繁栄 の商品レビュー
まさに啓蒙書。蒙を啓くというか目からうろこがボロボロ落ちるというか。あまりの楽観論なので都合の良いところばかり鵜呑みにする危険性はあるが、悲観論に首元までどっぷり浸かった現代日本人にはこれくらいの本が適していると言えるだろう。文明バンザイ、成長バンザイ、都市・交易・イノベーション...
まさに啓蒙書。蒙を啓くというか目からうろこがボロボロ落ちるというか。あまりの楽観論なので都合の良いところばかり鵜呑みにする危険性はあるが、悲観論に首元までどっぷり浸かった現代日本人にはこれくらいの本が適していると言えるだろう。文明バンザイ、成長バンザイ、都市・交易・イノベーションによる繁栄。現在が最も恵まれた時代であるという主旨は、後発書の「暴力の人類史」にトーンが近いが、「暴力」は膨大な数値データ・グラフで説得力を持たせるが、本書は語り口と参考文献で首肯。 いかにして現生人類は今ここにあるか。 年号はほとんど無いが、ある意味、これが「世界史」と言えると思う。 繁栄に群がる寄生者・略奪者である官僚支配による停滞と衰退。 自由交易による繁栄の果実を国家・政府が刈り取ろうとするのをどうすれば防げるのか。 国家・官僚という存在は、自由な交易・専門化・イノベーションによって生じた繁栄を1か所にとどめないよう寄生・略奪する、生態系を調整する役割を果たしているということか。収穫に群がるカラスの類だ。 テクノロジーが科学を生み出すという逆転の発想。確かに、CERNを見れば、そういうことか。現象が無ければ理論は生み出せない。 交易による繁栄の概念は、自分が持てるものを持ち寄り、お互いが欲しいものを持ち帰る、性善説的なネット集合知の青臭い理想が捨てたものではないと思わせる。
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10万年もの人類史を振り返り、どのように人類が繁栄してきたのかを説いた話。人類がある時期を境に他の生物とは異なる凄まじい繁栄を遂げてきた原因は「交換」と「専門化」にあると著者は言う。 また、原題が「The Rational Optimist」であるように、(理性ある)楽観主義で物...
10万年もの人類史を振り返り、どのように人類が繁栄してきたのかを説いた話。人類がある時期を境に他の生物とは異なる凄まじい繁栄を遂げてきた原因は「交換」と「専門化」にあると著者は言う。 また、原題が「The Rational Optimist」であるように、(理性ある)楽観主義で物事を捉えるべきだとも。悲観主義は一見賢そうに映るけど、歴史をひも解くとほとんど予測外してますよね?という恨み言も見え隠れする。 文中にある環境や身体に良さそうな「再生可能エネルギー」「有機農業」の利用を広げると、実はかえって環境破壊に加担することになるという話はなかなか興味深かった。 疑問に感じたのは、新エネルギーの活用には懐疑的である点。藻やミドリムシの可能性を研究している企業が登場し始めている今日、著者の考える以上の技術革新が世界をまたしても上質に塗り替えていくに違いない。楽しみ!
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本書によると、人類とその他の生物の違いは分業化からくるイノベーションにあり、そのおかげで例をみない繁栄ができたとある 本書の細部がどこまで正確かは議論があるとは思うが、 全体像としては極めて正しいと思う 未来に対して楽観主義過ぎる様にも見えるが、 イノベーションに制限を加えない前...
本書によると、人類とその他の生物の違いは分業化からくるイノベーションにあり、そのおかげで例をみない繁栄ができたとある 本書の細部がどこまで正確かは議論があるとは思うが、 全体像としては極めて正しいと思う 未来に対して楽観主義過ぎる様にも見えるが、 イノベーションに制限を加えない前提においては、 正しいのだと思う ところで、本書の視点で日本を見ると怖くなる 世の中的に先端の研究開発していると見られている 企業ですら分業が下手で突出した個性を活用できない (問題意識はあるのでまだましだが・・) 教育、特に初等教育は更に悲惨で問題意識すらなく 分業のアーキテクチャーを構想できる人材や 分業化において突出した能力をもつ人材を 徹底的に排除しているようにしか見えない この国がどうなってしまうのか心配・・・
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「昔は良かった」という人達がいるが、現在の世界は50年前に比べて格段に良くなっている。便利なものはより便利に、より安く入手・使用することができるようになった。平均寿命も延び、乳児死亡率も低下している。 著者は自分が「合理的な楽観主義」だという。資源の枯渇や環境汚染が騒がれている...
「昔は良かった」という人達がいるが、現在の世界は50年前に比べて格段に良くなっている。便利なものはより便利に、より安く入手・使用することができるようになった。平均寿命も延び、乳児死亡率も低下している。 著者は自分が「合理的な楽観主義」だという。資源の枯渇や環境汚染が騒がれているが、新たな資源の可能性はいくらでもある。また環境汚染でも、排気ガスが発する有害物質は減っている。この先の世界もそう悲観するものではない。 ということが具体的なデータを並べて示されている。 著者は原子力発電が主力になっていくとしているが、これは東日本大震災による福島の事故から修正されるべきだろう。著者の今の考えはどうなっているのだろうか。
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人類の10万年史を振り返ると、近現代の生活水準の向上は驚くべきものである。現代社会の抱える恐るべき貧困でさえ、個別的な事例の悲惨さはさておき全体的な視点から見れば、過去の歴史における破局的な貧困よりはマシであるのは間違いない。ことによると我々人類がマルサスの罠に捉えられていたころ...
人類の10万年史を振り返ると、近現代の生活水準の向上は驚くべきものである。現代社会の抱える恐るべき貧困でさえ、個別的な事例の悲惨さはさておき全体的な視点から見れば、過去の歴史における破局的な貧困よりはマシであるのは間違いない。ことによると我々人類がマルサスの罠に捉えられていたころの平均的な生活水準でさえ、現代人の感覚からすれば貧困状態と言っても間違いかもしれない。我々は、ともすれば、この科学技術社会を語る際に、産業革命以前の社会のノスタルジックな側面と対比しがちであるが、ノスタルジックな幻想を抱くことも多いが、「世界は常に良くなってきた」ことを、もっとキチンと認識すべきである。 というのが、本書の主題。そこまでは文句なしに☆5の内容。そこから派生的に、「世界はこれからも良くなるだろう」という主張が繰り広げられるが、その部分は☆3かな。
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分業、専門化、交易が知識と情報の発展を促した。 この本に通底する楽観論に同感。 具体的な例を多く盛り込んでいるが、もう少し簡略化したほうが読みやすいのでは。
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合理的楽観主義。交換と専門化により集団的進化してきた人類は、今後も外的変化に適応して発展し続けるだろう。悲観的予測より楽観的予測がこれまでもこれからも正しいのは、知識の専門化とアイデアの交換で、発見や発明が枯渇することなく生み出され、益々、加速して行くから。
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未来はよくなる、絶対に。 恥ずかしげもなく抜かしてしまったが、そう言いたくなるくらい、清々しい読後感だ。 人類は「分業」と「交換」によって進歩し続けてきた。今後もそれは続くだろう。それどころか、ますますそのスピードは上がり、かつてない繁栄(!)がもたらされるだろう。 著者の主...
未来はよくなる、絶対に。 恥ずかしげもなく抜かしてしまったが、そう言いたくなるくらい、清々しい読後感だ。 人類は「分業」と「交換」によって進歩し続けてきた。今後もそれは続くだろう。それどころか、ますますそのスピードは上がり、かつてない繁栄(!)がもたらされるだろう。 著者の主張は、このことに一貫している。ドキドキするくらい楽観的だ。 極端な悲観論者を、パオロ・マッツァリーノ氏が「スーペーさん」と呼んで茶化している。悲観論は後ろ向きになるだけで、いいところがないのだ。悲観論を打ち破り、楽観的になれ。実はそれこそが何よりも難しいことかもしれない。
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マット先生の主張をまとめると「悲観主義にとらわれて萎縮するな、世界を良くするために、ただ進め!(確かに社会問題は数え切れないほどあって、悲観したくなる気持ちもわかる。だからこそ私のような人間が率先して、楽観主義者であろうと思う)」てなところ。その主張を確かなものにするために、膨大...
マット先生の主張をまとめると「悲観主義にとらわれて萎縮するな、世界を良くするために、ただ進め!(確かに社会問題は数え切れないほどあって、悲観したくなる気持ちもわかる。だからこそ私のような人間が率先して、楽観主義者であろうと思う)」てなところ。その主張を確かなものにするために、膨大なデータと分析事例が詰め込まれており、噛みごたえはじゅうぶん。 生まれでた限りは、どんなに些細なことでも社会を前に進める義務があると思う。勇気が出る一冊。
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人類はなぜ他の動物に見られない繁栄を可能にしたか?”交換と専門化”というシンプルな仮説とともに、アダムスミス、ダーウィンの思想をベースに人類10万年の歴史を紐解く一大ドキュメンタリー作品。 生殖による生物学的進化と、交換による文化的進化の累積が繁栄を解く鍵となる。その発想はネアン...
人類はなぜ他の動物に見られない繁栄を可能にしたか?”交換と専門化”というシンプルな仮説とともに、アダムスミス、ダーウィンの思想をベースに人類10万年の歴史を紐解く一大ドキュメンタリー作品。 生殖による生物学的進化と、交換による文化的進化の累積が繁栄を解く鍵となる。その発想はネアンデルタール人の絶滅にも言及する。現在は通信速度の発展に伴い、”交換”の加速がイノベーションの進化を促す。膨大な過去データの解析に裏打ちされた強固な信念を持つ筆者の未来予想図は合理的な楽観主義だと。なるほど~。
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