雨のなまえ の商品レビュー
妻の妊娠中、逃げるように浮気をする男。パート先のアルバイト学生に焦がれる中年の主婦。不釣り合いな美しい女と結婚したサラリーマン。幼なじみの少女の死を引きずり続ける中学教師。まだ小さな息子とふたりで生きることを決めた女。満たされない思い。逃げ出したくなるような現実。殺伐としたこの日...
妻の妊娠中、逃げるように浮気をする男。パート先のアルバイト学生に焦がれる中年の主婦。不釣り合いな美しい女と結婚したサラリーマン。幼なじみの少女の死を引きずり続ける中学教師。まだ小さな息子とふたりで生きることを決めた女。満たされない思い。逃げ出したくなるような現実。殺伐としたこの日常を生きるすべての人に―。いまエンタメ界最注目の著者が描く、ヒリヒリするほど生々しい五人の物語。 (「BOOK」データベースより) ほんとうに、なんというか、めっちゃヒットです。 「晴天の~」や「ふがいない~」から思っていたけど、 この人、すごい!!この人の書く作品、すごい!! 江國香織さん以来の共感と尊敬。今年のNO.1の出会いです。 で。この5つの物語。共通する「雨」。じめっとした空気感。相当リアル。嫌になるくらい。でももう1度読みたくなる。珍しく。
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窪 美澄の本は"ふがいない~"から新刊が出るたびに読む作家のひとり。 そして、やはり読まずにはいられない。はずれがないというか… なんでいろんな立場の女性だったり、男性だったり、年齢もさまざまなのに こんなに心象風景が巧いんだろう。 今回は雨にちなんだ短編集。 最後の"あたたかい雨の降水過程"はとりわけ良かった。 ガサツに見えて、やさしいみつきのママや、コンビニの前でヤンキーぽく見えたギャルが足の手当てしてくれたり、スニーカーくれたり。 生きていくって大変だけど、捨てたもんじゃないと思わせてくれる作品。
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不器用にしか生きられずもがいている主人公達。そして展開がイタイのは窪さんらしいし相変わらずの性描写は健在^^;だけど“世にも奇妙な物語”風で5編中4編は救いがなく終わってしまって読後感があまり好きじゃないかな。まあ、好きな人には好きかもしれないけれど。『ゆきひら』は悲し過ぎだ。。...
不器用にしか生きられずもがいている主人公達。そして展開がイタイのは窪さんらしいし相変わらずの性描写は健在^^;だけど“世にも奇妙な物語”風で5編中4編は救いがなく終わってしまって読後感があまり好きじゃないかな。まあ、好きな人には好きかもしれないけれど。『ゆきひら』は悲し過ぎだ。。。あんまりだ、でもこういうもんだよ・・・とシビアな一面を窪さんは見せたかったのかな。『あたたかい雨の降水過程』は唯一自分の境遇にも似通っていてラストも好きな作品だった。
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★★★☆☆ 夢オチ!? 【内容】 満たされない思い。逃げ出したくなるような現実。殺伐としたこの日常を生きるすべての人に――。雨の音を背景に5人の物語を描く。 【感想】 夢オチ的な結末が何本かあるのが無性に腹が立ちます。 なんていうのか、勝手に読者に盛り上がらせといてそのオチかと...
★★★☆☆ 夢オチ!? 【内容】 満たされない思い。逃げ出したくなるような現実。殺伐としたこの日常を生きるすべての人に――。雨の音を背景に5人の物語を描く。 【感想】 夢オチ的な結末が何本かあるのが無性に腹が立ちます。 なんていうのか、勝手に読者に盛り上がらせといてそのオチかと馬鹿にするなと。。。 まぁ読みやすいしつまらなくないので及第点ですが、『晴天の迷いクジラ』とかに比べると大きくイマイチです。
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会社の先輩に薦められて。 なんだか、とっても暗いです。そして読後感はなんというか、むなしいというかつらいというか、まあそれがブンガクなのですが。。 ただ、胸に迫ってくる“想い”が強烈で、なんか圧倒されるんですよね。 どれもが身近な話でも当然なくて(ひとつはなんか身近な部分もあ...
会社の先輩に薦められて。 なんだか、とっても暗いです。そして読後感はなんというか、むなしいというかつらいというか、まあそれがブンガクなのですが。。 ただ、胸に迫ってくる“想い”が強烈で、なんか圧倒されるんですよね。 どれもが身近な話でも当然なくて(ひとつはなんか身近な部分もありますが、、、)、そして救いはあまりなくて。。 ただ、他人事のようで申し訳ないんですが、このような世界もある(かも)、ということは容易に想像もつくし、そして、幸か不幸かその世界に足を踏み入れずに生きていられる、それを想うことで生きられる、というのが幸せなのかと。
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短編。 物悲しい感じ。 『あたたかい雨の降水過程』が印象的だった。 自分が息子をしっかり育てなければという意気込みはわかるけれど、他人に少しは頼ってもいいのかもしれない。 ま、そこが難しいのだろうけれど。
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心の中の、なんとも表現できない「虚しさ」を表現するのがうまいなあ、と思う。 5つの短編からなるこの一冊。 どれを読んでも、読み終わってすっきりする話は無い。 でも、ページをめくる手が止まらない。 それはやはり、窪さんの文章に読ませるチカラがあるからだと思う。
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5編からなる中編集。 最初からの4編は、個人的には読む価値なし、と思う。 しかし、最後の一編「あたたかい雨の降水過程」は素晴らしい。 自分と違うものを遠ざけつつ、その一方で遠ざけているそのものに疎外されていることに、どこか苛々してしまう。 押した壁に押しかえされているように感...
5編からなる中編集。 最初からの4編は、個人的には読む価値なし、と思う。 しかし、最後の一編「あたたかい雨の降水過程」は素晴らしい。 自分と違うものを遠ざけつつ、その一方で遠ざけているそのものに疎外されていることに、どこか苛々してしまう。 押した壁に押しかえされているように感じているのと同じようなもの。 愚かなことをしていると、半ば気づきつつ、繰り返してしまう。 その過程で、大切なものまで損なってしまう。 そんな、どうしようもない主人公に物語の最後で手を差し伸べてくれるところがうれしい。
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この人はなんて人なんだ。 一話一話、どうしようもない閉塞感に襲われる。 すぐに次の話を読むのがもったいない。 しばらくすると、じわじわとナニカに抱かれているような気持ちになる。 特に最後の話で「温かい部屋で食べさせる料理を作りたかった。食べさせる。学ばせる。温かい部屋で眠らせる」のくだりは、ぐっと掴まれた。 子どもがいつかは離れて行ってしまう不安感、離婚した罪悪感、、 これは、うわべや取材だけでは書けない。 他の人のレビューを読むと、否定的は方もいらした。 そういう社会なんだと思う。 ああ、また、 もう、 次作が読みたくなっている
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当事者からしたら正論。他者から見たら呆れ返ったり嫌悪感のある減少。 どうしようもない現実に直面した時に一緒に雨にうたれるのか、暖かな部屋から冷ややかに眺めるのか。 雨なのに、喉の渇きが頂点にゆるゆると達する不思議な不快感。 3・11がモチーフになっているので、まだ受けれられない方...
当事者からしたら正論。他者から見たら呆れ返ったり嫌悪感のある減少。 どうしようもない現実に直面した時に一緒に雨にうたれるのか、暖かな部屋から冷ややかに眺めるのか。 雨なのに、喉の渇きが頂点にゆるゆると達する不思議な不快感。 3・11がモチーフになっているので、まだ受けれられない方は読まない方が良い。
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