チョコレートの町 の商品レビュー
故郷をめぐるお仕事物語であり、恋愛小説であり、家族モノである。 故郷に対する立場・感情によって共感度がかなり変わるのではないか。個人的には 地元を嫌う気持ちの方がしっくりくる。だからなのか終わり方の問題なのか、読後の感動はほとんどなかった。
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"故郷を愛している"という台詞がキーワード。 強く印象に残りました。 実家が首都圏だから地元を離れる気持ちや嫌う気持ちはあまりわかりません。だけど、幼い頃過ごした土地を100%嫌うことってできないんじゃないかなって思いました。
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+++ 不動産会社で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任する。閉塞的な土地柄や何事にもいい加減な家族を嫌っていたが、友人の結婚問題や、父親の退職にまつわるトラブルなどを経て、見方が変わっていく。そして遼自身も自分を見つめ直していた。共感度抜群のエピソードがちりばめられた、一人...
+++ 不動産会社で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任する。閉塞的な土地柄や何事にもいい加減な家族を嫌っていたが、友人の結婚問題や、父親の退職にまつわるトラブルなどを経て、見方が変わっていく。そして遼自身も自分を見つめ直していた。共感度抜群のエピソードがちりばめられた、一人の青年の成長物語。 +++ 日本で四本か五本の指には入るであろう地方都市のすぐ近くの小さな町を故郷に持つ早瀬遼は、東京――と言っても川崎だが――の不動産会社で店長をしている。ある日、故郷の町の支店の店長の不祥事で、臨時店長として赴任し、久々の実家暮らしをすることになるのである。何もかもが中途半端な町や家族にいらいらしながらも、支店の人たちや、前店長の後始末をしに来ている人事部監査室の吉村さんとの関係は良好で、あちこちで出会う同級生たちも何かと声をかけてくれる。反対に、本来自分が店長を務める川崎の店には必要とされていないのではないかと、いささか自信を失ったりもする。自分自身の立ち位置や気持ちの変化に戸惑いながらも、いままで見えていなかった町のこと、家族のことが見えてきて、あれほど嫌っていた町を見直したりもするのだった。自分がほんとうにどうしたいのか、はっきりと答えが出たわけではないが、どこに暮らしていても、帰りたいと思える故郷になったことは間違いなさそうである。読めば故郷を愛していると思わず言ってしまいそうな一冊である。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大阪で生まれ育ったと言うてる俺、厳密に言うと尼崎で生まれて島本で育って今は大阪に住んでいる。でも職場は実家にかなり近い(2014年6月現在)が正解 さて、この作品の主人公、N(名古屋)近郊のチョコレート工場がある街(多分森永のある安城)で生まれ育ち、その街の閉塞感に嫌気がさして受験をきっかけに東京に出てきたしっかりもの。そんな主人公が仕事の都合で故郷に舞い戻ってきて…って話。 確かに故郷(っちゅうとなんかむず痒いので地元と呼ぶが)っちゅうのは単純に手放しで愛せないとこあって、時々「あぁ良いとこだったなぁ」と思ってはみても、実際住んでみることを想像するとちょっと色々抵抗があるもんで。 そういう地元へのつかず離れず居心地よい距離感をさぐる気持ちが良く書けてる小説である 登場人物のキャラも綺麗にたっていて(飛鳥井さんのキャラ立ては作品を追うごとにどんどんうまくなっていくと思う)、活字を追ったら勝手に脳裏で動いてくれる感じ。人間関係の微妙さを描いた小説だからこそキャラを立てるって大事なんだなぁと思った次第。
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「俺の居場所って、どこなんだ?」 東京に出てきてから何年も経つ。 自分はここで必要とされているのか? 上京してきた人の多くが感じる思い。 甘ったるくて、ときどきほろ苦い。 そんな話。
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不動産会社で店長をしている遼は急遽トラブル対応のため故郷にある店舗で店長をすることになる。久々に戻った故郷で両親や兄、友人たちと関わるなかで、気持ちの変化が起きる。 自分でなければダメな仕事、立場。 人から必要とされること。 28歳の遼の気持ちは結構共感できる部分が多かったかな...
不動産会社で店長をしている遼は急遽トラブル対応のため故郷にある店舗で店長をすることになる。久々に戻った故郷で両親や兄、友人たちと関わるなかで、気持ちの変化が起きる。 自分でなければダメな仕事、立場。 人から必要とされること。 28歳の遼の気持ちは結構共感できる部分が多かったかな。 ただ東京で生まれ育って両親も祖父母も都内にいるあたしとして故郷とか望郷の念とかいうのは想像するしかないけど 羨ましくもあります。
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生まれ育った町に仕事の都合で一時戻ることになった男の人の話。故郷への複雑な思いがリアル。脇役に魅力的な人がたくさん。 2014/3/16
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故郷がずっとキライだった遼は、ひょんなことから故郷の支店の店長代理に!何においてもズボラな田舎。いちもチョコレートの甘ったるい香りのする田舎。早く東京に戻りたいとおもいつつも、居心地のよさを感じ始めるが…最後には東京に戻るのがいい。田舎にはいつでも帰れる。そう思って今までより一歩...
故郷がずっとキライだった遼は、ひょんなことから故郷の支店の店長代理に!何においてもズボラな田舎。いちもチョコレートの甘ったるい香りのする田舎。早く東京に戻りたいとおもいつつも、居心地のよさを感じ始めるが…最後には東京に戻るのがいい。田舎にはいつでも帰れる。そう思って今までより一歩前に進めた遼。 田舎って、イヤでもキライでもいつでもそこにあり、どんな状況になっても待っていてくれる。そんな安心感があるから、イヤであり、いい所でもあるんだろうな。
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飛鳥井さんの本は三冊目。 人の心が微妙に変化していくさまを描くのが…うまいっ! するする読めて、あっという間にはまってしまう。そんな本。 自分の人生とは少しも重なるところはないのだけれど、なぜかとても共感してしまう語り口。人が好きになってしまう。 僕は生まれてから一度も故...
飛鳥井さんの本は三冊目。 人の心が微妙に変化していくさまを描くのが…うまいっ! するする読めて、あっという間にはまってしまう。そんな本。 自分の人生とは少しも重なるところはないのだけれど、なぜかとても共感してしまう語り口。人が好きになってしまう。 僕は生まれてから一度も故郷を出ていない。でも故郷が好きなのではなく、本当はうんざりしてる。出て行かないのは、他所で生きていく自信がないからかもしれない。 半世紀生きて、そろそろ一度出てみようかなと思えてきた。故郷を懐かしく思える自分を手に入れるために。 いい本です。飛鳥井さんの作品、もう少し読みたいな。
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表紙のイラストから、もしかしてライトノベルズっぽい?と危惧しながら読んでみた。 そうじゃなくて、わりに真剣なテーマだったけど、私にはイマイチ魅力がなかったな。ストーリーも主人公も。 解説に村上春樹さんの本の副読本としてこの本を読むと面白いかもってかいてあって、私が村上春樹を理解出...
表紙のイラストから、もしかしてライトノベルズっぽい?と危惧しながら読んでみた。 そうじゃなくて、わりに真剣なテーマだったけど、私にはイマイチ魅力がなかったな。ストーリーも主人公も。 解説に村上春樹さんの本の副読本としてこの本を読むと面白いかもってかいてあって、私が村上春樹を理解出来ないから、この本もおもしろくなかったのか?と思ったけど、どうなんだろ。
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