アップル帝国の正体 の商品レビュー
著者である週刊ダイヤモンドの記者2人が日本のメーカー・台湾メーカーや通信キャリア等の取材を通じて今まではタブーで殆どの人が知らなかったアップルを支える下請けメーカーの残酷な実態をレポートする。 日本の大手メーカーの東芝・ソニー・シャープ等等、相当に多くのメーカーが秘密保持契約...
著者である週刊ダイヤモンドの記者2人が日本のメーカー・台湾メーカーや通信キャリア等の取材を通じて今まではタブーで殆どの人が知らなかったアップルを支える下請けメーカーの残酷な実態をレポートする。 日本の大手メーカーの東芝・ソニー・シャープ等等、相当に多くのメーカーが秘密保持契約を結ばされ一切の情報を漏らす事なく理不尽な下請けに甘んじている状況に愕然とします。 アップルの凄いところは調達先のメーカーどころか流通(大手家電量販店)や通信キャリアへの管理も徹底しており広告1つについても厳しい管理がされ徹底したコスト削減を実施させ圧倒的な人気商品のiPHONEを背景として自社に利益が集中する様な仕組みを創り上げる企業文化は昭和時代の日本企業を思い出させます。 超低利益で単品大量生産・大量販売で下請け化された企業が継続的な活動が出来れば問題ないかも知れないが毎年追求されるコスト削減により生産拠点が転々としアップル依存の高い企業は死活問題となる。勿論それを選択したのは当事者である下請けメーカーではあるが、、、 ファクトリーレスメーカーが在庫・コスト・流通等を徹底的に管理し利益追求する様は一体誰が得をするのか消費者優先・主導権を握る一部の企業のみなのではないか。物創りを忘れた企業に継続的な繁栄は有るのでしょうか?
Posted by
これまでアップルは好印象だったが、この本を読んで、そのやり方の冷酷さを知った。下請け企業は、それでも契約すると多くの利益が得られるため、依存せざる負えない。しかし、アップルに見捨てられたら、過剰な設備を維持できず、買収されることになる。
Posted by
・かつて世界を席巻した「日の丸メーカー」が、実のところアップルに大量の電子部品を供給する下請けメーカーに成り果てたと行っても過言ではない。 ・アップルにとって納期は絶対ではない。文字通りの死守だ ・小売の価格は自由にできると独占禁止法に定められているが、もし安売りが発覚すればアッ...
・かつて世界を席巻した「日の丸メーカー」が、実のところアップルに大量の電子部品を供給する下請けメーカーに成り果てたと行っても過言ではない。 ・アップルにとって納期は絶対ではない。文字通りの死守だ ・小売の価格は自由にできると独占禁止法に定められているが、もし安売りが発覚すればアップルはさりげなく「在庫が足りない」と言って、確実に出荷台数を絞ってくる。
Posted by
若い著者が取材に基づいた読み応えのある書である。アップルの内情を知ることで日本企業はどうすればよいか。生き残る為の策をよく考えなければならない。勝者が全てを取るという現状を覆す為に何をすべきか。簡単ではないが、今ここで考え直さなければ帝国に組み込まれ、ゆっくり衰退してしまう。
Posted by
アップルの過去と現在を描いて見せてくれた。そして日本の企業、特にジョブズが愛したソニーの凋落を。そしてこれからのアップルはどこに行こうとしているのか。グーグルやアマゾンがソフトとサービスの力で勝負しようとしているなかアップルは今までハードで勝負をしてきた。
Posted by
アップルのすごさと恐怖じみた経営戦略があった。日本企業の堕ちかたが鮮明に書かれていた。極秘にされながら、これまでの情報を引き出せたのはすごい。日本企業は、生き残るためにアップルは必要だが、また、自分の首を絞めている、このジレンマ。店頭に置かれているアップルの見方が変わる。
Posted by
アップルのビジネスシステムについて、周りを取り巻くステークホルダーとの取引関係と対比させながら、論じた書。 よくよく本書の全体を俯瞰すると、有名なマイケルEポーターのファイブフォース分析をフレームワークとして分析していると捉えると、よく理解できる。 1.供給企業との交渉力としては...
アップルのビジネスシステムについて、周りを取り巻くステークホルダーとの取引関係と対比させながら、論じた書。 よくよく本書の全体を俯瞰すると、有名なマイケルEポーターのファイブフォース分析をフレームワークとして分析していると捉えると、よく理解できる。 1.供給企業との交渉力としては、シャープのLCDディスプレイ,ソニーのカメラ。 2.買い手の交渉力として、iPhoneのキャリアであるソフトバンク・NTTドコモ、家電販売のヤマダ電機。 3.競争企業としてのソニー・サムスンなどスマホメーカ。 4.新規参入業者としての、iPodを起点としたiTunesをめぐる音楽業界との攻防。 5.代替品の脅威として、Amazon・Googleといったインターネットビジネスを起点としたIT企業との今後の攻防。 著者が論じている様に、アップルはなんだかんだいっても圧倒的な製品デザインとマニュアルいらずのユーザビリティに秀でたハードウェア起点の企業で、旧来ビジネスモデルの延長線上からの繁栄であるということ。 もう一つは、素晴らしいサプライチェーンマネジメント!まさに、バックグラウンドでアップルの表の顔である製品を支えていることを実感。 そのスペシャリストであるティム・クックCEOを後継者に据えたスティーブ・ジョブズの慧眼に驚く。 今後の、Amazon・Google・FacebookなどとのIT覇権争いに、俄然注目したいです。
Posted by
アップルとグーグル、どちらがビジネスモデルとして優れているのか?日本にとって利益になるのか?考えさされた。
Posted by
どのようにアップルが今のブランド力を作り上げたか、その裏にある闇?についての話。 ・内容 アップルは部品一つ一つにこだわり、ファンを得て、ブランドを構築した。 アップル製品は世界中で爆発的に売れ続け、 アップル部品サプライヤーの「帝国」になった。 アップル製品が売れれば売...
どのようにアップルが今のブランド力を作り上げたか、その裏にある闇?についての話。 ・内容 アップルは部品一つ一つにこだわり、ファンを得て、ブランドを構築した。 アップル製品は世界中で爆発的に売れ続け、 アップル部品サプライヤーの「帝国」になった。 アップル製品が売れれば売れるほど、「帝国」による支配が強まった。 アップルは多額の利益を上げる一方、サプライヤーにコストダウンを要求し続けた。 また、事前通告なしに一方的な取引中止をされ倒産した企業もある。 アップルに依存しているサプライヤーが多い中、アップル製品の売上成長率が鈍化している。 サプライヤーはアップルとの付き合い方を考えなければならない。 ・感想 アップルのように「サプライヤーの無駄を指摘し、コストダウンを要求する」ということは、 トヨタもやっている。 ちょっと踏み込みすぎな気はするが、企業としてはある種当然の経済活動である。 しかし、アップル社はとても合理的(すぎる)のである。 ユーザーに最高のものを届けたいといいつつも、自らは利益率30%を常にキープするように サプライヤーにコストダウンを要求し続ける。条件を飲めなかったサプライヤーは容赦なく契約を切る。 また、他には買えられない技術をもつ中小・零細サプライヤーに対しては、主要取引会社であるのをいいことに 技術を盗み、 生産をコストの安い国に移すことで契約を切る。 衝撃的だったのが、シャープの工場についての話である。 iPhoneの液晶を生産するために1000億融資をした。その見返りに購入した機会はApple専用とすることを要求。 シャープとしては、Apple製品が売れているときは良いが、売れなくなり生産が減ると1日4億?の維持管理費を垂れ流すだけでただのお荷物をなった。 Apple製品は他に乗り換えできないし、デザインもそこまで気になる訳でもないため、 自分はApple製品を買っていない。 こういう本を読むと益々Apple製品は買いたくないと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アップル製品に使われている部品は日本製がたくさんある、という事実にあぐらをかいてはいけないことを認識させられた本。 こういう本を読むと、どうしても日本は技術は高いが商売が下手、というのを改めて認識させられる。 アップルの手のひらの上で踊らされている、という状況に危機感を感じた。かといって、日本でアップルのような製品開発を行うのは無理な気がするし、向いていないと思う。 日本人にあった方法で、競争力を高めるのはどのようにしたらいいのだろうか。 どこかに依存すると、そこから抜けられなくなる。保守的な環境で、既得権益にとらわれると出し抜かれる。結局常に先を見越すしかない、ということだと思う。 一方で、本書はアップル帝国に振り回される日本企業の現状ばかり取り上げて、不安を煽っているだけのようにも感じた。 ぜひ、アップル帝国にとらわれず競争力を示しているような企業についても、本書との対比という位置づけで、同じ著者に出してもらいたいとも思った。
Posted by