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脱グローバル論 の商品レビュー

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23件のお客様レビュー

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2013/12/15

4 これらの制度(※医療・教育・行政・司法)は「弱者ベース」で設計されています。当然、それで「儲かる」ということは本質的にはありえません。基本「持ち出し」です。効率的であることもないし、生産性も高くない。 内田 5 社会的弱者たちを守ってきた「ローカルな障壁」を突き崩し、すべて...

4 これらの制度(※医療・教育・行政・司法)は「弱者ベース」で設計されています。当然、それで「儲かる」ということは本質的にはありえません。基本「持ち出し」です。効率的であることもないし、生産性も高くない。 内田 5 社会的弱者たちを守ってきた「ローカルな障壁」を突き崩し、すべてを「市場」にゆだねようとする。 内田 26 自分が今立っている位置というものを改めて見つめ直して、自分はこれからどうするんだろうと考える。そして、自分の立ち位置で引き受けられるものは引き受ける。たぶんこれからは、何かを変えるのは「誰か」じゃなくて、自分自身が身の回りのことを少しずつ変えていくしかない。 平川 28 「ウォーク・アローン」、つまり「独りで歩め」と。ガンディーが重要視したのは、孤立ではなく、独りであることでした。独りで立てる人間こそが、実は共同体というものの重要性を真に知ることができる、と。 中島 30 まだ競争社会、あるいはグローバル化に適応する社会という方向でやっていくのか、それとも、行政と社会が手を結び、一体となって、何らかの受け皿を作っていくような社会を目指すのか。中島 41 企業の収益はできるだけ故国のため、故郷のために還元しようという発想がない。企業の収益を上げるのは企業の収益を上げるためであるというトートロジーにはまり込んでいる。内田 46 国民国家というシステムは、そんなに出来がいいものじゃない。でも、グローバル資本主義よりは「生身の人間」について知っている。人間がどれくらい脆弱か、どれくらい幻想的か、国民国家はそういう人間の欠陥を勘定に入れて制度設計されている。内田 215 現代社会は、生身の人間の生体スピードの何倍何十倍で社会システムが運動するように設計されつつある。それは僕らのバイオリズムと合わないんでさよ。速すぎて。だから、僕らは今息苦しさを感じている。 217 国民国家は「そんな働き方や消費のしかたをしていたら、長くは続かない」という生身ベースで制度の適否を考える。でも、グローバル資本主義は違う。

Posted byブクログ

2013/07/06

内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5) 中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実...

内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5) 中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実に対して「俺にはもっと幸福が先にあるんだ」と思えた。だから今の自分はまだまだ幸福ではない、と言っていた。しかし今の若者には先が見えない。輝ける未来や、今よりよい自分というビジョンが描けない。あるいは欠落している。だったら今の状態を幸せだと言っておかないと…と考えてしまう。(P.62) 内田:今の公共政策の、まず税金を集めて、そのために企業を誘致して、公共事業でハコモノを作って、それを雇用を創り出して…という発想って、もう完全に時代遅れだと思うんです。税金の徴収と配分も大事だけれども、それよりも市民が自分たちでやりたいことがあるなら、それをどう組織して、どうつなげて、どうネットワークして、行政とどうリンクさせていくのか、そういうアイデアを吟味することがこれからの自治体のたいせつな仕事になると思います。((P.145) 中島:かつて民本主義を唱え、普通選挙の導入を説いた吉野作造が、こんなふうに言っています。吉野はみんなから反対されるんですね。「そのへんのおじさんに選挙権を与えても政策なんてわからないだろう。日本が混乱するばかりじゃないか」と。それに対して、吉野は言うんです。それはそうだろう。そんな政策の細かいことはわからないだろう」と。けれど、こうも言います。「人を見分ける力が民衆にはある」と。(P.151) 中島:リベラルとは、極めて簡単に言えば、国家や権力が個人の内的な価値には土足で踏み込まないという考え方です。それに対してパターナルは、個人の内的な価値観に関わることでも、国家が1つの指針をもって、一定程度コントロールしていきますよという考え方になります。(P.153) 内田:ある政策がいいのか誰も確信ができない。ある専門家がこっちが正しいと言って、別の専門家はこっとが正しいと言っている。そのトピックについて、市民に比べて圧倒的に知識量のある人たちの意見が分かれているんです。非専門家に判断できるわけがない。(P.158) 小田嶋:黒字の消防署ってありえない。つまり公共サービスが黒字を目指すのがそもそもおかしいんだと。当時は国鉄解体の話が出ていた時代で、「国鉄儲かってないじゃないか、けしからんじゃないかと言うけれど、われわれが儲かってないということは、お客様が得をしてるってことなんだから、必ずしもわれわれが責められるべきじゃないんだ」と。(P.188) 小田嶋:さっき内田先生がおっしゃってた日米の父と子の関係の話でいうと、私が前からずっと思っていたのは、アメリカってジャイアンだと思うんですよ(笑)。で、われわれ日本はのび太だったらまだいいんですけど―いや、のび太だった時代もあるんですよ。ドラえもんという強力な科学技術を持ってた時代も―だんだんスネ夫になっていった。つまりいつもジャイアンにくっついて、おべっか使って。ジャイアンの代弁者になって、安全を確保さらてるみたいな、ああいう奴ですよ。でも、スネ夫の唯一の長所というか利点は、あいつ、金持ちの家の子なんですよね。だけど、その唯一のいいところを失って、貧乏になったスネ夫ってどうするの? あるいはドラえもんのいないのび太って何なの?というようなところに今われわれは差し掛かっている。(P.193) 中島:橋下さんが言うような競争社会というものは、グローバリズムの中で戦えるような、安上がりの戦士のような人間を求めてきた。(中略)橋下さんの言う形は、いわば途上国のモデルですよね。それでは一部の人しか得しません。多くの若者はそこから除け者になっていきます(P.196)

Posted byブクログ

2013/06/26

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Posted byブクログ