庭師の娘 の商品レビュー
舞台は女帝マリア・テレジアが君臨する18世紀半ばのウィーン。 修道院の看護婦になる事を父親に決められた14歳の庭師の娘マリーが、メスメル医師の庭園の植栽を任され造園家の才能を開花させるまでの1年間が暦月で綴られる。季節とともに彩りを変えるさまざまな花や、ウィーンの街角の雑踏の中を...
舞台は女帝マリア・テレジアが君臨する18世紀半ばのウィーン。 修道院の看護婦になる事を父親に決められた14歳の庭師の娘マリーが、メスメル医師の庭園の植栽を任され造園家の才能を開花させるまでの1年間が暦月で綴られる。季節とともに彩りを変えるさまざまな花や、ウィーンの街角の雑踏の中を歩くマリーの姿が生き生きと描かれる。マリーの花々にメイドのブルジの料理と12才の神童モーツァルトの音楽が加わり幸せな結末への準備が整って行く。厚い本の後のデザートみたいに読むにはいい本でした。
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18世紀のウィーンを舞台に、女性の自立を描いた児童文学。主人公が庭師を目指すというところは現代的だけど、そのほかの設定はオーソドックスで、モーツァルト少年が絡まなければ、地味な印象だったろう。当時の人々の服装や生活をきちんと描いているところには好感を持ったし、後味の良い小説で子供に薦めやすいかなとは思う。 しかし。パン屋の跡取り息子と結婚したら、パン屋のおかみさんとしての仕事が当然あるわけで、(当時としては)前衛的なデザインを売りにし、依頼主の庭を転々とする庭師の仕事と両立できるとは思えず、生活や風景描写がちゃんとしているだけに、その現実味のなさが浮いているように感じられる。そのあたりはいかにも現代の作家らしいとも言える。19世紀の作家なら、主人公は庭師を目指さず、修道院からの解放と恋愛の成就を前面に出してハッピーエンドとするだろう。 庭を描いた児童文学としては『秘密の花園』や『トムは真夜中の庭で』を思わずにはいられないが、そこまでの物語的面白さはない。昔の少女が自立して職業を勝ち取るという点では『アリスの見習い物語』の方が良い。 当時の様子や、モーツァルトの幼少時代の雰囲気(あくまで作者のイメージだが)が分かるし、ちょっとうまくいきすぎる感じはするが、こういうのもたまにはいいかもしれない。 中村悦子の表紙の絵がとても美しく、内容にも合っている。
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気持ちが向かうのは花や木や庭のことばかり、という庭師の娘マリー。とうぜん、修道女になれと言われても身が入らない。でも、避けられないことと分かってどうにか受け入れようとするマリーの姿勢は、いま読めばもどかしいけれど、その時代はそれが精一杯だったんだろうなと感じる。 母代わりのブルジ...
気持ちが向かうのは花や木や庭のことばかり、という庭師の娘マリー。とうぜん、修道女になれと言われても身が入らない。でも、避けられないことと分かってどうにか受け入れようとするマリーの姿勢は、いま読めばもどかしいけれど、その時代はそれが精一杯だったんだろうなと感じる。 母代わりのブルジ、パン屋のヤーコプがいい人たち。 マリーが庭を想像するシーンが美しい。いろんな花が咲いて。 ときどき翻訳がよく分からないところがあった。元の文章もあんな感じなのだろうか。
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18世紀、自分の生き方を探す少女の物語。悪いお話ではないんだけど、主人公に共感できないままだった…。
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ひさしぶりに海外のYA小説を読んだ。 というか、時代物だし、ほとんど児童文学といえそう。 モーツァルトがかかわってくるあたりから面白くなるのだけど、なんともシンプルすぎる内容で、ちょっと肩すかし。 もう少しモーツァルトが深く内容に関与してくれたらなあ、と思えた。 さらに、もっ...
ひさしぶりに海外のYA小説を読んだ。 というか、時代物だし、ほとんど児童文学といえそう。 モーツァルトがかかわってくるあたりから面白くなるのだけど、なんともシンプルすぎる内容で、ちょっと肩すかし。 もう少しモーツァルトが深く内容に関与してくれたらなあ、と思えた。 さらに、もっとモーツァルトを変人だと想像していたので、純粋な天使少年なので驚いてしまった。 もちろん子供向けの読み物として、悪くない。 この時代に、少女の身で新しい発想の庭をつくることとその困難、当時の生活文化を知り、楽しむことができた。
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タイトルと装丁、物語があまりにもぴったりで、夢中でページをめくった。植物が大好きなマリーが望む生き方と厳しい現実の中をどう生きるか。本人の意志とともに周囲の環境も大切なのかもしれない。きっと庭師のお父さんの影響を大きく受けたのでしょう。もっとお父さんのことも書いてくれたらよかった...
タイトルと装丁、物語があまりにもぴったりで、夢中でページをめくった。植物が大好きなマリーが望む生き方と厳しい現実の中をどう生きるか。本人の意志とともに周囲の環境も大切なのかもしれない。きっと庭師のお父さんの影響を大きく受けたのでしょう。もっとお父さんのことも書いてくれたらよかったのになぁと思う。なぜか久しぶりに『秘密の花園』を読みたくなった。
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植物が好きで、斬新な庭づくりの才能をみせるマリー。けれど修道院に行くことが決まっていて・・・。マリーは自分の“やりたい”という気持ち、一度しかない人生を“やりたい”ことに費やす覚悟を過ぎていく日々のなかで試される。
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表紙がとても美しい。 ああ、こーゆー庭をのーんびり歩けたら気持ちいいだろうなあ。 才能ある少女とその才を認め、伸ばす手助けをしてくれる大人と。 目にも鮮やかな花々の色彩と、モーツァルトの軽やかな音楽と。 そーゆー時代だ、とばかりに自分の気持ちとは裏腹な道を進まされそうな 少女...
表紙がとても美しい。 ああ、こーゆー庭をのーんびり歩けたら気持ちいいだろうなあ。 才能ある少女とその才を認め、伸ばす手助けをしてくれる大人と。 目にも鮮やかな花々の色彩と、モーツァルトの軽やかな音楽と。 そーゆー時代だ、とばかりに自分の気持ちとは裏腹な道を進まされそうな 少女。だが、本人の悩み具合とは別に、読んでるこっちとしては 博士の導きを疑うことなく信じていられたので、気持ちよく最後まで安心して読める一冊。 そーゆー意味ではとても恵まれている少女の話、ともいえる。 けれど、都合よすぎだろ、という印象は全くない。 それよりも、少女の草花への愛情や、とある事件で結び付いた青年との 恋、そして庭づくりへの意気込み、など、描かれる細やかな感情の 流れが気持ちよい。 音楽は草花とおなじように身体によいものかもね、というマリーの言葉に そうだな、と素直にうなずく。 博士たち夫妻は実際の人物をモデルにしているとのこと。 なかなかバイタリティのある、素敵なひとたちだったみたいだ。 にしても、あの庭で彼の焼いたパンを食べたいなあ。
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表紙の印象通りの上品な味わい。 モーツァルトがいいアクセントになっている。 久しぶりに読んだな~こういうお話v
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庭と音楽と焼きたてのパンにあふれています♪ ファンタジーでもなく大事件も起きない、静かで淡々と、でも時折きらめく日常物語。 メスメル夫妻いい人たちですね。「女の子は考えられないとでも言うのかね?」 こんな人たちが側にいてほしい。こういう大人でありたい。 ヴォルフガング・モーツァ...
庭と音楽と焼きたてのパンにあふれています♪ ファンタジーでもなく大事件も起きない、静かで淡々と、でも時折きらめく日常物語。 メスメル夫妻いい人たちですね。「女の子は考えられないとでも言うのかね?」 こんな人たちが側にいてほしい。こういう大人でありたい。 ヴォルフガング・モーツァルト少年の生き生きとした描写よ。 飛んで跳ねていっぱいしゃべって、ペンにインクをぱしゃぱしゃつけて曲を書く姿が目に浮かぶようです。かわいい~。
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