原発ホワイトアウト の商品レビュー
現実をほのめかすフィクション。 フクシマ後の原発をめぐる最悪のシナリオ、もしくはいかにもありそうなシナリオ。 制度の問題点や知るべきことを整理するのに有用。 ディストピアなら良かったのにと思いながら、現実を確認せざるをえない。 私の好みとしてはもっと希望がほしい。 絶望させて発...
現実をほのめかすフィクション。 フクシマ後の原発をめぐる最悪のシナリオ、もしくはいかにもありそうなシナリオ。 制度の問題点や知るべきことを整理するのに有用。 ディストピアなら良かったのにと思いながら、現実を確認せざるをえない。 私の好みとしてはもっと希望がほしい。 絶望させて発奮させるにしても後半の展開がいまいち。 話を広げすぎというか、守備範囲以上に手を広げちゃった感じ。 リアルな部分とそうじゃない部分の落差が目立つ。 同じ轍を踏まないために一人一人が賢くならねばいかんのよと言いたい話だと思うんだけど、エリートしか出てこないのはそういう人しか想像できないからだろうか。 著者が官僚らしいから権謀術策が世界のすべてに見えちゃってるのか、それともこれこそがリアルなのか、なんとも言えず。 「この本が事実になりませんように」 なんて祈ってる場合じゃないですよ、そうさせないために動かないと。 というのが正しい読み方なんだと思う。 リアル風に書くなら総理もちゃんと書いてほしかった。 そんなお公家さんじゃないだろうさ。
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ストーリーの展開やテンポでは☆2つ。でも、現役官僚の内幕ネタなので、☆をもうひとつプラス。 結局、現実も原発再稼働になるんだろうなあ。という諦念を抱いてしまった。
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日本の原発について現役官僚が書いた問題提起の一冊。 興味深いんだけどなかなか読み進められなかったのは 「これが事実なのか」と気持ちが沈んでしまったからだと思う。 たくさんの人に読んでもらいたいと思った。
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電時連をモチーフにしたフィクション。 実施、電力会社は経産省OBを役員として受け入れている。各地元の経済界組織のトップは大概が電力会社の会長・社長。 官僚・財界への強大な影響力を背景にした政治力は想像に易い。 が、この本は大袈裟では?現実に、原発は震災から丸4年過ぎても再稼働して...
電時連をモチーフにしたフィクション。 実施、電力会社は経産省OBを役員として受け入れている。各地元の経済界組織のトップは大概が電力会社の会長・社長。 官僚・財界への強大な影響力を背景にした政治力は想像に易い。 が、この本は大袈裟では?現実に、原発は震災から丸4年過ぎても再稼働していない。電力システム改革に対しても、骨抜きにする様々な圧力はあるだろうけれど・・ そもそも総括原価方式で守られているのは原発だけではない。電力会社の発注費の上前をピンはねして政治献金等の裏金を捻出するのが、モンスターシステムならば、石炭火力でもLNG火力でも、風力発電でも可能なのでは?
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「東京ブラックアウト」が読みたくて、その前に手に取った本。結構期待して読んだのに・・・結局やっぱり官僚がかいた本なんだなぁって改めて思ってしまった。 政治家たちの利権を求めての姿。 告発本ともいえず、少し中途半端だった。
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原発を軸とし交錯する私利私欲や思惑は、一寸先さえ真実を垣間見せることを拒絶する、まさにホワイトアウトだ。 本書をそのまま原発利権の構造としてみるのはもちろん危険だ。中立を装いながらも霞が関の視点が散りばめられているところは間引く必要がある。政治の部分の稚拙さも否めない。とはいえ...
原発を軸とし交錯する私利私欲や思惑は、一寸先さえ真実を垣間見せることを拒絶する、まさにホワイトアウトだ。 本書をそのまま原発利権の構造としてみるのはもちろん危険だ。中立を装いながらも霞が関の視点が散りばめられているところは間引く必要がある。政治の部分の稚拙さも否めない。とはいえ実名に近い形で原発問題を(小説という体を借りての)告発した意欲的な作品である。 本来、官僚は野心に燃えた志高い人物が多い。魑魅魍魎に揉まれるうち年数を経て自己保身に走る。筆者は、おそらく東日本大震災での対応を顕著として、我慢ならぬ政治の腐敗や利権の蔓延に一石を投じたかったのであろう。立場上小説という形を取らざるを得なかった(そしてその小説のクオリティはさておき・・・)本書は、総括原価方式による政治献金の仕組みなど良質なノンフィクションに準じる作品として我々日本人が知っておく事実が豊富にある。
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確かに送電線への対策は難しそうですね。 終盤のパニックはそのようにならないような手筈が整うことを切に願う
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原発利権・政府腐敗をテーマに書かれたフィクション作品のはずだが著者が現役官僚とのことで告発本のような印象を受ける。国、電力会社は悪人という感じで書かれており、反原発派の人間とかすれば最高の本なんだろうなと思う。最初はテーマとしては面白いかなと思ったけどその流ればかりでつらつら書かれただけだったから最後は読んでてしんどかった。
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著者は現役のキャリア官僚でもちろんペンネームである。福島原発事故から3年。国家ぐるみで着々と進められている原発再稼動がどのように浸透してきたのか、国民を騙す手口が小説として書かれている。既に原発が無くてもやっていけるし、そもそも原発のトータルコストは非常に高額なのにもかかわらず、貿易赤字を理由に再稼動をもくろむ原子力利権グループの手口は恐ろしいまでに世の中に浸透している。原発は常に電力を生み出しており、送電できなくなれば緊急停止するしかない。津々浦々の送電線はほとんど無防備な状態で全国に立っており、それを破壊されれば原子炉を冷却する必要があるのだが、それが様々な事象で出来なくなれば福島と同じ経路をたどることとなる。この小説では大雪のため冷却できなくなるのだが、人間が全ての想定を仕切れるものではないことは既に実証済みだ。再稼動を必死に進める政府らの暴走は、しかしもうこの国では不可能に近い。
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読み応えあり。 電力会社と官僚組織と国会議員の繋がり方が精緻に綴られている。 日本の国の仕組みってこうなってたんですね、といいたくなる。 書きたいのは物語の舞台のほうだから、人物描写は淡白。それでも読み応え十分。 現役官僚の筆とのことだけど、文体はとても安定しており、様々な立場の...
読み応えあり。 電力会社と官僚組織と国会議員の繋がり方が精緻に綴られている。 日本の国の仕組みってこうなってたんですね、といいたくなる。 書きたいのは物語の舞台のほうだから、人物描写は淡白。それでも読み応え十分。 現役官僚の筆とのことだけど、文体はとても安定しており、様々な立場の描写が精密なので、著者は複数で、ゴーストライターがいるのかもしれない。
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