天国旅行 の商品レビュー
心中をテーマにした短編集。全体的に言葉が綺麗でページをめくりながら何回も同じ言葉を読み返したりなんかしながら楽しく読みました。特に好きなお話は「君は夜」と「SINK」。二つとも最後があまり救われないお話で… 特にSINKはもやもやするな~続きが気になる。友情を超えた何かが恋愛で...
心中をテーマにした短編集。全体的に言葉が綺麗でページをめくりながら何回も同じ言葉を読み返したりなんかしながら楽しく読みました。特に好きなお話は「君は夜」と「SINK」。二つとも最後があまり救われないお話で… 特にSINKはもやもやするな~続きが気になる。友情を超えた何かが恋愛であるとは限らないし、、
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「舟を編む」以来の三浦しをんさんの本。死にまつわる話を書いた短編小説。 「森の奥」では青年の正体が気になったし、最後の消息も気になりましたが、行きたいと言う気持ちが勝って良かったと言う結末。 「遺言」では、生涯変わらないものは世の中ないのだなと思いました。過去は特に美化される...
「舟を編む」以来の三浦しをんさんの本。死にまつわる話を書いた短編小説。 「森の奥」では青年の正体が気になったし、最後の消息も気になりましたが、行きたいと言う気持ちが勝って良かったと言う結末。 「遺言」では、生涯変わらないものは世の中ないのだなと思いました。過去は特に美化される傾向にあるのだと思う。 「初盆の客」では、不器用な愛や恋の形だけど、良いなと思いました。 「君は夜」は不気味な感じ。ただ、夢の世界も生活の一部で、実生活に影響があるのは、話にもよるけどうらやましいかも。 「炎」は利益が重なったときの女性の怖さを感じました。 「星くずどらいぶ」は、幽霊との切ない恋。でも、一生独身と思えば、体に触れることが出来なくても羨ましいかも。 「SINK」は、生き残ったものに出来ることは、死の理由を書き換えること。それが出来る権利を持つのも、その人だけだと思う。 全体的に、文書が綺麗。
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心中をテーマにした作品集。テーマは重い、でも読みやすい、でも死を軽んじているわけではない。読後感もこのテーマにしては苦しくない。今ある生を、だいすきな人たちと体温をもって生きていられる今を大切にしようと思った。
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現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。 すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。 心中(もしくは自死)をモチーフにした短編集。 テーマは心中でありながら、主人公はみな生きる人たち。 死を身近に何を考え、何を想うのか。 死を選ぶ人たちにとって、死...
現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。 すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。 心中(もしくは自死)をモチーフにした短編集。 テーマは心中でありながら、主人公はみな生きる人たち。 死を身近に何を考え、何を想うのか。 死を選ぶ人たちにとって、死は救済であり、絶望的な生からの離脱であり、誰かに何かを訴える究極の手段でもある。 一方で、本書に登場する死は、餓死、焼死、溺死と壮絶なものが多いです。 「天国旅行」なんて美しいタイトルに反して、死は残酷な一面も持っている。 解説で角田さんが言っているように、小説では時に死が不必要に美化されていたりすることがあって、読み手を泣かせるためだけに描かれていることさえある。 それでも、誰にも等しく1度しかない「死」について、読みたびに涙してしまう。 本書では淡々と妻への想いを綴る「遺言」に泣かされました。全体を通して、生と死と夢が入り混じる不思議な読了感。しをんさんの語り口がやさしくて好き。 「初盆の客」や「星くずドライブ」も切なくて好き。
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心中(自死)をテーマにした短編集。 だからけして軽くはないし楽しくもないけれど、単純にこの作者さんはおもしろい物語を紡ぐ人だな、と思った。 先が予想しにくいし、気になるからどんどん読み進められる。 角田光代さんによる解説にもあったけれど、不思議な関係性の物語が多かった。家族でもない、友だちでもない、でも実は自分を助けてくれているのは、親しくはない誰かなのかもしれない。 自殺しようとした人が救われて生きることに決めたり、本当は生きたかった人が報復のために死を選んだり、一家心中の生き残りが少しずつ希望のあるほうへ進んで行ったり…様々な“生と死”が描かれている。 綺麗事ではないし、泣かせるための死を描いているわけでもない。 ただ生物として産まれれば避けては通れない死というものを、壮絶に、厳しく、そして温かく描いている。 これもあとがきにあったのだけど、最近の物語は、読者を泣かせるために必然性のない死を扱っているものが多いように感じるとあって、確かにそうなのかもしれないなと思った。 それでも結局読んでて泣いてしまったりはするんだけど、そういう意味でこの小説は、それらの物語とは一線を画しているってことなんだと思う。 三浦しをんさんの小説を読むのは初めてでした。映像化されてるのはけっこう観てるんだけど(まほろ駅前シリーズとか、舟を編むとか)売れてる理由がわかった。 変わった設定が好きだからツボにはまった物語が多く、「初盆の客」「炎」がとくに心に残りました。
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独特な短編。 もう1回は読まないけどまあまあおもしろかった。夢での世界を持っている女性の話はこーゆー人もいるのかなって考えてしまった。ある意味2次元の世界を体感しちゃってる。
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読書時間 3時間20分(読書日数 16日) 「心中(死ぬ)」というテーマで書かれた短編集。前作「きみはポラリス」に続くものだと思っていたので、こういう一面を見ることができたのは、さすがは引き出しが多いなぁと感じることができる作品。 扱っているテーマが重たいだけあって、やっぱり...
読書時間 3時間20分(読書日数 16日) 「心中(死ぬ)」というテーマで書かれた短編集。前作「きみはポラリス」に続くものだと思っていたので、こういう一面を見ることができたのは、さすがは引き出しが多いなぁと感じることができる作品。 扱っているテーマが重たいだけあって、やっぱり心の中がモヤっとすることが多いのも事実だが、自分が「死ぬ」ということを日々考えていることもあって、どこか共感できちゃったりする部分も有る。 死ぬことで「想いを表現する」ということもあるが、それでも「生きてる方がいい」と最後には思い返させてくれるのである。
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三浦さんらしい、美しい文章だった。 特に『遺言』の文章の美しさがとても好きになった。死をどうとらえるか?角田さんの後書きも良かった。
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「心中」を共通のテーマにした短編集。生と死、小説のモチーフとしてはよくある題材だか、三浦しをんさんならではの切り口が斬新で、ひとつの作品を読み終える度にうーんと唸らせる。 死を選択する覚悟と逃避が、登場する人物の生き方でここまで違うのかと思う。ただ、子供を道連れにしたり、犠牲にす...
「心中」を共通のテーマにした短編集。生と死、小説のモチーフとしてはよくある題材だか、三浦しをんさんならではの切り口が斬新で、ひとつの作品を読み終える度にうーんと唸らせる。 死を選択する覚悟と逃避が、登場する人物の生き方でここまで違うのかと思う。ただ、子供を道連れにしたり、犠牲にするのは心が痛む。それだけは親の責任として絶対やってはいけない。
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心中をテーマとした一連の作品はどうにも読後感がよくない。 自ら選ぶ死というものが決して美しくも予定調和をもたらすものではないからなのだろう。 あとがきにもあるように、死を感動をもたらす万能の小道具として軽々に扱わない覚悟なのだろうか。 だからこそ、死を選ばない遺言の作品が心に残っ...
心中をテーマとした一連の作品はどうにも読後感がよくない。 自ら選ぶ死というものが決して美しくも予定調和をもたらすものではないからなのだろう。 あとがきにもあるように、死を感動をもたらす万能の小道具として軽々に扱わない覚悟なのだろうか。 だからこそ、死を選ばない遺言の作品が心に残った。 (2014.10.23)
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