波紋と螺旋とフィボナッチ の商品レビュー
本著も面白いが、続編の『いきもののカタチ』を先に読み、内容が重複していた事や、寧ろ続編の方が面白いというか、説明が上手くなっている気がする。それと、タイトルが小難しい感じがするが、内容は努めてくだけた口調で分かりやすくされているので、そのギャップは勿体ない。もっと、手に取りやすい...
本著も面白いが、続編の『いきもののカタチ』を先に読み、内容が重複していた事や、寧ろ続編の方が面白いというか、説明が上手くなっている気がする。それと、タイトルが小難しい感じがするが、内容は努めてくだけた口調で分かりやすくされているので、そのギャップは勿体ない。もっと、手に取りやすいタイトルにすれば良いのに。 波紋や螺旋。規則性のある生き物の模様や造形の話が本著の中身ではある。その規則の一つにフィボナッチ数列が使われているのだと。フィボナッチ数列とは、1.1.2.3.5…のように一つ前の数字を足していく数列。巻貝の螺旋やひまわりの花、松ぼっくりなどに、その数列が見出される。難しい話のようだが、著者の語り口はあくまでも素人向けで分かりやすく、合コンの話やドラクエの話や、まあ、そういう雰囲気の本である。しかし、自然界の法則を見抜く神秘もあり、胸熱な中身であり、つまり、科学者にしき許されぬような楽しみを一般人に道案内してくれるような良書。 一つだけ残念なのは、何故か、が曖昧な事。事実を見て、法則がある事を解明したのは良いが、何故、その法則があるのか。植物の葉は、フィボナッチにより均等にバラけて光合成に有利だから。でも、作者が言う通り、本当にそれが一番有利?太陽光が真上からなら当てはまるが、そうではないよね、と。隙間なく、効率を求めて配列すると、自ずとそうなるというのが答え。しかも、厳密には完全にフィボナッチではないらしい。 生き物は人間の都合で成り立っていない。数学の美しさなど、人間の自己満足でしかないのかも知れない。
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数理生物学は門外漢の分野でしたが、ユーモア溢れる筆致で楽しく学べました。「お宝への旅編」は、著者の実体験が情緒豊かに語られており胸熱です。 学問のみならず、常識に捉われずに信念を持って取り組むことの力強さは勇気づけられますね。
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反応拡散って面白いですね。世の中にいろいろありそう。 著者のスタンスは日頃のビジネスにも通じる話であり、とても知的な刺激を受けた
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数理生物学に興味を持ち、この本を手に取りました。 数式に頼らずイラストや写真を使用して分かりやすく書かれており、入門にぴったりの内容でした。
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亀の甲羅は、円錐の底に円盤を付け加えることによって大きくなる。巻貝、二枚貝は、付け加える円盤を斜めにしたり、回転することによって、巻いたり、らせん形になったりする。 島や斑点の模様は、異なる色素細胞が近距離では相互排除し、等距離では生存を促進する仕組みでつくられ、チューリング波...
亀の甲羅は、円錐の底に円盤を付け加えることによって大きくなる。巻貝、二枚貝は、付け加える円盤を斜めにしたり、回転することによって、巻いたり、らせん形になったりする。 島や斑点の模様は、異なる色素細胞が近距離では相互排除し、等距離では生存を促進する仕組みでつくられ、チューリング波の原理で説明できる。 キリンのまだら、カエデの葉の裂けは、成長過程のひび割れでできる。 指紋は汗腺のある部分が隆起して連なったもので、指の関節側と爪側から波が広がることによってできる。 粘菌は、凹んで結合力の強い場所に細胞が移動することによって、その波がらせん転移し、塔をつくったり、移動体になったりする。 植物の葉は、葉の原基に働くオーキシンが新しい葉の原基に阻害的に働くことによって、一定の間隔で出てくる。古い原基からの阻害効果が1/αとすると、αは黄金比となり、137.5度で回転する。
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最高でした。語り口もとても面白いだけでなく、理論的考察も分かりやすく書かれていてなるほど、ほんまか?と思わせてくれる素直さがあります。読んでいてとてもわくわくしました!
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前から興味のあった数理生物の分野の本。 数学がそれほど得意ではない私でもスッと読むことができた。 ところどころに挟まっているコラムもたいへん興味深く、もっと大学時代本腰入れて研究しておくべきだったなと後悔。 チューニング波などおそらく自分ひとりでは勉強しないだろう分野なのでもう少...
前から興味のあった数理生物の分野の本。 数学がそれほど得意ではない私でもスッと読むことができた。 ところどころに挟まっているコラムもたいへん興味深く、もっと大学時代本腰入れて研究しておくべきだったなと後悔。 チューニング波などおそらく自分ひとりでは勉強しないだろう分野なのでもう少し自分でも勉強してみようと思った。 まだまだ知識が足りない!!!
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「魚の模様は動く?」「シマウマが縞模様である本当の理由って?」 生物の形や模様が決まる神秘のメカニズムを解き明かす! 直観的でわかりやすい、と好評だった雑誌連載に書き下ろしを収録して単行本化! 著者ならではのユーモア満載の語り口で初学者でもスラスラ読める1冊。 「Amazon...
「魚の模様は動く?」「シマウマが縞模様である本当の理由って?」 生物の形や模様が決まる神秘のメカニズムを解き明かす! 直観的でわかりやすい、と好評だった雑誌連載に書き下ろしを収録して単行本化! 著者ならではのユーモア満載の語り口で初学者でもスラスラ読める1冊。 「Amazon内容紹介」より抜粋 ブクログでフォローさせていただいている方のレビューを見て読んでみました.正解.興奮. 生物の神秘を鮮やかに面白く説き明かしてくれる.少し数式が出てくるけど、まぁ、分からなくても大丈夫.その意味するところはきちんとことばで説明してある. 知らなかったよ、Turing.
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一般向けにここまで「くだけた」書き方をしないほうが読みやすいのでは. さておき,チューリングパターンの熱帯魚上での実証結果をNatureに投稿する最後の2章は必読.興奮する.
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著者のことは知らなかったが、タイトルが面白そうだし、「はじめに」で、中学程度の数学⚫理科で分かる、と書いてあるので、ならば私にも分かるかも!と期待して読んだ。 若者相手の講義で鍛えた、人を飽きさせない工夫と、パンチの効いた文章が面白く、どうにか最後まで読めた。 しかし、フィボナッ...
著者のことは知らなかったが、タイトルが面白そうだし、「はじめに」で、中学程度の数学⚫理科で分かる、と書いてあるので、ならば私にも分かるかも!と期待して読んだ。 若者相手の講義で鍛えた、人を飽きさせない工夫と、パンチの効いた文章が面白く、どうにか最後まで読めた。 しかし、フィボナッチの章の数学で、脳がついていけなくなった。残念。 でも、一般向け科学の本としては、非常に刺激的で面白く、借りて読まずに買うべき本だと思った。 チューリングやメンデルに関するエッセイ、著者がいかにして生命科学者となったが書かれた最終章も良かった。
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