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天国旅行 の商品レビュー

3.6

226件のお客様レビュー

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    30

  2. 4つ

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  3. 3つ

    80

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2014/09/28

タイトルを見たとにあ、イエモンだって思ったら、歌詞が引用されててちょっと親近感。 心中がテーマの短編集なので悲しいお話が多かったけど、「星くずドライブ」が悲しいはずなのにさらっと読めて楽しかったな。

Posted byブクログ

2014/09/07

他人からすると「どうして」と思えるようなことで、ひとは死を選ぶときもある。苦しみはいつでも、相対的なものではない。 きみの微笑み、きみと歩く見慣れた町並みが、どんなに私の心を明るくしたか、きみは想像したことがあるだろうか。きみが考えるより数十倍強く、きみは私の精神に影響力があった...

他人からすると「どうして」と思えるようなことで、ひとは死を選ぶときもある。苦しみはいつでも、相対的なものではない。 きみの微笑み、きみと歩く見慣れた町並みが、どんなに私の心を明るくしたか、きみは想像したことがあるだろうか。きみが考えるより数十倍強く、きみは私の精神に影響力があった。きみの言動、きみのふとした気色で、私は世界一幸福にも不幸にもなるように感じられたものだ。私のすべてはきみのものだ。きみと過ごした長い年月も、私の生も死も、すべて。 言葉を、心を、つまびらかに証すことができればいいのに。ずっと一緒だ、と安心させてあげられればいいのに。

Posted byブクログ

2014/08/15

14/08/15読了 心中をテーマにした7編の短編集 裏表紙に、「出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集」とあるけれど、希望が灯るかな?笑 希望というよりは、地面に這いつくばらない、死なない、それだけは守ってぎりぎ...

14/08/15読了 心中をテーマにした7編の短編集 裏表紙に、「出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集」とあるけれど、希望が灯るかな?笑 希望というよりは、地面に這いつくばらない、死なない、それだけは守ってぎりぎり生きていこうとするひとの業みたいなものが残る気がした。 三浦しをんは設定をつくるのが上手い、と誰かがのべていたけれど、長編よりは短編小説向きなのかも

Posted byブクログ

2014/07/20

あまり好きではない短編集だったことが、救いだった気がする。 一話一話がすごく重かった。 「死」を真ん中において、生きた人間がそこに踏み込んだりそこから逃れようともがいたりする様が、あまりにも本音で、まともに突きつけられると苦しくなった。

Posted byブクログ

2014/07/13

心中をテーマに据える7つの短編。 「心中」っていうのは誰かと共に死ぬことのはずだけど、この作品集ではかなり広くこの言葉を捉えてるのがすごいとこ。「初盆の客」「星くずドライブ」なんかはなるほどなぁと。 全体的に語り手がみんな身勝手なことも印象に残ったなぁ。みーんな勝手なこと思ってる...

心中をテーマに据える7つの短編。 「心中」っていうのは誰かと共に死ぬことのはずだけど、この作品集ではかなり広くこの言葉を捉えてるのがすごいとこ。「初盆の客」「星くずドライブ」なんかはなるほどなぁと。 全体的に語り手がみんな身勝手なことも印象に残ったなぁ。みーんな勝手なこと思ってる癖にそれを言わなかったり決めてかかったり諦めてたり。特に後半四つ。僕はそういう小説好きでない。対話し続ければ心中など起こりえないことの逆説的な主張なのかしら。 その中で異彩を放つのが「遺言」という作品。確かに勝手なんだけど押しつけがましくないし、最後の1ページは震えるほど美しい。三浦しをんの真骨頂。この短編だけで読んで良かったと思える。

Posted byブクログ

2014/05/17

死(心中)を扱った小説だったが重たさはなくさらりと読める。 「森の奥」と「初盆の客」「星くずドライブ」が個人的には好み。

Posted byブクログ

2014/05/07

自殺・心中の死を軸に、重さだけで終らせない変調に富んだ短編集。壮絶さを鮮烈に焼き付けられ、どう受け入れ、どう昇華するのか?…それぞれ完結のない文末は、キャスト毎の行方を考え寄り添わせる。"天国旅行"、、軽めの書題のトーンの中には妖艶さも混ざりこむ様だ。

Posted byブクログ

2014/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「心中」「自殺」をテーマとした死と向き合う人たちの話が7作収められています。 妻へのあてつけに自殺しようとしたり、一緒に死ぬことが愛の証と信じたり、一家心中の生き残りの者が過去の記憶と向き合いながら苦しんだりする。 個人的には「星くずドライブ」と「君は夜」が印象的。 死を決意しながらも、やっぱり生きていることのほうがが希望である、と思わせる作品が多い。 短編集なので移動中に飽きずに読めました。

Posted byブクログ

2014/04/25

初めて『天国旅行』に出会ったのは一年生の春。訪れた池袋のジュンク堂で、単行本の表紙を見て是非読んでみたいと思っていた。やっと手に入れて、読了。 いまをときめく三浦しをんさんの短編集。タイトル通り、心中や死をテーマとした作品の集まりだった。『森の奥』では自殺を決意して樹海に迷い込...

初めて『天国旅行』に出会ったのは一年生の春。訪れた池袋のジュンク堂で、単行本の表紙を見て是非読んでみたいと思っていた。やっと手に入れて、読了。 いまをときめく三浦しをんさんの短編集。タイトル通り、心中や死をテーマとした作品の集まりだった。『森の奥』では自殺を決意して樹海に迷い込む男、『遺言』では再三死を決意するほど実のこがれる恋にやつした男の独白。他七篇が収録されている。 印象に残ったのは『君は夜』と『炎』『SINK』だった。 『君は夜』では夜な夜な夢の中で江戸時代の人間として生活する理沙。夢の第二の人生に囚われながら、鏡映しのように根岸との関係にのめり込んでいく。 『炎』は毎日バスで通学していた私は、立木先輩に密かに想いを寄せていたが、ある日先輩は突然焼身自殺をしてしまう。先輩との恋人である初音と共に真相を究明するために奔走する。 『SINK』は一家心中の生き残りだった悦也と、彼の仕事仲間であり腐れ縁の友人である悠介との友情とは言い切れぬ関係。 どれも誰かの死、あるいは自分の死において人生が揺らいだ人々の物語だ。物語の上で死を描くのは容易い。そういった事実を述べてしまえばいいだけだ。だがそれは現実と同じように、物語の中でも多大な影響を及ぼすものであるはずだ。『君は夜』のようにあるひとりの女性を初めから終わりまで支配することもあるだろうし、『炎』や『SINK』のようにそれぞれを引きつける繋がりとなることもあるだろう。 巻末の解説では角田光代さんが「「泣ける」という言葉が、感動と混同されるようになって、そうした安易な死が増えているように私は勝手に思っている」と言っていた。 それを読んだとき、本編とは直接関わりのない一文ではあるが、「それだ」と確信を得た気持ちになった。 これら七篇の物語のように、死というものは人に絶大な奔流をもたらす壮絶なものであるはずだ。その時一点においてはひっそりと、あるいは静かに、密かに終えてしまうこともあるだろう。だがその失うという事実が、失ってしまったという認識が、周囲の人間をときには繋ぎとめ、縛りつけ、引きつけたりと多様に作用するそのエネルギーとも言うべきベクトルを生じさせる。死そのものにそれがあるのではなく、その事実から水面に落とした石のように波紋が大きく広がって行くのであって、言ってしまえば死そのものには揺らぎを起こすきっかけでしかない。それがあるから安易に「感動」と結び付けることに違和感があった。 この短編集はまさにそれを描いてくれていると思う。どれも感動とは言い切れない内容や結末だが、存在する「死」というものにそれぞれが惑い引き寄せられ混乱しながらも消化しようと喘いでいる。真に迫った語りかけでありながら、読みにくさを与えないのは三浦さんの淡々としながらさっぱりとした文章のおかげだろうか。 どれも幸せとは言い切れない結末が多い。それでもどうか、汚れた心とこの世にさよならをしないで、と語りかけているようでもあった。

Posted byブクログ

2014/04/22

心中をテーマにした短篇集。けっこう衝撃的な話とか、ひどい話もあるけど、あったかくじんわりくる話もある。 「遺言」がすばらしかったです。なんともいえず。 あと、「星くずドライブ」の、少女漫画みたいな設定と展開に、ずっとどうにもしがたい絶望感が漂ってる、不安感みたいなのもすばらしい。...

心中をテーマにした短篇集。けっこう衝撃的な話とか、ひどい話もあるけど、あったかくじんわりくる話もある。 「遺言」がすばらしかったです。なんともいえず。 あと、「星くずドライブ」の、少女漫画みたいな設定と展開に、ずっとどうにもしがたい絶望感が漂ってる、不安感みたいなのもすばらしい。 かなりおもしろかったです。

Posted byブクログ