ライオンの棲む街 の商品レビュー
本格×ユーモアミステリ短編集。高校時代の友達でそれぞれ性格も違う二人、美伽とエルザ。美伽は仕事を辞め地元で『生野エルザ探偵事務所』に勤めることに。それぞれの容姿の違い(格差)で相対する人々の発言のニュアンスが変わったりで、登場人物のキャラクターが楽しい作品でした。
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シリーズ一作目。乱暴な口振る舞いの女名探偵とその友人で元OLの探偵助手が織りなす謎解き。読みやすくていい。ちょくちょく想像したら笑えるシーンもあって面白い。「女探偵密室と友情」では、猛獣使いの方が恐ろしいことがよく分かった。一歩間違えれば違うジャンルの小説になるところでした。よかったよかった。ただ探偵が宮前刑事にいいように利用されてる感がなんか釈然としないなぁ。本人たちもそれは感じてるようだけど。あと、これ読むの二回目だが「ひらつか七夕まつりの犯罪」で他作品のあの二人が出てるのに気づいてビックリ。
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★おめーのほうが、よっぽど猛獣だって!(p.290) ●誰にでもタメ口で協調性は持ち合わせていないが美脚金髪巨乳で男の目を釘付けにするエルザ。探偵としての能力はなかなかのもの。「ライオン」というほど他者に恐怖感は与えてないでしょうか。どっちかというとやんちゃな感じです。 ●語り...
★おめーのほうが、よっぽど猛獣だって!(p.290) ●誰にでもタメ口で協調性は持ち合わせていないが美脚金髪巨乳で男の目を釘付けにするエルザ。探偵としての能力はなかなかのもの。「ライオン」というほど他者に恐怖感は与えてないでしょうか。どっちかというとやんちゃな感じです。 ●語り手はエルザの高校三年間での同級生で、助手で調教師で突っ込み役で十人並みのルックスらしい美伽。 ●二人が漫才やりながらが平塚というちょっとメジャーから外れているらしい街で起こる数々の事件に挑戦。 ■ライオン探偵についての簡単なメモ■ 【一行目】その建物は競輪場から少し歩いたあたりに、ガラクタのような佇まいを見せていた。 【海猫ビルヂング】三階建てのおんぼろビル。三階に生野エルザ探偵事務所がある。一階は「粋なとんこつ」というラーメン屋、二階は「ケームセノクー」となってしまった看板を掲げるゲームセンター。 【エルザ】生野エルザ(しょうの・えるざ)。美伽は「エル」と呼ぶ。探偵。二十七歳。「野生のエルザ」でライオン。依頼人であろうが乱暴なタメ口、美脚、金髪ショート、巨乳。高校時代はソフトボール部で誰よりも実力派だったが協調性ゼロで疎ましがられていたが「ベンチがアホやから」とどこかのE投手のようなことを言って退部。その後ソフトボール部は連戦連敗。 【オトシマエ】探偵としては依頼人を殺されたら謎がどうとかいうのではなく犯人に対してちゃんとオトシマエをつけねばならないというのがエルザの流儀。 【紅】スナック。長崎皿うどんを頭に乗せたようなママがやってる。焼きうどんとポテトサラダは絶品。 【シトロエン】エルザの愛車。五千円でも売れ残りそうなほどおんぼろ。 【湘南ひらつか七夕まつり】平塚が世界に誇る一大フェスティバルで、なんでも「日本三大七夕祭り」のひとつらしい。ひとつは仙台ので、あとはこの平塚ので、残りひとつは未定らしい。 【スーパーカブ】尾行用。 【探偵】《それは依頼人の利益のために働く存在だからだ。》p.288 【忍耐力】生野エルザ探偵事務所に来た依頼人(候補)はだいたい二十分で気を悪くして出ていく。それ以上いる人は忍耐力があります。 【平塚】よその人間にとってはイメージしにくいが湘南あたりという認識はあります。しかしこの本によると「西湘」とか呼ばれ湘南とは厳密区別されているらしい。たぶん湘南から? 【美伽/みか】川島美伽。語り手。エルザとは高校三年間同級生。テニス部員だったので部活は別。東京でひどい目に遭って帰ってきたらエルザに取っ捕まるというまたまたひどい目に遭い「生野エルザ探偵事務所」の探偵助手兼猛獣の調教師兼突っ込み役となった。二十七歳。エルザと並んでいるとだいたいの男はエルザしか見ない。「インターホンのエキスパート」とか「物干し竿のエキスパート」とかの異名がある? 【宮前】若い刑事。神奈川県警平塚署。エルザとは既知らしい。 【第一話】普通の浮気調査だったはずが死体に遭遇。 【第二話】恋人が行方不明なので探してほしいという以来だったが・・・ 【第三話】容疑者にはそのときエルザたちに尾行されていたという鉄壁のアリバイが。 【第四話】カリスマ占い師と対決。 【第五話】療養しているお婆さんの部屋が密室殺人の現場に。
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相変わらずキャラ設定が魅力的だな。謎解きもある面白い。まぁちょっと非現実的な気もするけど、まぁそこは笑い飛ばすべきジャンルだよね。
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東川さんの物語は怖さのアップダウンが激しいイメージなのでビビりながら読んだ。読みやすかった。 東京のOLに疲れて地元に帰ってきた美伽。地味目なのにキャラがおもしろい。ライオンことエルといいコンビ。七夕まつり、いってみたいな。
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今回は 珍しく 最初に 犯人が わからない設定です。 でも このコンビ 最高ですね。 会話が くすっと 笑ってしまいます。 続編 絶対 読みます。
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平塚を舞台に27歳の同級生同士の女性探偵たちが活躍する痛快ミステリー。 第一話 女探偵は眠らない。 第二話 彼女の爪痕のバラード 第三話 ひらつか七夕まつりの犯罪 第四話 不在証明は鏡の中 第五話 女探偵の密室と友情 平塚の雌ライオンの異名をとる生野エルザと地元に...
平塚を舞台に27歳の同級生同士の女性探偵たちが活躍する痛快ミステリー。 第一話 女探偵は眠らない。 第二話 彼女の爪痕のバラード 第三話 ひらつか七夕まつりの犯罪 第四話 不在証明は鏡の中 第五話 女探偵の密室と友情 平塚の雌ライオンの異名をとる生野エルザと地元に舞い戻った川島美伽は、人探しや事件の調査などの依頼を解決していく。 強引に進めるエルザを美伽が猛獣使いのようにたしなめながらも、エルザの名推理によって事件は解決していく。 テイストは「謎解きはディナーの後で」のようなエンタメ要素が強いが、推理はしっかりしていて面白いし、テンポ良く読めます。
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相変わらずの軽妙な語り口、お気楽な探偵と脇役のキャラ、住んでいる地域の自虐ネタ、安易なのにわりと本格トリックぽいところもある、東川節健在。 女の友情がプラスされてるところが他のシリーズとは少し違うところかな。 気楽に楽しむにはもってこいの1冊。
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「謎解きはディナーの後で」シリーズの東山作品。まぁ、同じ作者だから、いささか強引な推理と、わりと単純すぎる登場人物と、かなり安易な展開。主役が女性って事で、ちょっと下ネタもって感じかな(笑) 短編5話。1編で仕事の休憩時間にちょうどよく、まぁ暇つぶしになります~
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先日読んだ「探偵少女アリサの事件簿」が面白かったので、こちらも手に取ってみたのだが、個人的には「アリサ」の方が好きかな。女性二人組で事件に挑む話は初めて読んだ。このふたりの掛け合いは、面白かった。これが東川篤哉の醍醐味なのかな。ちょっとしたところに潜むユーモア。ただな、ミステリー...
先日読んだ「探偵少女アリサの事件簿」が面白かったので、こちらも手に取ってみたのだが、個人的には「アリサ」の方が好きかな。女性二人組で事件に挑む話は初めて読んだ。このふたりの掛け合いは、面白かった。これが東川篤哉の醍醐味なのかな。ちょっとしたところに潜むユーモア。ただな、ミステリーの方はちょっと物足りない。全体的にはテンポよくすらすら読めるし、会話のやり取りを楽しむ分にはいいが、再読はないかなといったところ。続編もあるが、こちらも気が向いたら…という感じだった。
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