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ルリユール の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

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    13

  2. 4つ

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2014/09/18
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続きが気になって、どんどん読んだかんじ。 風早の町が聞き覚えがあるなぁと思ったら、 カフェかもめとコンビニたそがれ堂と同じ名前だったのねぇ。 中学生の瑠璃が主人公。 ルリユールの工房にいたクラウディア。赤い髪の魔女か天使か。 丁寧に手作業で、本を修理したり特別な一冊を作ったり。 「宝島」に隠された手紙のところが好きだな。 4枚の白羽、水の王冠がある白猫。グリーンアイ。 なんだか美しい。

Posted byブクログ

2014/07/31
  • ネタバレ

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「ルリユール」という言葉を KiKi が初めて知ったのは、いせひでこさんの「ルリユールおじさん」という絵本で、でした。  この絵本を読了した時、KiKi はそれまで絵本を読んで味わったことがなかった深い感動を覚えました。  と、同時にその「ルリユール」という職業にある種の憧憬を覚えました。  子供時代から本は大切に扱うように教育を受けてきた KiKi の実家には多くの本があるけれど、さほど痛みのない状態のものがほとんどで、「必要に迫られていない」から実際に自分でやってみようとまでは思わなかったけれど、今ではソフトカバーの本が多いだけに、本当にお気に入りの本は補強という意味も兼ねて自分でもやってみたいと思うほどには興味があります。 時代の流れの中で、電子書籍もそこそこ活用している KiKi だけど、やっぱり紙でできた本の魅力は捨てがたく、本当に気に入った本は可能な限り「本」で揃えたいと考えがちな KiKi。  装丁が美しい本にはついつい引き寄せられがちな KiKi。  そんな KiKi にとって「ルリユール」の仕事は収入の多寡は知らないけれど、本当に素敵な職業だと感じられます。 さて、そんな「ルリユール」と題されたこの作品。  ルリユールの技に関しては期待していたほどには描写されていなかったのですが、物語全体に流れる穏やかな時間とどこか鄙びた風景、そして登場する人たちのちょっと切ない人生にホロリとさせられる作品だったと思います。   思い入れのある本を「クラウディアの黒猫工房」で修復してもらうと、その本にかかわる人々が抱えている悩みや重荷、心の傷といったものが癒される・・・・・。  本が持ち込まれ修復されているまでの描写にはとても優しく暖かい時間が流れ、「物を大切にする」、「手作業で直す」という行為が本質的に持っている「真心」とか「物を介しての人と人のつながり」とか「思い出を大切に守り伝える」という感覚を呼び起こされるような気がします。 物語は以下の4章で構成されています。  どのお話にも気持ちがほっこりするものがあったのですが、特に KiKi のお気に入りだったのは第3章の「黄昏のアルバム」でした。 第1章: 秋のアリア~宝島 第2章: 星に続く道 第3章: 黄昏のアルバム 第4章: 魔人の夢~ボスポラスの人魚 災害で被災した智史君が被災する前に虐待を受けていた猫を拾い、その猫を飼うために一家で引越しをしたんだけど、その家のある場所が土砂崩れにあいやすい場所でした。  たまたま災害があった日、本当だったら家族みんなでドライブに行く予定だったのをちょっとしたことで拗ねていた智史君の我儘で予定が変更となり被災。  智史君を除く全員(猫も含め)が亡くなり、そのことに傷つき自分を責め続けていた智史君の姿に、亡くなった猫が心を痛め自分が拾われて以来幸せだった時代の記憶を写真にしてアルバム制作を依頼にきた・・・・・というお話です。   「みよ子は幸せな猫でした。  あの二年間、智史君の家で家族として暮らすことができて、幸せだったんです。  むしろ、自分のために大切だった家族を死なせてしまったと、ずっと思っていました。  みよ子がいなければ、智史君の家族は、あの家に引っ越さなくてすんだんですから。  そのアルバムを見てごらんなさいな。  おうちで暮らした、二年間の日々の思い出です。  みんな笑っているでしょう?  あなたもお父さんとお母さんも。  (中略) だから、あなたはこれからも幸せでいてください。  その写真と同じに、笑っていてください。  (中略)  みんな幸せだった。  みよ子が見ていました。  この2つの目で。」 そんなアルバムなんて非現実的であることは百も承知だけど、ルリユールが本を修復する際には依頼人の思い入れの深さに応じて使う素材の色や柄を選び、二度とほつれたりしないように可能な限りの技を尽くす姿勢に通じる精神・・・・・みたいなものがこの逸話には切々と描かれている、そんな風に感じました。  と、同時に手仕事全般に通じる「使う相手を思う気持ち」「作業の一つ一つにかける時間と手間にこめられる作り手の思い入れ」をあらためて感じました。

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2014/06/15

初盆を迎えるため、祖母の家がある風早にやってきた瑠璃。彼女は本当の母を失ったことで心にぽっかりと暗い穴があいたような心地で過ごしていた。家族がやってくるまで、怪我をして病院にいる祖母のためにひとりで過ごすうちに不思議な館を見つける。そこで出会った女性、クラウディアは本を修復するル...

初盆を迎えるため、祖母の家がある風早にやってきた瑠璃。彼女は本当の母を失ったことで心にぽっかりと暗い穴があいたような心地で過ごしていた。家族がやってくるまで、怪我をして病院にいる祖母のためにひとりで過ごすうちに不思議な館を見つける。そこで出会った女性、クラウディアは本を修復するルリユールという仕事をしていた。黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします。魔法のような手わざ、痛んだ過去の思い出も、静かに包み込んで―――本を愛するひとの美しく不思議な物語。 ルリユールという不思議な単語は職業名だったのですね。本好きにとっては最高に素敵なお仕事ですし不思議なクラウディアの魅力もあって、すっかりこの黒猫工房のファンになってしまいました(^^)ちょっとファンタジーが入ってますが、人と人との絆や大切な思い出がひとつひとつ丁寧に書かれていてじんときます。どこか居場所のなさを感じている瑠璃の心もとなさ、悲しみ、喜びが胸に迫り、大人でも楽しめる児童書です。特に智史とみよ子さんの話が好きですね。私たちが幸せだったから、あなたも幸せになっていいんだよというあたたかいメッセージが素敵です。瑠璃のお母さんの死だけがあっさりすぎてちょっと物足りないけど。

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2014/06/04

黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします――。中学生の瑠璃と美しい造本師が繰り広げる、本を愛する人の不思議な物語

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2014/05/27

チキンラーメンを毎日のように食べていて、栄養について調べまくったことを思い出す。 そんなわけで、クラウディア大好き!栄養あるよね! 風早の街はシリーズなんすね。他のも読みたい。 あとがきも良かったー。

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2014/03/31

図書館司書学を学んだけど、題名の『ルリユール』と言う製本の修復士の事とは、知りませんでした。 初めは、どのように、修復して行くのだろうか?と、読み進んで行くうちに、ファンタジー物語なんだと、気づきました。 気づくのが、遅い(笑)! 題名『ルリユール』で、主人公は、ご丁寧に『瑠...

図書館司書学を学んだけど、題名の『ルリユール』と言う製本の修復士の事とは、知りませんでした。 初めは、どのように、修復して行くのだろうか?と、読み進んで行くうちに、ファンタジー物語なんだと、気づきました。 気づくのが、遅い(笑)! 題名『ルリユール』で、主人公は、ご丁寧に『瑠璃』、、、 おばあちゃんが、入院しているのに、お見舞いより、黒猫工房に、通えるのも、また、時間の流れも、やはり、魔法の世界! クラウディアさんの魔女ぽっさも、昔の「奥様は、魔女」のサマンサの如く、ささっと、本を、修復して行ってしまう。 本当の修復とは、どんなものかも、さわりも無く、火蜥蜴の皮の膠の糊を使うとか、、、修復の料金は、プライスレス、、、不死鳥書店、、、、という言葉で、夢の世界へ、誘ってしまう。 ファンタジーだけで、終わってしまうだけと思っていたけど、最後の数ページ前の所で、クラウディアさんが、自分が、生きた時代でなく、もっと平和の時代に生まれたかった。 本を好きなだけ読み、慈しみ、本を大切にする人たちと語り合い、笑い合い、宝石のように美しい本を作りされを皆に見せてあげたかった、、、、と、書かれている。 今、私は、平和の世界に居り、思う存分好きなだけ本を読める幸せを、感じている。 いつ読むの?『今でしょ!』  (笑) たまには、ファンタジーも良いかなと思った1冊でした。 明日から、消費税8%、、、 本を買うのも、『今でしょ!』(笑)

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2014/03/22

不思議な製本工房 【内容】 少女が出会った女性製本職人は、チキンラーメンを主食とするどこか不思議な人で、その工房には辿りつけるときと辿りつけないことがあった。 栃折久美子さんを思い出していたら、後書きで名前が出てきた。 【感想】 女主人の正体は謎のままにして、ずっと本にまつわ...

不思議な製本工房 【内容】 少女が出会った女性製本職人は、チキンラーメンを主食とするどこか不思議な人で、その工房には辿りつけるときと辿りつけないことがあった。 栃折久美子さんを思い出していたら、後書きで名前が出てきた。 【感想】 女主人の正体は謎のままにして、ずっと本にまつわる話を続けてった方が良かったかも。まあ、正体がわかっても続けることはできるんやけど。 サラマンダーの膠とかいかにもファンタジーっぽいアイテムもない方がよかったかも。 (2014年03月21日読了)

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2014/03/15

「ルリーユール」というタイトルなので、本の装丁にまつわる苦労話とか薀蓄とか美しい本の描写とか、「ルリユール」自体を期待して読んだら、「ルリユール」に関しては『糸で綴じる・糊が乾くか乾かないか』程度のことをほんの少し登場人物がしゃべっただけで、まったくその点は無いに等しくガッカリで...

「ルリーユール」というタイトルなので、本の装丁にまつわる苦労話とか薀蓄とか美しい本の描写とか、「ルリユール」自体を期待して読んだら、「ルリユール」に関しては『糸で綴じる・糊が乾くか乾かないか』程度のことをほんの少し登場人物がしゃべっただけで、まったくその点は無いに等しくガッカリでした。心に染みる優しい話が読みたい時、村山さんの作品はうってつけなので、それを求めるなら良い作品だと思います。ただ、どれも同じようなテイストなので、私は飽きが来ましたが。

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2014/03/07
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風早の街の、また一つ不思議なお話。優しくて、思わずあったかい涙が流れます。特に図鑑のエピソードはぐっときたなぁ。にんげんの、生きるちからを信じたくなる、そんな章でした。村山早紀さん、他のシリーズも読みたくなりますね。

Posted byブクログ

2014/03/02

本を大切に、想いを大切に、残すこと。 やさしい気持ちになります。 あとがきの図書館の話も素敵でした。

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