スウィート・ヒアアフター の商品レビュー
どうしてあの災害を想いながらこんなに温かい作品が描けるのだろう、とあとがきを読みながら不思議でならない。 ただただ大好きな作品。
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主人公はとにかく前向きというか、悲しいはずなんだけど全然可哀想な感じではなくとにかく行動できる人でした。 読みやすかったです。
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よしもとばななは甘くて明るい。上質な砂糖菓子みたいに、甘いんだけど、くどくない。 既読作品でも感じましたが、今作は特にそんなばななカラーを強く感じました。 薄明るいピンク色の世界に、キラキラ輝く金色の粒子が舞ってるような世界でした…。 のっけから不穏なセンテンスで物語は始まって...
よしもとばななは甘くて明るい。上質な砂糖菓子みたいに、甘いんだけど、くどくない。 既読作品でも感じましたが、今作は特にそんなばななカラーを強く感じました。 薄明るいピンク色の世界に、キラキラ輝く金色の粒子が舞ってるような世界でした…。 のっけから不穏なセンテンスで物語は始まって、これは…重いやつや……と覚悟を持って読み進めたら、なんのなんの。失ったある人との記憶や温もりを糧に、軽やかに日々を過ごす主人公の姿が、ただただ眩しい。 大切な人を失った人間は、失うことの悲しみを知る人間は、その分優しく、強くなれる。 そうでありたい。 そうであってほしい。 そんな祈りのようなメッセージを優しく伝えてくれる物語でした。 大人のためのお伽話かもしれないな。
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心情描写がメインの、ほんの短い期間の機微とか 世の中の理を描いたような本だった。 天国がこういう場所だったらいいなと思った。 小夜ちゃんのような姿勢で生きることができたら何が来ても大丈夫そうだなと思えた。 共感できる微妙な描写が多くあった。 心が静かな時に響くような癒しの本。
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突然の交通事故で最愛の婚約者を失った女性が、臨死体験から恢復し、周囲から見守られ周囲を見守りながら、「大切なひとを失った自分」を受け入れ、自らの生を肯定していく、というストーリー。 作者お得意の「喪失→再生」もの。ここまで千篇一律に同じテーマを繰り返していること自体に敬服さ...
突然の交通事故で最愛の婚約者を失った女性が、臨死体験から恢復し、周囲から見守られ周囲を見守りながら、「大切なひとを失った自分」を受け入れ、自らの生を肯定していく、というストーリー。 作者お得意の「喪失→再生」もの。ここまで千篇一律に同じテーマを繰り返していること自体に敬服させられる。視点人物がこの世界の輝きと人間のあたたかさを改めて見出していく様子を描く表現はほとんど職人芸的で、掛け値なしで「うまいな」と思わせられる。欠落を抱えた人物どうしが出会い、スピリチュアルなものも含めて交歓を経て、互いが互いをケアしあっている様子をさりげなく描き取っていくさまもさすがの筆づかいである。 問題は、これが東日本大震災の被災者を意識して書かれている、という新しい言葉をどう受け止めるかだろう。作者は何ひとつ新しいことはしていない、というのは簡単だが、「3・11」という出来事は、作者にどんな課題意識をもたらし、どんな種類のモチベーションをもたらしたのか。作者自身の発言とあわせ、慎重に吟味する必要があるのだろう。
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久々のばななさん。この独特の甘くて鋭い雰囲気が前はそれほど入ってこなかったけど、私が歳とったからか、今回はすーっと入ってきた。すんなり受け入れられた。震災後に書かれた本。近い人が亡くなった人への優しいメッセージ。心がちょっと浄化される、優しく芯の強さがある物語だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
震災を経験したことで、書かれた本だった 京都が舞台になっている 私は京都が好きだ 今日起こることが好き そのときにするべきことをしている気持ちがいちばん大切 楽しく今を生きていくには、どうしたらいいのだろう、と思う
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正と死の間を経験して世の中のすべてを綺麗に受け止められる心を得る。そんな心を今から少しでも持ちたい、と思える本。
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よしもとばななさんの作品は全てじゃないかもしれないけど、登場人物のみんな心がきれいなのがいいと思います。 優しいふんわりした雰囲気の作品で、でも命という鋭いものをテーマにした素敵な話でした。
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生きることって簡単じゃない。 生きることって当たり前じゃない。必然じゃない。 この世に生まれることだけは、 人間の唯一の偶然だと思ってる。 簡単じゃない。当たり前じゃない。必然じゃない。 忘れないように。
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