きことわ の商品レビュー
つかみどころがなかった。 回想なのか、空想のことなのか、現実のことなのかがわからなくて読み返すことが何度かあった。 自分の読解力の問題かと思ったら、あえてそう書くことで筆者の世界観を表現しているようだ。
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皮膚のやわらかさや体温、湿り気を感じる。 夢と現実との曖昧な境界線。 たゆたうのなら、こんな夢の中がいい。 揺らぎを覚える記憶に名前をつけるとしたらなんだろうかと、ふと思った。 思い出す、降ってくる、浮かび上がる。 そのどれでもあり、どれでもないような二十五年前の記憶。 立ちのぼ...
皮膚のやわらかさや体温、湿り気を感じる。 夢と現実との曖昧な境界線。 たゆたうのなら、こんな夢の中がいい。 揺らぎを覚える記憶に名前をつけるとしたらなんだろうかと、ふと思った。 思い出す、降ってくる、浮かび上がる。 そのどれでもあり、どれでもないような二十五年前の記憶。 立ちのぼり、横切り、通り抜けるようにしながら次々に現れては消えるそれらの曖昧さと際立ちは、きっと誰しもの心のなかに存在する。 通り過ぎた過去たちは、どれだけのものがありのままの姿を残して心の中に居座るのだろうか。 同じ場所であるはずなのに、お互いの中に存在するもの、しないもの、おぼろげなものを補い合い、夢であっても見ている間は本当のことなのだと思い至る。 先細りになる人間関係の先にたどり着いた 永遠子と貴子。 美しく響き、紡がれる文章の先。 二人を繋ぐ、やわらかな見えない何かを尊く思った。
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(再読) 人間の記憶の物語だと思いました。 思い出はそのままの形を保つことが難しいけど、確固たるものとして鮮明に残り続ける。 今まで忘れていたはずの出来事が、物や場所に触れることで蘇ってくる。 覚えていた記憶は本当の記憶なのか、曖昧な思い出もそこにあったという証拠がちゃんと残...
(再読) 人間の記憶の物語だと思いました。 思い出はそのままの形を保つことが難しいけど、確固たるものとして鮮明に残り続ける。 今まで忘れていたはずの出来事が、物や場所に触れることで蘇ってくる。 覚えていた記憶は本当の記憶なのか、曖昧な思い出もそこにあったという証拠がちゃんと残る。 残っていた証拠たちもやがては更地となる。 ただ、思い出を共有した、不思議な繋がりを持った人間関係だけが残る。 まるで詩のように柔らかな、しかし凛とした文章が、とても魅力的でした。
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25年の時を経てかつての別荘で再会する2人。現実の風景と昔の記憶が入り混じり、時を隔てて同時に思い出と現実に浸る文学的な小説。個人的には少し退屈で合いませんでした。
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子供の頃の微睡みの中に見る夢現のような物語。自分が体験したことなのか夢に見たことなのか分からない、でも確かに自分の中にある思い出。 読んでいると自分も葉山で過ごしたことがあるのではないか、と錯覚するように記憶に紛れ込んできた。 子供の頃の夏の特別さを閉じ込めた作品だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今年一冊目に読んだTIMELESSも、不思議な読了感と言葉の美しさがすごく好きで印象に残っているんだけど、本作もまた、すごく不思議な読了感で夢見心地。過去と現在、夢と現実が絡み合って未来に続いていく。夏に父を亡くし、実家に帰っては父がいた場所、父が歩く姿、父の声、言葉、あの時の色々を思い出して、過去と現在がごちゃごちゃになっていたので、そんな今のタイミングで読めてよかった、より深く物語に入り込めた気がします。今はもうみなくなったけど、暗闇の中で誰かに抱かれて、大丈夫大丈夫、って声をかけられる夢をよくみていたんだけど、あれはきっと死んだ祖母で、1.2歳の頃の私の記憶が夢に現れていたんだと思う。その夢を見ると妙に安心していられた、大切な夢でした。夢と過去と現実は全て繋がっている気がする。父の死を受け入れるには、まだ少し時間はかかるけど、無理に受け入れなくてもいい気もするな、とそんなことを思いながら読了しました。全ては繋がっている
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25年ぶりに再開した貴子と永遠子。 2人の記憶が絡まり合いながら、25年を埋めていく。 過去と現在、夢と現実が溶け合う世界にとぷんと浸かりながら読み進める不思議な感覚。曖昧で、浮遊感がある独特な文章。 絵画のような小説、という表現がしっくりくる。印象派の絵を思い浮かべながらペー...
25年ぶりに再開した貴子と永遠子。 2人の記憶が絡まり合いながら、25年を埋めていく。 過去と現在、夢と現実が溶け合う世界にとぷんと浸かりながら読み進める不思議な感覚。曖昧で、浮遊感がある独特な文章。 絵画のような小説、という表現がしっくりくる。印象派の絵を思い浮かべながらページをめくりました。
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第144回芥川賞 著者、朝吹さんの経歴と家系に恐れおののきながら読む(福沢諭吉と遠縁で父親実業家の母親名翻訳家てどゆことなの) 現実と夢が交差しながら進む物語 人の夢の話って、本当に興味ないじゃないですか でも(恐らく)ものすごい文章力で紡がれているのでむしろ、文字から自分の経...
第144回芥川賞 著者、朝吹さんの経歴と家系に恐れおののきながら読む(福沢諭吉と遠縁で父親実業家の母親名翻訳家てどゆことなの) 現実と夢が交差しながら進む物語 人の夢の話って、本当に興味ないじゃないですか でも(恐らく)ものすごい文章力で紡がれているのでむしろ、文字から自分の経験へと回帰しながら物語を読むことができてしまう これ、多分芥川賞の中でもそうとう上位の作品なのでないでしょうか 別荘とかそういうアイテム1つ1つに著者の幼少期の体験が少なからず混ざっており、それを小説として昇華させている 大変高度で嫌味を感じるわけでもなく(そこが僕は1番すごいと感じた)文章量の割に読書時間がかかりました 何故かと言うと自分の体験を思い出せと言われた気がして、その時間が読書中にあったから 果たして読み方合っているのかわからないですけど 結局、わかることしか「書けない」と思うんですよ 先日の加藤シゲアキでも思ったけれど、わかることを書いている時の作家ってパワーが違う この朝吹さんも恐らくわかることしか書いていない それが地上より1段上の空気なのに、読む側は不快感なく読むことができる 人によっては「!」となる作品な気がします ただ、慎太郎の選評の方が愉快さで言うと僕は上かな あ、あと解説の町田さんやりすぎ
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正直、言葉が甘ったるくて気分じゃなくて、前半はいつ読むの辞めようかと言う感じだったけど、そのノイズみたいな、表面的な触感を押し撫で浮き出てくる形が凄く面白かった。てかこの体験が良かったのかも。聞きたいのは、わが星好きですか?月の話があったから繋がったんだけど、それ以上に夢に見て、...
正直、言葉が甘ったるくて気分じゃなくて、前半はいつ読むの辞めようかと言う感じだったけど、そのノイズみたいな、表面的な触感を押し撫で浮き出てくる形が凄く面白かった。てかこの体験が良かったのかも。聞きたいのは、わが星好きですか?月の話があったから繋がったんだけど、それ以上に夢に見て、遠くから眺めているより、実物を目に入れたい。想像上より生きてるって感じたいみたいな。あと解説の町田康がやぱパンク
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きこととわこ、夢と記憶、記憶と現実、生と死など多くの境が曖昧にもつれ合っていく文章だが、その感覚までは文章に明らかにされてしまっているため読み手が持ち得ず。25年の時間的な隔たりが曖昧になっていくのは少しグッと来る。
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