夢幻諸島から の商品レビュー
超短編連作集 想像の諸島を舞台に紡がれるさまざまな物語。最初とても退屈であるが、殺人昆虫物語から少しばかりペースアップする。しかし、それでもそれぞれの短編は玉石混交。分厚い新書という形態もあって、なかなか進まない。 確かにストレンジ・ワールドなんだが、下手に諸島ガイドブッ...
超短編連作集 想像の諸島を舞台に紡がれるさまざまな物語。最初とても退屈であるが、殺人昆虫物語から少しばかりペースアップする。しかし、それでもそれぞれの短編は玉石混交。分厚い新書という形態もあって、なかなか進まない。 確かにストレンジ・ワールドなんだが、下手に諸島ガイドブック形式をとるからか、無駄にややこしい気がする。再読を期して、今回は中座することとした。最初の数話で終わったから。 作品は以下の通り 風の島 静謐の地 ジェイム・オーブラック 雨の影 沈黙の雨 鋭い岩 大きな家・澄んだ深海 暗い家・彼女の家・夕暮れの風 すべて無料 台無しになった砂 吊された首 歓迎せよ 芳しい春 凍える風・大提督劇場 手に入れた平和 曖昧な痛み 二頭の馬 忘れじの愛 完成途中・開始途中 伝言の運び手・足の速い放浪者・無人機 行方の定まらぬ水 赤いジャングル・愛の戸口・大きな島・骨の庭 遅い潮 険しい山腹 たどった道 たどられた道 唱えよ・歌え 臭跡・痕跡 静かな波音を立てる海 死せる塔・ガラス 高い・兄弟 口笛を鳴らすもの 古い廃墟・かきまぜ棒・谺のする洞窟 大聖堂 ダークグリーン・サー・ディスカント
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「毎日新聞」2013年10月27日付朝刊で、 若島正先生が紹介しています。 「解けない謎に満ちた夢の中の島をめぐる物語」 (2013年10月28日)
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最初はちょっと取っつきにくい。 でも多分、噛めば噛むほど味が出る、スルメのような小説。 もう一回読むか。
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暫く邦訳が出ていなかったクリストファー・プリーストの新作は、『夢幻諸島』と呼ばれる架空世界のガイドブックという体裁の連作短篇集。 但し、ガイドブックらしいのは各短篇の末尾に記された通貨の一文ぐらいのもので(無いものもある)、本文中では個性ある島々とその文化に幻惑される。 各短篇は...
暫く邦訳が出ていなかったクリストファー・プリーストの新作は、『夢幻諸島』と呼ばれる架空世界のガイドブックという体裁の連作短篇集。 但し、ガイドブックらしいのは各短篇の末尾に記された通貨の一文ぐらいのもので(無いものもある)、本文中では個性ある島々とその文化に幻惑される。 各短篇は緩やかに繋がっていて、共通する登場人物が幾人かいるが、必ず登場するとも限らない。 冬のシーンもあるのに、作品全体に何となく漂う南国めいた雰囲気は何処から来るのだろう?
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最初は掴みどころが少なく読み進めるのに苦労。途中から何度か登場する人達の人物像や各々の相関関係が見えてきたり、諸島にまつわる謎や出来事が繋がり始めたりして、驚かされたり更なる謎が浮かんだりして、俄然猛烈に面白くなった。全ての謎が最後に収束するわけではないが、だからこそ読後にフワフ...
最初は掴みどころが少なく読み進めるのに苦労。途中から何度か登場する人達の人物像や各々の相関関係が見えてきたり、諸島にまつわる謎や出来事が繋がり始めたりして、驚かされたり更なる謎が浮かんだりして、俄然猛烈に面白くなった。全ての謎が最後に収束するわけではないが、だからこそ読後にフワフワ&クラクラした心地良い余韻が残り、かつ何度も読み返したくなった。 例えば今度読む時は、繰り返し登場する人物がどの島の話の時に登場するのか対応表を作り、各人物毎に登場箇所だけを一気読みしてみると、最初読んだ時とは違ったその人物に関する何かが見えて面白いかもと妄想している。 または、不明な個所も多いけど、島ごとの気候や位置、産業、脱走兵や難民の扱い、通貨等を一覧表にまとめて、「何か発見できるかなあ」とニヤニヤしながら眺めたり、それをもとに地図をでっち上げる遊びなんかも出来そう。 まあ、表を作ったからといって謎が消えることは無いけど、自分なりに整理したくなる魅力がこの小説にはある。色んな読み方楽しみ方が出来る小説だと思う。 後、繰り返し登場する人物はみんな相当クセがある。その中でもトンネル堀りアーティストのヨーや画家のバーサーストは、人騒がせな芸術家だけどどこか憎めない魅力があり、名前が出てくる度に「今度は何をやらかしたのだろう」とニヤニヤしながら先を読んだ。 夢幻諸島物の『The Adjacent』も是非是非翻訳して欲しい!
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夢幻諸島の島々をめぐるガイドブックという体裁をとった連作短篇集。時に結びつき時に矛盾するエピソード、双生児やガラスといったモチーフ、信頼できない語り手に翻弄されるうちに浮かび上がる歪な騙し絵に幻惑される。いやー、面白かった !!
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