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庭師の娘
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/08/01 |
JAN | 9784001156614 |
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商品レビュー
3.6
16件のお客様レビュー
舞台は女帝マリア・テレジアが君臨する18世紀半ばのウィーン。 修道院の看護婦になる事を父親に決められた14歳の庭師の娘マリーが、メスメル医師の庭園の植栽を任され造園家の才能を開花させるまでの1年間が暦月で綴られる。季節とともに彩りを変えるさまざまな花や、ウィーンの街角の雑踏の中を...
舞台は女帝マリア・テレジアが君臨する18世紀半ばのウィーン。 修道院の看護婦になる事を父親に決められた14歳の庭師の娘マリーが、メスメル医師の庭園の植栽を任され造園家の才能を開花させるまでの1年間が暦月で綴られる。季節とともに彩りを変えるさまざまな花や、ウィーンの街角の雑踏の中を歩くマリーの姿が生き生きと描かれる。マリーの花々にメイドのブルジの料理と12才の神童モーツァルトの音楽が加わり幸せな結末への準備が整って行く。厚い本の後のデザートみたいに読むにはいい本でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
18世紀のウィーンを舞台に、女性の自立を描いた児童文学。主人公が庭師を目指すというところは現代的だけど、そのほかの設定はオーソドックスで、モーツァルト少年が絡まなければ、地味な印象だったろう。当時の人々の服装や生活をきちんと描いているところには好感を持ったし、後味の良い小説で子供に薦めやすいかなとは思う。 しかし。パン屋の跡取り息子と結婚したら、パン屋のおかみさんとしての仕事が当然あるわけで、(当時としては)前衛的なデザインを売りにし、依頼主の庭を転々とする庭師の仕事と両立できるとは思えず、生活や風景描写がちゃんとしているだけに、その現実味のなさが浮いているように感じられる。そのあたりはいかにも現代の作家らしいとも言える。19世紀の作家なら、主人公は庭師を目指さず、修道院からの解放と恋愛の成就を前面に出してハッピーエンドとするだろう。 庭を描いた児童文学としては『秘密の花園』や『トムは真夜中の庭で』を思わずにはいられないが、そこまでの物語的面白さはない。昔の少女が自立して職業を勝ち取るという点では『アリスの見習い物語』の方が良い。 当時の様子や、モーツァルトの幼少時代の雰囲気(あくまで作者のイメージだが)が分かるし、ちょっとうまくいきすぎる感じはするが、こういうのもたまにはいいかもしれない。 中村悦子の表紙の絵がとても美しく、内容にも合っている。
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気持ちが向かうのは花や木や庭のことばかり、という庭師の娘マリー。とうぜん、修道女になれと言われても身が入らない。でも、避けられないことと分かってどうにか受け入れようとするマリーの姿勢は、いま読めばもどかしいけれど、その時代はそれが精一杯だったんだろうなと感じる。 母代わりのブルジ...
気持ちが向かうのは花や木や庭のことばかり、という庭師の娘マリー。とうぜん、修道女になれと言われても身が入らない。でも、避けられないことと分かってどうにか受け入れようとするマリーの姿勢は、いま読めばもどかしいけれど、その時代はそれが精一杯だったんだろうなと感じる。 母代わりのブルジ、パン屋のヤーコプがいい人たち。 マリーが庭を想像するシーンが美しい。いろんな花が咲いて。 ときどき翻訳がよく分からないところがあった。元の文章もあんな感じなのだろうか。
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