毒婦。 の商品レビュー
木嶋佳苗死刑囚の裁判の傍聴記録と生い立ちを追ったノンフィクション。同じ事件に取材した小説バターを読む前に参考図書として読みました。 なぜ男たちは騙されたのか、また佳苗は何をもとめていたのか?いわゆる悪女とも違う、優雅で上品な所作の木嶋佳苗。それは北海道生まれで。都会育ちで、上品な...
木嶋佳苗死刑囚の裁判の傍聴記録と生い立ちを追ったノンフィクション。同じ事件に取材した小説バターを読む前に参考図書として読みました。 なぜ男たちは騙されたのか、また佳苗は何をもとめていたのか?いわゆる悪女とも違う、優雅で上品な所作の木嶋佳苗。それは北海道生まれで。都会育ちで、上品な女性になりきれなかった女性の求めた虚像に男たちが群がり、屍となっていったということか?「男の求めるものを提供して、見返りをもらって何が悪いの?」という木嶋佳苗の声が聞こえくるようであった。
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木嶋佳苗と上田美由紀。同時期に同様の容姿をした女性による連続不審死事件が2件。当時ニュースバリューとしては圧倒的に木嶋佳苗が凌駕し世間では消費し尽くしされていた。木嶋佳苗が完全に「外」を意識していることに対し、上田美由紀の意識は「内」にしか向いておらず世間の反応などどうでもいい風...
木嶋佳苗と上田美由紀。同時期に同様の容姿をした女性による連続不審死事件が2件。当時ニュースバリューとしては圧倒的に木嶋佳苗が凌駕し世間では消費し尽くしされていた。木嶋佳苗が完全に「外」を意識していることに対し、上田美由紀の意識は「内」にしか向いておらず世間の反応などどうでもいい風だったのは東京と鳥取という地理的な問題もあったのだろうか。正反対にも見える稀代の毒婦と称された2人の共通点は「筆まめ」であり字が美しいということ。モテとは?美醜とは?の観念を揺るがせた事件として記憶にいつまでも刻まれそうだ。 ほぼ同時期に死刑判決が下された2人だが、上田美由紀は昨年刑が執行され、木嶋佳苗は3度目の獄中結婚式でまた世間を騒がせている。佳苗劇場の上演はまだまだ終わらない。
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木嶋佳苗死刑囚がどのような人間なのか?それを知りたいと思い手に取った。 一番恐ろしいことはやはり理解出来ない犯罪者ではないか?と感じた。
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木嶋佳苗を正確に描けているかは、分からない。彼女の事を人殺しのモンスターとしてではなく、女性としての矜持や哲学をもつ、社会的性の象徴かの如く描いている。たしかに、男性は女性から性的な報酬を得るために、自らを時に誇張し経済的な施しをする。女性だって、男性からの経済的報酬を得るために...
木嶋佳苗を正確に描けているかは、分からない。彼女の事を人殺しのモンスターとしてではなく、女性としての矜持や哲学をもつ、社会的性の象徴かの如く描いている。たしかに、男性は女性から性的な報酬を得るために、自らを時に誇張し経済的な施しをする。女性だって、男性からの経済的報酬を得るために、化粧をし、魅力があるように振る舞うのだ。双方が結果的に、少し騙されたまま目的のものを得たからと言ってそれはなにか問題だろうか。そうした事を考えさせられる。もちろん、木嶋佳苗は催眠薬を用い、練炭殺人をしたのだから、その点は言語道断。しかし、結婚詐欺だけで考えれば、これは随分と男女の利害を象徴するような犯罪なのだろう。木嶋佳苗をタレントのように描くのは誤りだが、事件そのものから、考えさせられる内容だ。
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私も、以前このニュースが気になったことを覚えていて今更ながら読んでみた。 女性経験がないから騙される、、、そんな単純なものだけではないと思う。 きっと彼女には才能があったのだろう。マメに料理をすること、相手を気遣い喜ぶことを言う。それが、彼女にとっては仕事のようなもので、そのこと...
私も、以前このニュースが気になったことを覚えていて今更ながら読んでみた。 女性経験がないから騙される、、、そんな単純なものだけではないと思う。 きっと彼女には才能があったのだろう。マメに料理をすること、相手を気遣い喜ぶことを言う。それが、彼女にとっては仕事のようなもので、そのことに対しての対価をもらってなにが悪い。それが才能で天職のようなものだったのかもしれない。
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面白かった。「ケアは支配の手段」という言葉が本編後の対談で出てくるが、正しく「優しさ」を武器に犯行を重ねる木嶋佳苗。女性すらも思い込んでいる「女性像」を嘲笑うかのように。「常識」を揺さぶってくれる面白い1冊です。
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思いっきり女性目線で書かれた本書。 男目線の日本社会、男目線の評価において、著者の木嶋佳苗の描き方は同じ女として好ましかった。 ただし、分析というほどではなく、著者自身もどう始末をつけていいかわからなかったようで消化不良。 「援交世代から思想が生まれると思っていた。生んだ...
思いっきり女性目線で書かれた本書。 男目線の日本社会、男目線の評価において、著者の木嶋佳苗の描き方は同じ女として好ましかった。 ただし、分析というほどではなく、著者自身もどう始末をつけていいかわからなかったようで消化不良。 「援交世代から思想が生まれると思っていた。生んだのは木嶋佳苗だったのね」 本書で紹介されている上野千鶴子の言葉が印象的だった。 (電子書籍 kindle)
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母と子と常識の名において父に刃向かうもの 相手によって自分を使い分け、翻弄し その精を吸い尽くす もっとも先鋭化したフェミニズムの戦果に 同性の嫉妬が集まるのも無理はない 陶酔の味で誰もを虜にする怪物の思想 この本の筆者も、それに取り込まれてしまったようだ とはいえ結局のところ ...
母と子と常識の名において父に刃向かうもの 相手によって自分を使い分け、翻弄し その精を吸い尽くす もっとも先鋭化したフェミニズムの戦果に 同性の嫉妬が集まるのも無理はない 陶酔の味で誰もを虜にする怪物の思想 この本の筆者も、それに取り込まれてしまったようだ とはいえ結局のところ その女は、あとのない男の足元を見る結婚詐欺師にすぎず しかもそのことをけして認めようとしない つまり、男の中で悪者にされることに耐え切れない そういうタイプのか弱い偽善を 抱えたものなのだった
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ひさびさにすごくのめりこんだ読書だった。1分の隙間時間にでさえ続きを読みたいと思うような。 「ブスが起こした結婚詐欺殺人」ということでマスコミを賑わせていた事件、もともとは特に興味もなかった。オッサンの好きそうな話題だなー、くらいで。フェミニストの北原みのりが書いているので気にな...
ひさびさにすごくのめりこんだ読書だった。1分の隙間時間にでさえ続きを読みたいと思うような。 「ブスが起こした結婚詐欺殺人」ということでマスコミを賑わせていた事件、もともとは特に興味もなかった。オッサンの好きそうな話題だなー、くらいで。フェミニストの北原みのりが書いているので気になって手にとった。 読んで単純に疑問に思ったのは、それだけのモテテクがあって自由に男を支配できる、と思った(そしてできていた)なら、もっと金持ちの社長をつかまえて玉の輿にのるとか、風俗なり水商売なりでトップを目指していくとかそういう生き方でも十分よかったんじゃないか、と。それも上品な考え方とは言えないけど、今まで佳苗を見下していた女達への復讐にもなるし、自尊心も満たされるだろうに。 下層レベル(スペック、っていう程度の意味。)の男達を相手にし続け、しかも殺さなきゃならなかった理由ってなんなんだろう。男というものをそこまで無惨にしなければならないほど世界全体への恨みが強かったのかな。 男の女に対する幻想を知り尽くし、利用して派手に裏切ることですべてをあざ笑いたい、勝ちたいという気持ちはまだわかる。この人は誰かに理解されることなんてこと完全に望んでないんだろうな。孤高な魂だな、と思う。でも決してかっこよくはない。共感もしないし。でも自分は、じゃあどうなんだ?ってなんか気持ち悪いものを突きつけられてるかんじ。 ただ、ひとつだけ思うのは、ほんとうに誰かに復讐したいなら、方法はひとつしかなくて、それは自分が心の底から幸せになることしかない。 …なんて思ってる私は、佳苗の100分の1くらいの闇しか見てないのかもしれないけどね!
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