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さよならを待つふたりのために の商品レビュー

4.2

45件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    7

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2024/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アイザックは手術で目が見えなくなることを受け入れていたけれど、どのようにして受け入れたのかとても興味が湧きました。

Posted byブクログ

2024/06/02

10代のがん患者同士カップルの物語なのだけど、2人ともありがちな清純いい子ちゃんではなく、きわどいジョークなんかも飛ばしながら、それぞれ自分らしく真摯に世界と向き合っているのがすごくいい。 ラスト近くのシリアスな展開は、綺麗事じゃないがんの苦しみが描かれていて辛い。アイザックの弔...

10代のがん患者同士カップルの物語なのだけど、2人ともありがちな清純いい子ちゃんではなく、きわどいジョークなんかも飛ばしながら、それぞれ自分らしく真摯に世界と向き合っているのがすごくいい。 ラスト近くのシリアスな展開は、綺麗事じゃないがんの苦しみが描かれていて辛い。アイザックの弔辞には泣きそうになった。 そんな中でも、死が近づく人たちを「患者」としてじゃなく「人間」として扱い、自尊心を守ることが大切に描写されていることが印象的だった。

Posted byブクログ

2023/09/04

 甲状腺がんが肺に転移して三年前から酸素ボンベが手放せなくなってしまった十六歳のヘイゼルと、骨肉腫で片足を切断した十七歳のアウグスタスはサポートグループで出会い、二人は互いに惹かれ合う。いつ現実のものとなるか知れない『死』の影が断続的に二人の関係に影を落とすが、同時にそれは今ある...

 甲状腺がんが肺に転移して三年前から酸素ボンベが手放せなくなってしまった十六歳のヘイゼルと、骨肉腫で片足を切断した十七歳のアウグスタスはサポートグループで出会い、二人は互いに惹かれ合う。いつ現実のものとなるか知れない『死』の影が断続的に二人の関係に影を落とすが、同時にそれは今ある『生』を苦しいほどに輝かせる刹那でもあった。  「ヤングアダルト」なる小説のジャンルがあることを、『クロワッサン特別編集 すてきな読書』で知った。『ハリー・ポッター』シリーズや、過去に読んだフランシス・ハーディング『嘘の木』などと並んでこの本が紹介されていて、興味を持った。今回感想文を書くにあたってブクログで検索したらこの表紙の写真が出てきて(私が読んだのは可愛らしい牧歌的なイラストが描かれた単行本だった)、観たことはないけれどタイトルは聞いたことがあるこの映画の原作であることを知った。  不治の病に侵されたティーンエイジャーの男女を主人公に据えた物語で読者の涙を誘うことはおそらく容易い。でもこの作品はありきたりな御涙頂戴ものではまったくない。若き登場人物たちのエッジの効いたテンポの良い会話はユニークで痛快だし、愛する我が子を失う日がいつ来るとも知れない不安を心の奥底に常に抱えながら、できる限り穏やかに、適度な距離を努めて保って、子どもの成長を、苦悶を、逡巡を、希望を見守ろうとする親たちの姿は胸を苦しくさせる。本来ならまだその気配すら感じずにいられた『死』を日々意識せざるを得ないヘイゼルも、アウグスタスも、サポートグループの他のメンバーも、本当はもっと泣いたり喚いたり誰かに思い切り感情をぶつけたりしたいだろう。でもそうする代わりに自分たちを苦しめる病魔をネタにして、読んでいるこちらはそこまで言って大丈夫?!とハラハラしてしまうような自虐ジョークを言い合って笑う。今ある命、今自分たちにできることを最大限に謳歌して、懸命に生きようとする彼らの儚くて力強い生命力が印象に残った。

Posted byブクログ

2023/03/01

ジョン・グリーンさんの 『THE FAULT IN OUR STARS』 翻訳本『さよならを待つふたりのために』 金原瑞人•竹内茜訳 去年1番泣いた本。 洋書で読み、理解の浅かった部分を確認したくて 図書館で借りる。 洋書を読むと翻訳本ではどのような表現になっているのだろう?...

ジョン・グリーンさんの 『THE FAULT IN OUR STARS』 翻訳本『さよならを待つふたりのために』 金原瑞人•竹内茜訳 去年1番泣いた本。 洋書で読み、理解の浅かった部分を確認したくて 図書館で借りる。 洋書を読むと翻訳本ではどのような表現になっているのだろう?翻訳本を読むとその反対を思う。 んーつまり、勉強不足…。 翻訳者さんって素晴らしいな。 たくさんの感動を届けてくれる翻訳者さんに 最敬礼です( ̄^ ̄)ゞ

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2022/12/19

ヘイゼルは16歳.甲状腺がんが肺に転移して,酸素ボンベが手放せないまま,もう三年も闘病をつづけている.骨肉腫で片足を失った少年オーガスタスと出会い,互いにひかれあうが…….生きて人を愛することのおかしみや喜びをまっすぐに描き,死をみつめながら日々を送る若者の生々しい感情をとらえた...

ヘイゼルは16歳.甲状腺がんが肺に転移して,酸素ボンベが手放せないまま,もう三年も闘病をつづけている.骨肉腫で片足を失った少年オーガスタスと出会い,互いにひかれあうが…….生きて人を愛することのおかしみや喜びをまっすぐに描き,死をみつめながら日々を送る若者の生々しい感情をとらえた,傑作青春小説.映画「きっと、星のせいじゃない」の原作小説。 映画版とほぼストーリーは同じだが、オーガスタスにがんで亡くなったキャロライン・メイザーズという元カノがいて、ヘイゼルとよく似ていたためオーガスタスの自分に対する好意に自信がなくなり、自分のためにオーガスタスに迷惑をかけたくないというヘイゼルの葛藤、ヘイゼルの親友ケイトリンと以前のように仲良く過ごせない距離が縮まらないヘイゼルの悲しみが映画では描かれていない部分なので、映画を見た人でも楽しめる傑作青春小説です。

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2022/08/13

最初はなじまない言葉(漢字に原語のカタカナ表記を当てられていたり、"文字通りキリストの心臓"とか)が多くて読みづらかったけれど、3分の1過ぎあたりから一気読み。 最後まで読んだあと、もう一度読み返すと、主人公や周りの人の感情がうまく書かれている箇所がところど...

最初はなじまない言葉(漢字に原語のカタカナ表記を当てられていたり、"文字通りキリストの心臓"とか)が多くて読みづらかったけれど、3分の1過ぎあたりから一気読み。 最後まで読んだあと、もう一度読み返すと、主人公や周りの人の感情がうまく書かれている箇所がところどころにあるのに気づきました。 酸素ボンベをつけたまま車を運転するとか、ちょっと想像が難しいけれど、想像に留めておけるのが本のいいところだとも思います。 キーポイントの一つだった主人公の愛読書(の作者)についてのエピソード、そして最後の主人公とその両親(特に母親)とのエピソードがよかった。

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2021/10/30

甲状腺がんが肺に転移して酸素ボンベが離せないヘイゼルと、骨肉腫で片足を失ったオーガスタスの二人は、がんと闘う子供たちのサポートグループの集会で出会います。 お互いに病気を抱えているからこそ、同情されることや「異質な存在」として見られたり扱われたりすることに敏感ですが、互いに相手...

甲状腺がんが肺に転移して酸素ボンベが離せないヘイゼルと、骨肉腫で片足を失ったオーガスタスの二人は、がんと闘う子供たちのサポートグループの集会で出会います。 お互いに病気を抱えているからこそ、同情されることや「異質な存在」として見られたり扱われたりすることに敏感ですが、互いに相手のありのままを理解するようになり、ひかれあい、愛し合うようになります。 若いがゆえに、病の進行も容赦がなく、二人に残された時間は長くありません。残された方を傷つけることを恐れたり、かえって「自分を傷つけてもよい存在として相手を選んだ」と考えてみたり。 死が身近であるからこそ、自分の生き方、自分が死んだ後の家族や恋人のことも考えていきる二人の姿が印象的です。文字通り「命を燃やしながら恋愛する」二人の力に、心を打たれた作品でした。 親として、子供をがん(に限らず病気で)亡くすということは想像を絶する痛みを伴うと思います。そういった点からは(誰が悪いわけではないのに、その「運命」に選ばれてしまった)という不幸を受け入れる(最終的には受け入れざるを得ない)家族の強さも、非常に印象的でした。

Posted byブクログ

2020/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時間はいくらでもあると思い、愛する人をぞんざいに扱ってしまうなんてことをしないようにしよう、と思わせてくれる本。 いつか必ず終わりがくる、命も愛も、時間は有限で、それは人間に限った話ではなくこれは宇宙レベルでそうなのだ。大げさで極論的な見解だけれど、まぎれもない事実。誰かとの関係の始まりは、終わりのはじまり。愛する人とあと何年、何日、何時間一緒に居られるかなんて、本当に分からない。終わりは突然訪れる。だから、今こと瞬間を大事にしようと思う。

Posted byブクログ

2020/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

きっと、星のせいじゃない。 難病モノはある程度先が読めてしまう、という人こそ読んでほしい。そうじゃない。死を思うこと、愛すること、自分の生きる意味を考えることは、生まれてきた人すべてに共通することだから。 甲状腺がんが肺に転移して酸素ボンベが手放せないヘイゼル。骨肉腫で片脚を失ったオーガスタス。彼女と彼の家族、がんのサポートグループのメンバー、がんではない友人、元小説家など、それぞれの登場人物が精一杯、不器用に生きている。 ヘイゼルの愛読書『至高の痛み』の作者ピーター・ヴァン・ホーテンが印象的。あれほど自分に寄り添ってくれる物語の作者だから人格者だろう、作者は読者の期待に応えてくれるはずだという思い込みをぶち壊す。ヘイゼルはずっと知りたかった登場人物たちのその後を教えてもらえなかった。つい、ヘイゼルには時間がないのに、と思ってしまったが、それは別にヴァン・ホーテンには関係ないことなのだ。そして彼が『至高の痛み』に託した苦しみや悲しみが明らかになる。不安や絶望は比べられるものではなく、一人ひとりが自分の辛さを抱えていくのだ。 ヘイゼルの母が、オンラインで大学の講義を受け、ヘイゼルの死後にできることを考えていることがわかったところ、そしてそれを喜ぶヘイゼルのシーンは光が射したよう。ヘイゼルはずっと知りたかったアンナの母のその後を知れたのだ。娘を亡くした後、母がどうなるかを。そんなヘイゼルの愛に心が揺さぶられた。そんなヘイゼルを的確に描写した、オーガスタスの弔辞。 生きていくうえで何を大切にするか、誰を愛するか、何に苦しみ、何に喜びを感じるか。生きている証を残したい、と、誰も傷つけたくない。軽やかに生き、宇宙に気付き、愛したい。相反する、繊細で、途方もない願い。

Posted byブクログ

2020/03/03

YA向けブックガイドから。年齢的にはまだ大人でもないのに、突然癌の不条理に曝されて、それでも病気と向き合わなければならないリアルが、容赦なく描かれている。当たり障りなく、お涙頂戴ものに落とし込むのはさして難しくないと思われるけど、安易な悲劇に走らず、主人公たちの死生観に真摯に向か...

YA向けブックガイドから。年齢的にはまだ大人でもないのに、突然癌の不条理に曝されて、それでも病気と向き合わなければならないリアルが、容赦なく描かれている。当たり障りなく、お涙頂戴ものに落とし込むのはさして難しくないと思われるけど、安易な悲劇に走らず、主人公たちの死生観に真摯に向かっていく展開が秀逸。

Posted byブクログ