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悪貨 の商品レビュー

3.3

16件のお客様レビュー

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2021/04/29

p96 実際、多くの人々の手や財布を渡り歩いてきた紙幣は、無数の喜怒哀楽を反映している。そればかりか、恨みや妬み、失意、汗や涙や血液さえもが付着している。中には呪われた紙幣なんてものもある。複雑な思念を吹き込まれた福沢諭吉は、時に笑い、時に泣き、微妙に目をつり上げたり、口元を緩ま...

p96 実際、多くの人々の手や財布を渡り歩いてきた紙幣は、無数の喜怒哀楽を反映している。そればかりか、恨みや妬み、失意、汗や涙や血液さえもが付着している。中には呪われた紙幣なんてものもある。複雑な思念を吹き込まれた福沢諭吉は、時に笑い、時に泣き、微妙に目をつり上げたり、口元を緩ませたりするのである。 警察の捜査なども出てくる。今度は通貨と経済の話。いまの世界では「お金」も哲学の世界だからね・・・お金の価値、全く偽札と見破れない偽札の意味、彼岸コミューン、真の財産やキリストなど、また島田雅彦ならではのラインに踏み込みつつ、偽札や黒幕の真相が最後まで分からず、犯罪小説としても面白かった。

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2020/10/22

久しぶりに集中して読める本だった。 展開がスピーディーで内容も左翼的ではあるが興味深い内容だった。 この作家は馬鹿馬鹿しさの中に人間の本質的な部分に切り込んでたりする内容が多く、読むものを飽きさせない。 単純に面白かった❗

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2020/06/30

本物と見分けのつかないぐらいの偽札を流通させるある青年。中国の大富豪に気に入られたことから、精巧な機械などを与えられ偽札作りをするわけだが、それは日本にハイパーインフレを起こさせ貨幣経済に終止符を打つ目的があった。 一方で中国の大富豪は偽札を流通させることで円の価値を下落させ、お...

本物と見分けのつかないぐらいの偽札を流通させるある青年。中国の大富豪に気に入られたことから、精巧な機械などを与えられ偽札作りをするわけだが、それは日本にハイパーインフレを起こさせ貨幣経済に終止符を打つ目的があった。 一方で中国の大富豪は偽札を流通させることで円の価値を下落させ、お金で日本を乗っ取る計画を考えていた。 お金に一喜一憂させられる社会に疑問を投げかける内容になっている。 経済の仕組みを偽札を用いて物語としてわかりやすく書いている。偽札が出回るとこんなに大変なことになっちゃうんだなと。 お決まりの色恋沙汰があるが、恋に落ちるきっかけってどこだっけ?ぐらい深掘りしてないけど設定として必要だった様子。 最後はかなりしんどい。ミイラ取りがミイラと言うか、因果応報というか、自業自得というか…

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2018/09/17

途中までは面白かったのに、最後主人公だけでなく小説自体が生きるのを諦めてるのかと思うほどあっけなかった。せめて報われる終わり方にして欲しかった…

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2018/06/03

島田雅彦さんの本は好きでよく読みますが、いつもと違う感じの小説でした。 ちょっと冗長な感じがして読みにくいかな?と最初は感じましたが、段々と引き込まれてしまうところはやはり島田雅彦!さすが島田雅彦!って感じで楽しめました。 こういう感じの内容って、ここ最近読んだ作家さんだと最後の...

島田雅彦さんの本は好きでよく読みますが、いつもと違う感じの小説でした。 ちょっと冗長な感じがして読みにくいかな?と最初は感じましたが、段々と引き込まれてしまうところはやはり島田雅彦!さすが島田雅彦!って感じで楽しめました。 こういう感じの内容って、ここ最近読んだ作家さんだと最後のほうが走り気味のものがあったり、途中から急激に雑になったり「こいつ、デキル!」という流れに勝手になっていって読者である私が入り込めない・・・っていうパターンが多くてつまらん・・っていうものばかりが続いたので、楽しんで読めてとても嬉しかったです! さすが島田雅彦!

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2017/07/04

この小説はお金の裏側から見た風景を考察した物語ですね。2010年発刊ですが、情報小説としての価値も今読んでも充分あるようです。そして島田雅彦さんは純文学の作家でありますから、当然、人間の本質をお金というフィルターを通して深く描いています。 今現在、オーディブルにて耳で聴いています...

この小説はお金の裏側から見た風景を考察した物語ですね。2010年発刊ですが、情報小説としての価値も今読んでも充分あるようです。そして島田雅彦さんは純文学の作家でありますから、当然、人間の本質をお金というフィルターを通して深く描いています。 今現在、オーディブルにて耳で聴いていますが、Kindleアンリミテッド対象の本ですので無料でも読めます。 話の発端はホームレスの男が目覚めると枕元にコンビニの袋に入った現金100万円がある事を見つけるところから始まります。男は神様からの贈り物だと考えて、そのお金で身なりを整え社会復帰を目指し理髪店に行きます。 その男の髪を切りながら若い理髪師はホームレスが大金を持っている事を知り強奪しようと企みます。その計画は成功し彼は共謀者とともにキャバクラで豪遊します。 そのキャバクラで理髪師らを接待していた女はたまたまその日が勤務最終日でした。残っている給料を現金で受け取ります。その現金には理髪師らが支払った現金が混じっていました。 女は最後の勤務を終えると静岡の実家に戻り、父親に100万円を手渡します。父親は農園の経営者なのですが、昨年の悪天候の影響で資金繰りが悪化し、すぐに現金がなければ二回目の不渡りを出す寸前でした。父親は娘から受け取った現金を即、銀行に入金します。しかしほっとしたのもつかの間、翌朝銀行から電話がかかってきます。入金いただいたお金は偽札なので今すぐきて欲しい、という、おおっ!という展開のストーリーです。この後、共産主義っぽいコミューンなんかが舞台の中心になっていくようです。面白いですよ。

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2017/04/09

偽札が市中に数多く出回り、それによって国家経済が危機を迎える。 「万能鑑定士」にもそんな設定で書かれた巻があった。 機械をもすり抜けてしまう偽札は、市中に出回る中で真札だと認識されていってしまう過程はありそうで怖さを感じた。 「彼岸コミューン」を創りあげた理想家の池尻。 偽札に異...

偽札が市中に数多く出回り、それによって国家経済が危機を迎える。 「万能鑑定士」にもそんな設定で書かれた巻があった。 機械をもすり抜けてしまう偽札は、市中に出回る中で真札だと認識されていってしまう過程はありそうで怖さを感じた。 「彼岸コミューン」を創りあげた理想家の池尻。 偽札に異常な関心を寄せるフクロウ。 池尻の考え方に共感しながらも、悪事に手を染めていく野々宮。 支配する者への忠誠だけを胸に生きていく鉄幹。 それぞれのキャラクターがしっかりと描かれている中、物語の中心となるべき宮園エリカだけが浮いていたように感じてしまった。 刑事という仕事に対しても、野々宮への愛に対しても、すべてに中途半端だったような…。 現実的に考えればエリカのような人間こそがよりリアルなのだろうけれど。 無意識に自己保身に走っている野々宮や、結局最期まで理想を手離さなかった池尻の愚かにさえ見える崇高さの対比が面白かった。 あまり経済の仕組みに詳しくなくても、物語の展開の要所々々で説明が入り、社会経済の問題点や穴が見えてくるところも興味深かった。

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2015/11/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

島田雅彦氏の作品を読んだのは今回が初めて。きっかけは書店でたまたま目に留まったから。背表紙にある“カネの根本の価値を覆そうとする男の運命の向かう先とは!?”という言葉と、ひとつひとつがエッセーのタイトルの様に魅力的な44項目の目次に惹かれ購入を決意した。本書が発行されたのは2013年9月、東日本大震災からの復興と、一年前の安倍政権の誕生、アベノミクス支持の世論に向けて自称『サヨク』の思想を持った著者がダメだしを連発する...そんなショウモナイ展開だと嫌だなぁと若干の危惧もありながらの読書開始。そのファーストインプレッションは良い意味で裏切られた。 本書を手にした2015年、社会では『地方創生』なる言葉がもてはやされ、どの地域も必死で地方を創生しようとアイデアを捻り出す努力を惜しまない。そのアイデアの中には、きっと『彼岸コミューン』的なものもたくさんあるだろうなと感じ、出版から2年経った今、時代背景的との程よい合致により物語に入り込むことが出来た。世の中から貧困を無くす。そのためのきっかけとして農業からコミュニティを発展させる。その純然たる弱者救済の思想が、一人の異端児と共に歯車を狂わせていくストーリーと、そのコミュニティを外国の資本、それも悪意に満ちた資本が着実に忍び寄っている臨場感は、読むてを止められなくなるほどのリアリティを帯びていた。と、確かに面白く読めたのだが評価は★3つ。なぜか。 それはマネー規模への違和感。物語では500億円の偽札が日本中を混乱に陥れる様が描かれている。混乱時の具体的な描写があるわけでは無いがそこは問題ではない。問題は500億円というマネー規模だ。ちなみに、政府が2014年度補正予算に盛り込んだ地方創生交付金の総額は4200億円。例えそんなことを知らなくても、500億円を国民人口で分配すれば、一人当たり約415円...一人当たり415円のお金が空から降ってきたとしてハイパーインフレになってしまってしまう様な国の混乱なんぞ物語としてなにも面白くない。「ちがう!原因は偽造通貨流通に伴う信用崩壊だ!」と反論者が現れそうだが、そんなパニックは本書の何処かに描かれていただろうか。記憶に残っていない。ともあれ、登場する印刷職人の存在意義を守るため、何千億円も自動で刷れる機械を導入する展開を拒否したのだろうが、その結果“危機を煽るにはちょっと...”的な設定になってしまったことが大きな興醒めポイントとなってしまった。 貨幣とは何か、貨幣に代わるものとは何か、そもそも貨幣とは代用品であり、代用品の代用品が登場したとしても結果的にそれは貨幣以上の何かを生みことにはならないのではないか。著者が描く『悪貨』の論点は、現在の貨幣に対してだけでも、その後を狙う後続の“貨幣のようなもの”だけでもなく、その両方であろうことは伝わって来た。作品として、悪貨たるものの推移事態を面白くも感じられた。ただし、読了後の天邪鬼な僕の感想は、「現代の資本経済、貨幣経済を否定するストーリーを描きたかった人が、廻り回って結果的に肯定しちゃってる小説」となってしまった。結局、今の経済から抜け出す手段はないってことなのか。これはあれだ、著者本人の価値観をもっと良く理解した上で読まねばならぬ書籍だ。 残念ながら、読者はそこまで親切ではない。

Posted byブクログ

2015/06/14

久々に読んだ。 面白い。 貨幣、兵器より兵器です。 これだけ人の生き方を支配してるものは珍しいです。 怖いな。。

Posted byブクログ

2014/12/23

なんとかミクスに浮かれているような、利益を得る側にいるような輩に対抗していくのは大変なことだ、けどやらなきゃ、といったことを考えながら読んだ。最後、あまりにも不用意な主人公の行動が残念だった。

Posted byブクログ