好きそうな分野!いやいや、理系は全く駄目なのだけれど(汗)いわゆる「非線形科学」というやつが大好き。そこへ、またまた知識不足なくせに興味大いにアリの生命科学が絡んでくるとなれば、これは読まずしてどうする!と期待に胸ふくらませて読んだ。 期待にたがわず、おお~なるほど、いや~面白い!というワクワクの連続。 らせんのなぞ解き(ここでもまた例の粘菌が登場!いやはや、あっちでもこっちでも取り上げられる粘菌てやっぱりすごいな~と変なところに感心)、亀の甲羅の成長、シマウマなど皮膚模様のある生物のその模様の形成の仕組み(Turing波)、フィボナッチ数についてなどなど、どれもこれも面白くて面白くて一気に読了。 少し長めの4つのコラムも、生物学に絶大な影響を与えたメンデルの秘密、著者の専門分野であるチューリング波を提唱したチューリングについて、ジンクピリチオン効果(メリットシャンプーといえばコレ!何のことかよくわかってなかったよね~、ジンクピリチオン配合って)、みのもんたと科学の客観性など、非常に興味深いネタ満載で、著者自身も気にかけていたやや過剰とも思える(!)軽いノリの文章も、無視できるくらい楽しめた。 ただ何しろ数学がダメなので、途中理論の説明のために若干数学的内容が数式を伴って出てきて、どうにもそのあたり私の数学力では少々手こずったのだけれど。 でもそれを差し引いても、非常に楽しく、わくわくと楽しみながら読める本。 数学が苦手でも生き物好きならぜひお試しを。
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著者は大阪大学大学院生命機能研究科の教授で生物分野における数理モデル研究で実績のある方です。 本書はその著者が月刊誌「細胞工学」に連載した記事の中からいくつか選んで加筆修正したものに、書き下ろしを追加して作られた本です。 元が専門誌に連載された記事だからと言って難しい内容だと言...
著者は大阪大学大学院生命機能研究科の教授で生物分野における数理モデル研究で実績のある方です。 本書はその著者が月刊誌「細胞工学」に連載した記事の中からいくつか選んで加筆修正したものに、書き下ろしを追加して作られた本です。 元が専門誌に連載された記事だからと言って難しい内容だと言う事は無く、私の様な素人にも気楽に読めました。 構成は全10章からなるのですが、 ・アンモナイトはなぜあの様な形になったのか? ・シマウマにはなぜあんな模様があるのか? ・人間の指紋ってどうしてあんな模様になるのか? ・単細胞生物である粘菌は、時に多細胞生物みたいな複雑な振る舞いを見せる事があるが、これはどの様に行われるのか? 等のテーマが取り上げられています。 それぞれに従来目にする様な説明よりも踏み込んだ考察があり、なるほどと言った内容となっています。 基本的にこれらの「なるほど」は数理モデル、つまり生物を数学を通して理解しようと言う考え方に基づいているのですが、しかしだからと言って決して込み入った内容と言う訳ではなく、本書内に極少数ある数式も読み飛ばして何となくこんな感じなのだと言うイメージを掴むだけで一切差支えが無い物となっています。 本書内で一番込み入っている所を挙げるすれば、8章の後半部分、植物の葉の付き方を解説している箇所でしょうか。 この箇所では、上の葉が下の葉に重ならない様についている様子を、なぜこの様に葉が付くのか?と言う点について黄金比やフィボナッチ数列などに絡ませながら解説しています。 本書の他の部分と比べてちょっとだけ込み入った感じですが、ゆっくりと読み進めれば雰囲気だけでも味わえるかと思います。 尚、以前読んだ「数学で生命の謎を解く」(イアン・スチュアート/著)によれば、今まで物理学とタッグを組んで発展してきた数学は今後生物学とタッグを組んで発展していくとの事。 となれば、本書で書かれている様な事が今後の生物学研究において主流となっていくかも知れません。 生物学の未来ってどんな感じ?、生物の数理モデルって聞いた事があるけど一体何なの?等の疑問をお持ちの方にお勧めです。
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語呂のよいタイトルである。 しかし意味のわからないタイトルとも言える。 なんだこの無闇と画数の多い漢字の羅列と「ふぃぼなっち」って・・・? そう思う人も機会があったら手に取ってみてほしい。 本書は、とても楽しい、数理と生物の本だ。 生物の形はどうやってきまり、模様はどのようにし...
語呂のよいタイトルである。 しかし意味のわからないタイトルとも言える。 なんだこの無闇と画数の多い漢字の羅列と「ふぃぼなっち」って・・・? そう思う人も機会があったら手に取ってみてほしい。 本書は、とても楽しい、数理と生物の本だ。 生物の形はどうやってきまり、模様はどのようにしてできるのだろうか?というのがこの本の主題である。 おとうさん、おかあさん、シマウマはなぜ縞があるか?とお子さんに聞かれて困ったことはありませんか? 通常、シマウマの模様はサバンナで迷彩色の役目をする、と言われる。でもそれって本当だろうか? 鮮明な白黒は、実際にサバンナで目にすると、相当目立つという証言もある。 ではなぜ、シマウマはシマシマなのか? この本を読めば、答えがわかる、とまでは言わないが、少なくとも1つの仮説が提示され、その仮説はかなり説得力がある。 全般にくだけた口調だが(そしてこれが鼻につく人は多分、ある程度いるだろうな、というのが少々心配なのだが)、解説される内容はかなり高度だ。高度だけれどもわかりやすいのが本書の美点である。 シマウマの縞は、本書タイトルの最初の「波紋」の一例である。生物の模様にある、縞も、斑点も、できる原理は同じであり、簡単にいえば、活性化因子と抑制因子のせめぎ合いである。元々これを考え出したのは、人工頭脳の父と言われるチューリングであり、この現象は、彼の名を冠して「チューリング波」と呼ばれる。長年実在が疑問視されてきたチューリング波の働きを、タテジマキンチャクダイで示したのが本書の著者なのだ(Science 10 February 2012: Vol. 335 no. 6069 p. 677)。 「螺旋」の例は、貝やアンモナイトの渦巻き、亀の甲羅、そして細胞性粘菌の移動体。著者の手に掛かると、一見まったく違うものが、同じ原理が少しだけ形を変えたものだということが見えてくる。 異常巻アンモナイトの話は非常におもしろい。 「フィボナッチ」は、フィボナッチ数列(1つ前と2つ前の数字を足していく数列:例えば1、1、2、3、5、8、13・・・)である。植物の葉の付き方やらヒマワリのタネの並び方など、実は自然界に多いといわれる。 黄金比とも深い関わりがあるこの数列は、いささか神秘的な感じがするところから、フィボナッチ投資やらフィボナッチ馬券学(「学」・・・?)やら、怪しげなものまで存在する。さて、その真実は・・・? 挿入されるコラムも、チューリングが悲劇の天才であったことや、偉大だったのになかなか注目されなかったメンデルの業績の秘密など、これまでとは違う視点が提示されて興味深い。 著者が数理生物学にたどり着くまでの若き日の武勇伝もまた楽しい。 こんなに笑えるのにこんなに感心させられる生物の本はそうそうない。 借りて読んだが、買おうと思っている。 *http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/skondo/ 著者研究室HP 本書に関連するページもあり、おもしろいです。 *個人的には(いくつか漫画ネタがわからなかったことを除き)、とてもツボにはまった。万人に5つ星の本ではないと思うが、これに5つ星をつけずどうするか!?というくらいおもしろかった。「自然が創り出す美しいパターン」三部作にもう一度トライしようかと思うほど。 『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』を楽しく読めた人も、『かたち: 自然が創り出す美しいパターン』にいまいち挫折してしまった人も(どちらも自分だったり(^^;))、お薦めです。
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生物の形態や模様にフィボナッチ数をはじめとする数式が隠されているよという内容。 最初期の生命が結晶化の過程から生まれたのは間違いなく、それがここまで複雑化した生命の形態にも同じルールが適用されているのは興味深い。 たいへんおもしろかった。
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なかなか文系の私には計算式は苦手でアレルギー反応おこしちゃうけど(^^;)螺旋状の説明は面白かった。読みやすいと思います。全体的に軽め。
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数学者のチューリングが生物の表面に模様が形成されるモデルを反応拡散方程式で示していたことを初めて知った。それをタテジマキンチャクダイで実験し確認したのが本書の著者ということでまた吃驚。方程式を用いたシュミレーションで動物の縞模様や斑点模様が見事に再現されることに感心し、同じ基本方...
数学者のチューリングが生物の表面に模様が形成されるモデルを反応拡散方程式で示していたことを初めて知った。それをタテジマキンチャクダイで実験し確認したのが本書の著者ということでまた吃驚。方程式を用いたシュミレーションで動物の縞模様や斑点模様が見事に再現されることに感心し、同じ基本方針で、植物の花弁や種や葉が形成する螺旋と螺旋の数がフィボナッチ数になることに関してもモデリングしてしまう手法に再度感心した。生物の体表面の縞模様や斑点模様が、偶然ではなく必然だったと納得させられる一冊。理系の学生に読んでもらいたい。
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脳研究者・池谷裕二さんが、「読売新聞」(2013年10月13日付朝刊)で紹介しています。 (2013年10月13日) Amazonに注文しました。 (2014年1月24日) 届きました。 おっと左開き、横組みでした。 (2014年1月27日) 読み始めました。 (2014年...
脳研究者・池谷裕二さんが、「読売新聞」(2013年10月13日付朝刊)で紹介しています。 (2013年10月13日) Amazonに注文しました。 (2014年1月24日) 届きました。 おっと左開き、横組みでした。 (2014年1月27日) 読み始めました。 (2014年2月27日) この語り口、いいですね。 これを書いた人は、ものすごく面白い人だろうな。 (2014年3月4日) いやあ、恐れ入りました。 読まなきゃ、ソン。 科学の本で、普通、爆笑するなんてこと、 ありませんよね。 この本では、爆笑(複数回)しました。 (2014年3月7日)
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