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渋沢栄一(上) の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2021/03/11

お札の肖像画にも決まり、大河ドラマも始まった、日本資本主義の父・渋沢栄一の評伝。文庫だけどかなり分厚い。算盤偏(上)では、幼少期から幕末を経て、明治20年ぐらいまでを追っています。波乱万丈の時期だけに渋沢栄一の若き人生を辿るだけでも面白いのだが、本書は単なる伝記ではなく、本人に著...

お札の肖像画にも決まり、大河ドラマも始まった、日本資本主義の父・渋沢栄一の評伝。文庫だけどかなり分厚い。算盤偏(上)では、幼少期から幕末を経て、明治20年ぐらいまでを追っています。波乱万丈の時期だけに渋沢栄一の若き人生を辿るだけでも面白いのだが、本書は単なる伝記ではなく、本人に著者やら種々の資料から渋沢栄一の思想や人物像とその時代背景を追っているので、本書を読むと、近代の社会経済の発展、歴史について同時に学ぶことができる。特に本書では、幕末のパリ万博において渋沢栄一が出会ったサン・シモン主義なるものがに影響を与えたという視点が大きく解説されています。幕末日本というと、日本を中心に描かれることがほとんどだが、そのとき日本にやってきた欧米諸外国がどのような状況だったのかというのが同時に描かれているのがとても新鮮で、世界の歴史の一部として幕末日本を捉え直すことができる。

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2019/09/26

渋沢栄一が一万円札の肖像画になるというので読んでみましたが、明治という日本の大転換期に日本の経済界にもたらしたその業績の大きさには目を見張るばかりです。上巻を読むだけで、銀行、鉄道、海運、保険、製紙など多くの株式会社を作りあげています。本書の序盤では、渋沢の幼年時代と、フランスに...

渋沢栄一が一万円札の肖像画になるというので読んでみましたが、明治という日本の大転換期に日本の経済界にもたらしたその業績の大きさには目を見張るばかりです。上巻を読むだけで、銀行、鉄道、海運、保険、製紙など多くの株式会社を作りあげています。本書の序盤では、渋沢の幼年時代と、フランスに渡って「サンシモン主義」を学んで帰る部分が著されていますが、当時のフランスに関しての説明は少々回りくどい感じを受けました。勉強にはなりましたが。終盤になるとある程度経済に関しての説明が多くなるので、経済の基礎的な知識は持っていないと読むのは少々しんどいかもしれません。個人的にはとても勉強になった一冊でした。

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2019/06/06

渋沢栄一がお札になると聞いたが、何をした人か知らなかったので読む。 途中までは超面白い。特に、渋沢に資本主義を教えた重要人物フリュリ=エラールの遺族にコンタクトを取り、未だ見ぬ歴史資料を送ってもらうところなど、わくわくする。 後半は史実を追うだけになりがちで、そこまで興味を惹かれ...

渋沢栄一がお札になると聞いたが、何をした人か知らなかったので読む。 途中までは超面白い。特に、渋沢に資本主義を教えた重要人物フリュリ=エラールの遺族にコンタクトを取り、未だ見ぬ歴史資料を送ってもらうところなど、わくわくする。 後半は史実を追うだけになりがちで、そこまで興味を惹かれなかった。 まだ下巻もあるのか。

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2018/11/05

渋沢栄一の若かりし日のことは全然知らなかった。そこそこ裕福な百姓に生まれて、学問をして、尊皇攘夷にかぶれて、なりゆきで一橋慶喜の家来経由で幕臣となる。時代のせいではあるが、ここまででもけっこう波乱万丈。で、なんでこの本を鹿島茂が書いたかというと、ここで渋沢は、慶喜の弟がパリ万博へ...

渋沢栄一の若かりし日のことは全然知らなかった。そこそこ裕福な百姓に生まれて、学問をして、尊皇攘夷にかぶれて、なりゆきで一橋慶喜の家来経由で幕臣となる。時代のせいではあるが、ここまででもけっこう波乱万丈。で、なんでこの本を鹿島茂が書いたかというと、ここで渋沢は、慶喜の弟がパリ万博への使節をするお供としてフランスへ渡るのだ。稼業をやっていた頃から商才はあった渋沢は、使節団の台所を仕切るうちにアテンドしてくれた銀行家や、万博そのものから影響を受ける。それが、そのときたまたまナポレオン3世時代のフランスを席巻していたサン・シモン主義だと。 たしかマルクス主義者から空想的社会主義ってこきおろされていたあたりかな。鹿島茂の筆によると、資本主義とどう違うのかよくわからないくらい。技術志向、経済志向が強く、政治面ではノンポリ風。産業革命に乗り遅れたフランスの近代化に巧があったとか。それが同じく後発国の日本、すなわち渋沢にフィットしたのではと。 大政奉還のせいで帰国した渋沢は駿府の慶喜のもとに行くが、藩の役職を蹴って会社(商法会所)を起こし、大蔵省に召抱えられたあと、第一銀行で実業家として本格的にスタートする。ここらへんの当時としてはきわめて例外的な民間志向は、若かりし日に借金を要求してきた代官から差別的な扱いを受けた経験がベースにあり、それがパリで確固になったと。そこからの八面六臂の活躍は良く知られたところ。 銀行と融資先の企業の役員を兼務してベッタリだったりと、今では考えられない時代であるが、そこが明治の面白いところか。ただ江戸時代生まれの人間として、論語をベースにした倫理観がしっかりしていた。 もとは雑誌連載で鹿島茂らしい歯切れのよい語り口。自分の描いた筋立てに引き寄せて牽強付会な感じはするが、まあそういうものと割り引いて読めば面白い。渋沢のバイタリティとまっとうさは尊敬に値する。

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2014/09/10

【バトルロワイヤルのなか、いかに儲け続けるのか?】ドラッカーも絶賛した近代日本最高の経済人。彼の土台となったのは、論語と算盤、そしてパリ仕込みの経済思想だった。鹿島茂が描く!

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2014/06/24

渋沢栄一の名前は知っていても、その実、何をした人なのか知らない人が多いのではないだろうか。 本書では渋沢とサン=シモン主義との関係が深く考察されている。1867年のパリ万博という、まさにその時その場所に渋沢がいなければ、彼はサン=シモン主義を深く知ることもなく、ひいては明治維新以...

渋沢栄一の名前は知っていても、その実、何をした人なのか知らない人が多いのではないだろうか。 本書では渋沢とサン=シモン主義との関係が深く考察されている。1867年のパリ万博という、まさにその時その場所に渋沢がいなければ、彼はサン=シモン主義を深く知ることもなく、ひいては明治維新以降の日本もまた大きく違ったものとなっただろう。 本書のまえがきにある”ヒルズ族”と著者との間のエピソードは非常に興味深い。彼らが本書を読んで渋沢栄一のことを知っていたならば、著者の謂わんとしてことは分かったはずである。経営者や企業家と呼ばれる人たちは、凡百のビジネス書を読むよりも本書をまず読むべきであろう。

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2014/02/19

埼玉の生んだ「資本主義の父」、ある時、名前は知ってるけどそれ以外あまり知らないと思ったのと、県の有名人のこと位知っときいたいと思い購入、読みきりました。 才能と感性を頼りに、近代企業創設した明治中盤くらいまでのことが書かれています。とりわけフランスへの派遣時代の話というか、フラ...

埼玉の生んだ「資本主義の父」、ある時、名前は知ってるけどそれ以外あまり知らないと思ったのと、県の有名人のこと位知っときいたいと思い購入、読みきりました。 才能と感性を頼りに、近代企業創設した明治中盤くらいまでのことが書かれています。とりわけフランスへの派遣時代の話というか、フランスで出会った渋沢栄一の経済人としての根本的な思想(サン =シモン主義)を追い求めることが大きな分量があります。 文語体、渋沢本人の語った言葉などの引用には、わかりやすいように、「要は~」などと入れてる部分もあり、読者に読みやすく書いてありました。その一方でとにかく長いことだけが、気になりました。

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2013/12/15

長い。もう少し要点を絞っても良いのではないか。渋沢栄一のセンスは天性のものでもあり、農民から身を立てた経験でもある。ヨーロッパでの二年弱の経験は大きな影響。経済の考え方が当時の政府では特に優れていた。誰が渋沢栄一をサポートしたのだろう?官僚?経営と所有の分離を強く主張。岩崎弥太郎...

長い。もう少し要点を絞っても良いのではないか。渋沢栄一のセンスは天性のものでもあり、農民から身を立てた経験でもある。ヨーロッパでの二年弱の経験は大きな影響。経済の考え方が当時の政府では特に優れていた。誰が渋沢栄一をサポートしたのだろう?官僚?経営と所有の分離を強く主張。岩崎弥太郎の起業家的考えとは相容れない。サンシモン主義。海運で対立。三菱〜大隈、三井〜渋沢

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2013/10/07

 渋沢栄一が近代日本経済に資本主義を根付かせることができたのは、社会システムの理解に長けた渋沢という男が、フランスという短期に民力を集めて資本主義国家を形成した国に留学していたからだ、という視点で渋沢の素養とフランスのサン=シモン主義との融合が描かれている。  なるほど、明治維新...

 渋沢栄一が近代日本経済に資本主義を根付かせることができたのは、社会システムの理解に長けた渋沢という男が、フランスという短期に民力を集めて資本主義国家を形成した国に留学していたからだ、という視点で渋沢の素養とフランスのサン=シモン主義との融合が描かれている。  なるほど、明治維新前後の経済に対する日本人の意識やその変化は渋沢栄一を中心に見ていくと非常に分かり易い。

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2022/05/01

資本主義の本質を見抜いた渋沢栄一の ルーツを探るドキュメンタリー。 サンシモンと報奨システム。 小さな資本を集めて大きな資本を動かすシステムを作り上げた。 卓越した経営者ではなくプランナー。 小説にしてもらえたらなおよし。

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