天使の柩 の商品レビュー
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天使シリーズの最後ということで迷って購入。 好きな作家さんであるが、、、、、、 たまたまの偶然であろうが、最近好きで読んでいる少女漫画「これは恋のはなし」の設定、ストーリー、心に傷を持つ30代独身男性(芸術関係の仕事についている)家族の残した古家に一人住んでいる。家庭の愛情に恵まれないトラウマのある少女(小学生から中学生)と猫を介して出逢い、交流、男性側の周囲の人たちとの交流においても少女が子供らしく人に甘えてもいいのだという基本的な人間への信頼感を獲得していくという物語。男性は少女に恋愛感情を持ちながらもそこに未成年であるという禁忌が働き、性的な側面、将来への期待という感情を抑えながら、大人の男性として少女に愛情を注いていくという美しい物語。エピソードは違うが殆どが一緒。 あまりにも相似点が多すぎて、正直驚く。 力のある作家さんで好きだけれど、、、、、 ある種の漫画は文学を超えるということが儘あるけれど、読む順番の影響もあるだろうが漫画の方に軍配を上げざるを得ない。漫画のほうが一方的ではない双方の影響の与え合いのエピソードが満載であったし。 ただ、その話をした息子曰く「歩太君が幸せになってくれれば良いよ」と。 そうだね、そうかもしれない。
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『天使の卵』『天使の梯子』の続編。 アナザーストーリーである『ヘヴンリー・ブルー』はさておき、 梯子で完結だと思ってたので、続編は意外だった。 まぁ、でも、純粋な続編ではないかな。 今回は、歩太、夏姫、そして春妃の物語ではない。 梯子も慎一を主人公にしてたけど、それでも上記3人...
『天使の卵』『天使の梯子』の続編。 アナザーストーリーである『ヘヴンリー・ブルー』はさておき、 梯子で完結だと思ってたので、続編は意外だった。 まぁ、でも、純粋な続編ではないかな。 今回は、歩太、夏姫、そして春妃の物語ではない。 梯子も慎一を主人公にしてたけど、それでも上記3人の物語だった。 公園で猫を救ったことがきっかけで、歩太は茉莉という少女と出逢う。 茉莉は様々な問題を抱え、さらには自分自身にもコンプレックスを 抱えていた(容易に拭うことができぬ程に植え付けられていた)。 そんな茉莉が歩太と出逢ったことにより「出口」を見つけていく、 そんな物語になっている。 ほんの僅かだが歩太について描かれている部分もあり、 その点こそが本シリーズのファンが読みたかった部分だろうな。 村山さんもそこを描きたくて茉莉の物語を引き出してきたのかも。 歩太の器が大きすぎる気がしないでもないけど、 彼も夏姫もそれだけの日々を過ごしてきたんだろうな。
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天使シリーズの最終章。心に傷を抱えて生きてきた歩太が一人の少女と出会って再生していくお話。春妃や夏姫や慎一とかなんか懐かしく感じてしまう。照れくさいベタな展開だけどこのシリーズはこれでいいのかも。二時間ドラマになったら誰が歩太を演じるのか。
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内容紹介 「世の中がどんなにきみを責めても、きみの味方をするよ」14歳の少女・茉莉(まり)が出会った20歳年上の画家――その人の名は、歩太(あゆた)。望まれない子どもとして育ち、家にも学校にも居場所がないまま、自分を愛せずにいる少女・茉莉。かつて最愛の人・春妃(はるひ)を亡くし、...
内容紹介 「世の中がどんなにきみを責めても、きみの味方をするよ」14歳の少女・茉莉(まり)が出会った20歳年上の画家――その人の名は、歩太(あゆた)。望まれない子どもとして育ち、家にも学校にも居場所がないまま、自分を愛せずにいる少女・茉莉。かつて最愛の人・春妃(はるひ)を亡くし、心に癒えない傷を抱え続けてきた歩太。公園で襲われていた猫を助けようとして偶然出会った二人は、少しずつ距離を近づけていく。歩太、そして彼の友人の夏姫(なつき)や慎一との出会いに、初めて心安らぐ居場所を手にした茉莉だったが、二人の幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。『天使の卵』から20年、『天使の梯子(はしご)』から10年。いま贈る、終わりにして始まりの物語。
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この彼の、名字を見るだけで一気に世界に入れる吸引力が気持ちいい、笑。天使の卵の、鋭い彼から、懐の広い多くを抱える彼になり。いつでも魅力的であることにまぶしさを感じる。自分もこんな風に全力でいきたいと思うなぁ。茉莉の頃に天使の卵をよみ、慎一さんに出会った夏紀の頃に天使の柩にであう。
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昔池袋で出会った娘も野良猫に餌をあげていた。こういう娘は得てして猫を可愛がるものなのか。池袋、連れ込みホテル、大泉学園、西武池袋線、体を差し出す少女、過去から抜け出せない男、野良猫。思い出すと胸が潰れそうな感覚と景色が蘇って遣り切れない気分になってしまった。そして最後は不覚にも泣きそうになった。 とりあえず幸せになってほしい。物語ではなく茉莉も歩太もタクヤもザボンもきっと都会の雑踏に紛れて居るんだな。
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前作『天使の梯子』が出たとき、「頼むから続編とかやめて!絶対“卵”は越えられないから!!」と思っていたクチですが、三作通して読み終えた今は、夏姫とフルチン、歩太と茉莉の物語を書いてくれてありがとうという気持ち。 本作で、ようやく歩太が自分から幸せになろうとしてくれたなぁと思うと...
前作『天使の梯子』が出たとき、「頼むから続編とかやめて!絶対“卵”は越えられないから!!」と思っていたクチですが、三作通して読み終えた今は、夏姫とフルチン、歩太と茉莉の物語を書いてくれてありがとうという気持ち。 本作で、ようやく歩太が自分から幸せになろうとしてくれたなぁと思うと、じわっとくるものがあります。 どのシリーズも漏れなくダメ男が登場しますが、今回のダメっぷりは群を抜いていました(笑) こういうキャラを出してきたのも、この20年で色々書いてきた村山さんだからこそなんでしょうかねー。 これからどんな小説を書いてくれるのか楽しみ。 おいコーシリーズも、進展あるといいな…(笑)
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天使の卵、天使の梯子、ヘヴンリーブルーと続いたシリーズの最終章。 天使の卵で村山由佳に入った自分としては感慨深いものでした。 この20年での村山由佳という小説家の変遷が、すごく出ているのかなーと思います。 黒ムラヤマでもなく白ムラヤマでもなく灰色ムラヤマといったところでしょ...
天使の卵、天使の梯子、ヘヴンリーブルーと続いたシリーズの最終章。 天使の卵で村山由佳に入った自分としては感慨深いものでした。 この20年での村山由佳という小説家の変遷が、すごく出ているのかなーと思います。 黒ムラヤマでもなく白ムラヤマでもなく灰色ムラヤマといったところでしょうか。 それにしても最近のモチーフは少女なんですかね、天翔るもそうだったし。 個人的に「ありがとう」を表現するときの表現を卵と違うようにしたのはなんでなんだろうと思ったりしてます。
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