チョコレートの町 の商品レビュー
共感するか、面はゆいと思うか、反発するか、人それぞれの受け取り方ができる作品。しかも、ほとんどが丸く収まって、その点では読後感は暖かい。
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故郷、というものへの複雑な思いが描かれる。 いたる所で遭遇する友人、衣食住に頓着しない家族、町に漂う甘ったるいチョコレート工場からの匂い。中途半端な田舎ぐあい。 そんな故郷が嫌で上京したのに、仕事で戻るはめになった主人公。早く都会へ帰りたいと思いながらも職場の居心地は良く、時々ふ...
故郷、というものへの複雑な思いが描かれる。 いたる所で遭遇する友人、衣食住に頓着しない家族、町に漂う甘ったるいチョコレート工場からの匂い。中途半端な田舎ぐあい。 そんな故郷が嫌で上京したのに、仕事で戻るはめになった主人公。早く都会へ帰りたいと思いながらも職場の居心地は良く、時々ふっとほだされたりする。 嫌なところしか見えていなかったのが、一度離れてみるとイイところもあるし、地元に残る人にも理由があると分かってほんの少し愛着がわく。登場人物それぞれの思いが掘り下げられていて面白い。 気持ちの上で故郷を持たない私には共感しづらいけれど、地元とか故郷とかを思う時ってこんな気持ちなのかな、となんだか納得できた。
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舞台は地方都市の近く、チョコレート工場からの匂いが漂う中途半端な田舎町。 そんな町や無神経な家族に嫌気が差していた主人公の遼は、大学から都会に出ていたが、仕事の都合により臨時で故郷に帰ることになる。 そして、色々な人、様々な出来事を通して、故郷への気持ちが変わっていくというお話。...
舞台は地方都市の近く、チョコレート工場からの匂いが漂う中途半端な田舎町。 そんな町や無神経な家族に嫌気が差していた主人公の遼は、大学から都会に出ていたが、仕事の都合により臨時で故郷に帰ることになる。 そして、色々な人、様々な出来事を通して、故郷への気持ちが変わっていくというお話。 「地方都市の近くの町」のなんとも言えない中途半端さの描写が上手い! 車社会、すぐ噂が広まる、地元に残った人の地元志向の強さ、外からは見えないヒエラルキー、外に出てる人の格好のイマイチさ……とかとか。 都会に比べてなんか情けなさを感じるやつね。 人物も、「そういう人居るよね」ってなるリアルな描写でした。 沙知さんがとっても好き。素敵。 あと、若槻さんも素敵。ああいう風に年を重ねたい。
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遼が実家を出たかった理由、深くうなづきながら読んでた。 そうなんだよねぇ。 でも同感する場面ばかりじゃなく、遼を若いなと思ってしまう場面も多く、それだけ私が年を取ったのかもしれない。
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故郷の町を歩くたびに旧友と出会い、声をかけられる遼が羨ましいと思った。 それは、小さな町だからということではなく、遼がそれだけ慕われていることへの憧れだ。 長い間離れていても、昔の同級生から親しげに声をかけられる。遼の場合は、同級生だけでなく、職場の同僚や上司にも頻繁に食事に誘...
故郷の町を歩くたびに旧友と出会い、声をかけられる遼が羨ましいと思った。 それは、小さな町だからということではなく、遼がそれだけ慕われていることへの憧れだ。 長い間離れていても、昔の同級生から親しげに声をかけられる。遼の場合は、同級生だけでなく、職場の同僚や上司にも頻繁に食事に誘われている。 それだけ遼が付き合いやすく、魅力的な人なんだな、と思うのだ。 言っていいことと悪いこと、言うタイミング、自分の立場などをわきまえて、そのときに一番ふさわしい態度を取る。 そして、たまに本音(弱音も含む)を吐く。 みんなから慕われているけれど、本人がそれを自覚してないところもまた、人間たらしだなあと思う(褒めてます)。
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自分が地元に転勤したときのことを思い出して、主人公に共感した。 故郷を「中途半端」だと言うのもよくわかる。 嫌いではないけど特別好きなわけでもない。 それでも帰る故郷があるのはいいなと思った。
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地元ってうんざりすることも多い。狭すぎるコミュニティとか、不便さとか。でも少し離れると、良いところも見えてくる。生まれ育った街がかけがえのないものに思えてくる。嫌いにならずに、ずっと大切に思えたらいいなぁ。
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満足度高い。繊細で丁寧で優しいお話。小悪党くらいは出てくるけど、総じて人間味ある登場人物が魅力的。劇的なドラマではない、日常的なドラマを。誰にでもすぐそこにあるものを親しみをもって語られる暖かい良い物語だったなぁ。 「訪ねる」田舎はあるけど、「帰る」故郷は東京の自分にとっては想像...
満足度高い。繊細で丁寧で優しいお話。小悪党くらいは出てくるけど、総じて人間味ある登場人物が魅力的。劇的なドラマではない、日常的なドラマを。誰にでもすぐそこにあるものを親しみをもって語られる暖かい良い物語だったなぁ。 「訪ねる」田舎はあるけど、「帰る」故郷は東京の自分にとっては想像するしかない感覚が主題になっているけど、それでも楽しく読めたなぁ。地方出身者のひとに読んでみてもらって感想を聞きたいなぁ。
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故郷が好きになれずに都会に出て来たはずなのに、仕事の都合で一時的に戻ってみると、かつては見えなかった良いところに気付く。 自分も生まれた町を出て20年以上が経つので、また戻ると違う印象があるのかな。 飛鳥井さんの繊細な描写は、どれを読んでも心が温まります。
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仕事の都合で一時的に地元へ帰った主人公の気持ちを描いた作品。 飛鳥井千砂さんの作品はまだ2冊目だけど、感情の変化を描くのがとてもうまいと思う。そして脇役の良さ。私は実家を故郷と呼べるほど遠くにいたことがまだないため、主人公の気持ちは正直理解しきれるわけではないけれど、きっと離れた...
仕事の都合で一時的に地元へ帰った主人公の気持ちを描いた作品。 飛鳥井千砂さんの作品はまだ2冊目だけど、感情の変化を描くのがとてもうまいと思う。そして脇役の良さ。私は実家を故郷と呼べるほど遠くにいたことがまだないため、主人公の気持ちは正直理解しきれるわけではないけれど、きっと離れたらわかることなのかな。 チョコレートの匂いがする街、どんななんだろう。 【2014.10】
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