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統計データが語る日本人の大きな誤解 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2019/09/22

硬すぎず、柔らか過ぎず、なるほどなーと考えさせる内容。あらゆるメディアで数値やグラフを見る場合、データ提供側の意図を見抜くのにも役立ちそう。

Posted byブクログ

2021/02/09

著者はウェブサイト社会実情データ図録を開設している方。本書では、様々な統計を人口比や年齢調整などの比較可能な形でデータを提供し、丁寧な分析をしているが、解釈にはまだ議論が残る部分も感じた。 日本の相対的貧困率は14.9%(2005年)で、OECDではアメリカに次いで2番目に高い...

著者はウェブサイト社会実情データ図録を開設している方。本書では、様々な統計を人口比や年齢調整などの比較可能な形でデータを提供し、丁寧な分析をしているが、解釈にはまだ議論が残る部分も感じた。 日本の相対的貧困率は14.9%(2005年)で、OECDではアメリカに次いで2番目に高い。長期的にも上昇している。日本は年齢別の賃金格差が大きく、年金収入のみの低所得高齢者が増えていることが原因であるとしている。ただ、年齢別や世帯数別のデータがないため、分析が不十分との印象が残る。上位1%の高額所得者の所得シェアは、1980年代後半以降の欧米各国の上昇率の高さが目立つが、日本でも2000年頃から少しずつ上昇しているように見える。 国民経済計算(SNA)の定義の一般政府には、地方政府、教育、社会保障基金も含む。日本の一般政府の公務員数は5.3%(2005年)でOECDで最も少ない。日本では教師当たりの生徒数が多いと言われるため、教育機関の職員数が少ないことが多少なりとも影響しているのではないかとの疑問が残った。 日本の公共事業のGDP比は、日米構造協議で1991年度から10年間で総額430兆円を公約したため、1980年代後半の4%台から6%前後に増えた。2011年は3.1%となり、OECD34か国中14位。ただし、削減されたのは地方政府の公共事業で、国の公共事業はほぼ横ばいを続けている。 日本の週当たりの労働時間が49時間以上の労働者は23.1%(2010年)で、OECDでは韓国に次いで2位。1980年代までは、オイルショックの時期を除いて30%台後半で推移していたが、土曜日の休日化や祝祭日の増加によって1990年代には20%台後半に、2008年以降は20%台前半に減少している。著者は、睡眠時間が減少している理由を身の回りの用事が増えていることと関連づけているが、仕事の時間とほぼ並行して減少していることから、仕事の疲れを癒すのに必要な時間が減っているとも解釈できるように思う。 日本の自殺率は、OECDでは韓国、ハンガリーに次いで3番目に高い(2010年)。日本の自殺者数は、終戦から1958年まで、1983~1986年、1998年以降の3回急増した時期がある。人口当たりの自殺率は、1998年以降、1950年代後半と同水準で推移している。年齢を調整した標準化死亡率では、高度成長期やバブル景気の1990年代前半に減少しているが、1998年以降は1970年代と同水準。年齢別では、75歳以上、65~74歳が戦後一貫して減少しているが、55~64歳は1980年頃以降、45~54歳と35~44歳は1960年代後半以降、25~34歳と15~24歳は1990年頃以降、それぞれ上昇に転じている。男女別では、男が景気とともに変動が大きく1960年代後半以降上昇傾向にあるが、女は小さく長期的には減少している。著者は自殺率は増えていないと結論付けているが、女性では減少している一方、男性では明らかに増加していることから、楽観視せずに社会的対策は必要と思う。 日本の他殺による死亡者数は、1955年の2119人以降減少し、2012年には383人になった。人口10万人当たりの他殺率は0.5人で、世界の中でも最も少ない。他殺による死亡者数が少ないことは喜ばしいことだが、自殺者数が多いのは社会のあり方を問い直したくなる事実だ。 <社会実情データ図録> 相対的貧困率 労働時間の長期推移 長時間労働者比率 自殺は本当に増えているのか 自殺率の国際比較 他殺による死亡者数

Posted byブクログ

2016/01/14

「市民を雇わない国家」の書評からたどり着く。日本は世界一「小さな政府」、日本はいまだに儒教国、女は女に生まれたい、等々、統計データの見える化は重要ですね。

Posted byブクログ

2015/06/14

統計データから、自殺は増えていない、日本人は疲れにくい、日本の政府は小さな政府である、一時期と比べ公共事業は大きく減った、経済格差は広がっていない、などの事実を示す。 どのデータを使うか、どの数値を使うか、どう解釈するか、まだまだ奥が深いです。

Posted byブクログ

2015/02/01

良書。 結局生の統計データに触れない者からすると、メディア等で紹介されるものを、メディアの解釈を含めて受け取り、それをどう解釈するかということになる。 そのとき、どんな意図や誤解や誘導があるかを注意深く見極める必要がある。 そのためのいくつかのツールを手に入れることができた。

Posted byブクログ

2014/09/21

「統計をむやみに受け入れる人は、必要以上にだまされることになる。しかし統計をむやみに疑う人は、必要以上に物知らずになっていく。」 -- C.R.ラオ シンプソンのパラドックス。混同要因

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2014/09/18

いろんな思い込みが統計によってくつがえるのはなかなかに心地よい。 出典もきっちり明示しているし、基本的には信頼できる良書なのだと思う。 ただ、ところどころ首をかしげるところがあるのも確か。 たとえば、ただのアンケートを無批判に使ってたり。「疲れますか」みたいな質問って、国によって...

いろんな思い込みが統計によってくつがえるのはなかなかに心地よい。 出典もきっちり明示しているし、基本的には信頼できる良書なのだと思う。 ただ、ところどころ首をかしげるところがあるのも確か。 たとえば、ただのアンケートを無批判に使ってたり。「疲れますか」みたいな質問って、国によってどんな状態をイメージするのかは違うと思うんだよね。そのあたりの補正はちゃんとしているのかは気になる。 とは言え冒頭に書いたように、基本的には面白い。統計本は、だからやめられない。

Posted byブクログ

2014/05/11

統計データをどう読むか、都合のいいところだけを取り出してダマされないように、自分の頭で考えることが肝心だ。「正しい対策は正しい現状認識からしか生まれない」は心に刻むべき言葉。

Posted byブクログ

2014/03/22

日本は本当に公務員天国なのか、経済格差は拡大しているのか、仕事は本当に多忙でストレスが多いのか?著者は統計データ上はそれがいずれも間違いであると主張する。 日本人の睡眠時間減少はむしろ趣味・娯楽に時間を割くため!そして女性の化粧時間も!また世界各国に比べた自殺率の低さも意外なデー...

日本は本当に公務員天国なのか、経済格差は拡大しているのか、仕事は本当に多忙でストレスが多いのか?著者は統計データ上はそれがいずれも間違いであると主張する。 日本人の睡眠時間減少はむしろ趣味・娯楽に時間を割くため!そして女性の化粧時間も!また世界各国に比べた自殺率の低さも意外なデータである。統計学の結論と感覚的な結論の食い違いは実に面白い。日本人は他に比較し、神、死後の存在を分からないとする人が極めて多いという統計は楽しかった。また疲れにくい体質の日本人、米食が最もバランスよく、肥満になりづらいなど、父親を超えたと答える比率の最も少ない民族、男女の幸せ感の推移・・その他実に楽しい主張の数々。著者が言うように、日本人はこれらをどちらでも良いことと哲学的にそのように答えている!可能性は十分にある。最後にこれらのことは不都合な真実であり、明かすべきものだと締め括る。確かに正しい政治政策は正しい現状認識から生まれるものであるが、統計数字から読まれるものだけが真実なのか?感覚的に問題だと我々が感じる認識も真実なのではないかと感じた。

Posted byブクログ

2014/03/13

■結論 失業率は高まっているわけではなく、日本の経済力は強く、技術力も世界と比較して向上し続けている。経済格差も貧困も拡大しておらず、相変わらず日本は国際的には平等社会を維持している。世界一の「小さな政府」が効率的に機能しており、高齢化の割に医療費は低く抑えられている。食べ過ぎや...

■結論 失業率は高まっているわけではなく、日本の経済力は強く、技術力も世界と比較して向上し続けている。経済格差も貧困も拡大しておらず、相変わらず日本は国際的には平等社会を維持している。世界一の「小さな政府」が効率的に機能しており、高齢化の割に医療費は低く抑えられている。食べ過ぎや肥満に陥らず、世界一の平均寿命を達成、女性は生き生きと美しく暮らしている。

Posted byブクログ