プルーフ・オブ・ヘヴン の商品レビュー
現代人らしい唯物主義よりな意識を持っていた脳神経外科医が、自身の臨死体験を赤裸々に綴ったのが本書である。 自身の体験を盲信せず、医療従事者である友人知人や関連書籍を使って現代化学・現代医学に根ざした客観的視点も取り入れているのが新しく、また、その検証の結果、医学的・化学的に説...
現代人らしい唯物主義よりな意識を持っていた脳神経外科医が、自身の臨死体験を赤裸々に綴ったのが本書である。 自身の体験を盲信せず、医療従事者である友人知人や関連書籍を使って現代化学・現代医学に根ざした客観的視点も取り入れているのが新しく、また、その検証の結果、医学的・化学的に説明できる臨死体験と説明できない臨死体験があることが明らかになったというのが面白い。起きた事実を認め、しかし盲信することなく客観的に検証する。これこそ正しい科学的なアプローチだ。事実を検証することなく「あるわけない」と全否定する、または仮説に合うように事実を捏造するなど、きわめて非科学的だ。 最近に「天国の存在が“科学的に”証明された」という内容の短編を読んだが、いずれは死後の世界の実在が“科学的に”証明されるかもしれない。本書を読んでそう思った。 生命維持活動が止まる(死ぬ)と、中にある魂魄の内、“魂”の方は行くべき所に行くらしい。その行くべき所、“死後の世界”は果たして実在するのか。我々は死後も自身を自覚できるのか。本書は、永遠に問われるこの疑問に対する答えの一つかもしれない。死後の世界の実在に肯定的な人も否定的な人も、読めば新たな刺激になるはずだ。
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臨死体験をした医師が、そこで知った世の中の真理「愛されること、無条件の愛」を広めるという使命感を持って書いた本。 脳の「再起動現象」で脳髄炎から回復するときの体験(p231)という説が、従来の自分の考えでは納得しやすい。しかし、誠実な表現で描かれる高次元の世界、科学的に捉えようと...
臨死体験をした医師が、そこで知った世の中の真理「愛されること、無条件の愛」を広めるという使命感を持って書いた本。 脳の「再起動現象」で脳髄炎から回復するときの体験(p231)という説が、従来の自分の考えでは納得しやすい。しかし、誠実な表現で描かれる高次元の世界、科学的に捉えようとする視点もあり、「これが人生の謎を解く答なのかもしれない」と素直に受け止められる。 タイトルは、キリスト教よりなので、著者の当初の案「エヌ・オブ・ワン」の方が良かった。
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脳の本はろくなのがない、というか自分にはどうもあわないので、もう読むのをやめよう、と思っていたのだけど、やっぱり気になっちゃう。 臨死体験完全否定派だった高名な脳神経外科医が脳の病気で昏睡になりながら回復し、その間に体験した霊的な話と、現実世界で起きていた治療や親族の心の動きなど...
脳の本はろくなのがない、というか自分にはどうもあわないので、もう読むのをやめよう、と思っていたのだけど、やっぱり気になっちゃう。 臨死体験完全否定派だった高名な脳神経外科医が脳の病気で昏睡になりながら回復し、その間に体験した霊的な話と、現実世界で起きていた治療や親族の心の動きなどを描いている。 人の心に何があっても僕は驚かないが、むしろこの場合、臨死体験よりも、通常なら死、そこに至らなくても元通りに回復はしないはずの病状を脱しているのが超自然現状な気が。 臨死体験と脳という、どっちも苦手キーワードで(だったら読むなよ)、これを正面から受け止める度量はない。 では読み物としてはどうか。章は短くてきぱき進むようでいて、似た描写の繰り返しのように思えてしまう。 死語の世界が高度な感情をもつゆえのものだとすれば、そこには虫も鳥がいない、沈黙の春ではないか。 著者による臨死の考察は、もともと科学至上主義だっただけに興味深いけれど、時折僕の手の届かないところに進んでしまう。 でもまあ、わからないことを読んでこその読書じゃないか!
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脳神経外科医が体験した臨死体験。意識とは脳の活動であるから今まで臨死体験を否定してきたにもかからわず自分が病気で倒れ臨死体験をしたという話。高次の次元があり、高次の次元では全方向性で時間が流れない(前後の区別がない)がこの世では時間が織り込まれて時間の順序があるという。
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~内容~ 名門ハーバード・メディカル・スクールで長らく脳神経外科医として治療と研究にあたってきたエベン・アレグザンダー医師。ある朝、彼は突然の奇病に襲われ、またたく間に昏睡状態におちいった。脳が病原菌に侵され、意識や感情をつかさどる領域が働かないなかで、医師が見た驚くべき世界とは? 死後の世界を否定してきた著者は、昏睡のなかで何に目覚めたのか? 回復後、その「臨死体験」のすべてを 鮮明に語ったのが本書 ~*~*~ 普段から「臨死体験」や「体外離脱」などの本を 興味を持って読んでいる方からしたら 天国で体験した、という部分も どこかで読んだコトがあるような体験・・・で 内容的には、なんら驚かないだろうと思う じゃあ、なぜ この本がベストセラーになったとか と言えば 今まで臨死体験をしたという人達に対して 科学で否定した諸説が、反論出来ない状況下にあり 脳神経外科医である著者が、科学者が反論するだろうコトに対して ・・・科学者としての自身が、ひとつひとつ疑問を投げかけていく それに対して 反論(体験したことに対しての“超現実性“)に認められる性質を説明出来るような説がひとつもない と 自らの体験を語るだけではなく 科学的にも検証している 脳科学者として神経学的仮説を示している点であろう。 そして息子さんのアドバイス通りに 自分の体験を科学的に価値あるものにしたいと 考えているなら他の体験談と比較する前に まずは自ら体験したことを書き出す・・・ことを してから 世の中にある体験談を読むようにしたこと 臨死体験をしたという人と著者と変わらない点 本人の病が・・・細菌性髄膜炎によって 大脳新皮質がまったく機能していない、 幻覚を見ることさえあり得ない状態での体験で あったこと その状況そのものが幻想として片付けることが医学的観点から見て絶対に不可能であった点 専門的な部分に対しても巻末に資料で補足している それらが 今まであった「臨死体験談」の本とは違う 所で 逆に言えば 科学的な説明を加えたというコトが この本の特徴だと思った 臨死について、大きく3つの陣営があるという @自ら体験したか、受け入れることに抵抗がない 信じるグループ @頑強な反対派 意識を生みだしているのは脳であると承知しているから意識が肉体を超越しているというようなバカげた考えに耳を貸さない(以前はココに属していたらしい) @臨死体験と言う言葉は聞いたことがある、あらゆる種類の中間層 ココに居る人々に役立つのではないか、のと思いで書いたそうだ 嘘だろ?科学的根拠はどこ・・・? そんな人にとっては、説得力があるかも、 しかし、純粋に臨死体験について、どんな体験をしたんだろう、とかそういう部分をじっくりと読みたい方には少し物足りないかもしれない 私にとっては、この本はこの本の特徴である 神経学的仮説も興味深く読めた 今の所「臨死」については 科学で否定出来るような絶対的なものではないのだな という点と 簡単に言っちゃうと 人って、計り知れない~!って思った・・・です
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会社帰りのジムのランニング・マシンでジョギングをしながらTVを見ていたとき、『たけしのアンビリーバボー』だったろうか。この本を再現した番組を見た。その後、たまたま書店で手にして、「あのときの!」と思い読んでみた。 http://www.fujitv.co.jp/unb/cont...
会社帰りのジムのランニング・マシンでジョギングをしながらTVを見ていたとき、『たけしのアンビリーバボー』だったろうか。この本を再現した番組を見た。その後、たまたま書店で手にして、「あのときの!」と思い読んでみた。 http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/131128_1.html 著者は著名な脳神経学者。ある日、突然違和感を感じてベッドで目を覚ます。背骨に鋭い痛みがあり、温かいバスタブに浸かればよくなるのではないかと思ってバスルームに行くものの、最後は意識を失う。驚いた奥さんが救急車を呼ぶが、すでにそのとき、著者のエベン・アレクサンダーさんは別の世界を見ていた。一方で、奥さんや病院スタッフが見ていた彼の状態は、痙攣し意識を失った状態の体だ。7日間の昏睡状態が続くことになる。 あの世の世界はいくつかのステージがあるそうだ。最初は暗いが、まだ視界が効く子宮の中のような世界。そして、光が満ち溢れるゲートの世界。荘厳な大音響が響きわたるコアの世界。そんな世界を、一人の女性と一緒に回る。実は彼は養子だったのだが、あの世の世界で一緒に旅をした女性は、彼の実の妹で、すでに亡くなっていたことが、7日間の昏睡状態から覚めた後に判明する。 はたしてあの世の世界は本当にあるのだろうか。よくあるように、臨死体験をした著者も死後の世界を確認するようになる。だが、彼の場合は脳神経学者であり、脳機能が停止していたその期間に、あきらかな”現実(Real)”を感じていたという。 ハイゼンベルグは量子力学の領域において不確定性原理を発見した。つまり、原子の中の現象を観測する際に、観測者は観測される対象とは完全には切り離せない、ということだ。これを著者は、観測者(意識)の問題を字排除しては宇宙の実在の核心には迫ることが出来ないという原理に置き換える。 ハイゼンベルグの顕微鏡と死後の世界を結びつけるアナロジー。ここに、科学をベースにした脳神経学者が、死後の世界を確信し、それを知らしめようとする新しさと、面白さを感じた。
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プルーフ・オブ・ヘブン。これを訳すと「天国の証明」なんですよね。 脳神経外科医師の著者が自ら体験し、 自らの状況を検証して書くから真実味が増します。
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ジャンルとしてどこに入れたら正しいのだろう?と迷う一冊です。精神世界に入れるのが正しいのか?医学に入れるのが正しいのか?ノンフィクションなのか?どれでもないようなどれにも当てはまるような。 興味深いのは医学の申し子のような世界最先端の脳神経外科医で死後の世界など否定して半世紀を生きてきた人が、自らの体験によって死後の世界の存在を啓発するまでになったことです。 臨死体験の著述者が、これほどまでに客観的批判的立場にたつ人物でなかったならばこの本はそれ程話題にならなかっただろうと思われます。 経過を述べていくために様々なエピソードが挿入されていますが、個人的には「いらないんじゃないかな」と思われる話も多々入っています。 しかし、著者にしてみたらその部分こそが自分が今までどれ程臨死体験というものを信じていなかったか、血縁や知縁というものを大切に思っていたのかの表現として重要だったのでしょうね。 著者の病状を見た医師の当時の見解も記載されていますが、それでもこのことを事実として信じられない人は世の中にたくさんいると思います。 しかしあの世を信じられない人であっても、この著者が体験した病気、そしてそこからの回復という起こるべくのないはずの事実が、いかに奇跡的でこの世的なものでないかということは信じられると思います。 私は天国というよりもあの世を信じますが、そういうことを抜きにしても一個人体験として面白く読める一冊です。
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「「意識」が物理的な脳の機能とは別物である」という主張は新鮮に感じたが、「個々の「意識」はオームの外縁部にあたる」という主張ならば、古来から言われていることではないか。 僕は複雑なこの世界が存在すること自体に神の存在を感じるが、自然災害や事故等、個々の幸せを考えれば起きなければよいことに神は無関心なのか、または張本人なのかなど「神の目的」が理解できないので、「半分信じて半分信じていない。結局、死んだときにわかるが「あの世がなければ、その時に意識はないから何もわからない」と思っている。 本書ではロバート・モンローが開発した「ヘミシンク」があちらの世界へ接触する瞑想法として紹介さひれており、AmazonではそのCDや書籍もあるようなので、体験してみたくなった。 あとがきのカール・ベッカー(京大教授)の解説がとても説得力があり、もはや臨死体験は科学的に証明されてレベルに達していることを知った。 この世は目に見えないダークマターとダークエネルギーがほとんであることが近年開明されつつあることを考えると、目に見える物質とは別の所に「意識」があることが「ほんとうかもしれない」と思うようになった。
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死後の世界を体験してきたと言う人の話はいくらかは聞いたことがあったが、体験者が脳神経外科医であるという点は興味深いと思う。もしかすると死後の世界は本当にあるのかも?と思わせてくれる本でした。
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